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  • 1人~4人
  • 90分~120分
  • 14歳~
  • 2020年~

ゴーレム荏原町将棋センターさんのレビュー

1191名
13名
0
2年以上前

箱絵を見てから、メインボードの太め体型を見た人は、どう思うでしょうか笑。どちらかと言ったら、怖いと言うより、歩くアイコンなど、かわいい方です。

↑ 個人ボード(準備前)。スタート時、このゴーレムの上には向上タイルが置かれる。上部の2つの目玉に、ドラフトしたマーブルを置くことになっている。


テーマは、プラハのユダヤ教神父の伝説の物語をゲーム化したもので、本来的には重いテーマです。しかし、主役は、その神父が命を吹き込んだ粘土人形。ゴーレムが夜な夜な街を歩き暴れ回るという、特撮のイメージです。


ゲームは重たい部類に入るので、アクションの整理とフェーズ処理は、何回か遊んで、慣れる必要があるかもしれません。

メカニクスは、ルチアーニの作品で言うと、ダイスではありませんが「グランドオーストリアホテル」と同じ感覚です。

立体ギミック装置のシナゴーグに、大量のマーブルを投入すると、5つの列に分類されて下に落ちて来ます。アクションは、列に落ちて来たマーブルを一つ選び、その列のマーブルの総数を効果値としてアクションします。分別が気に入らなければパスをして、全員がアクションを終わった後、マーブルを一つ捨て、もう一度投入し直すことができます。

「ゴーレム」では、過去のルチアーニの作品のエッセンスが所々に見られます。マーブルを使うのは「マスターオブルネッサンス」。効果値は、「ニュートン」や「グランドオーストリアホテル」で使われた手法ですが、パスを含めて「グランドオーストリアホテル」とほぼ同じです。(個人的には、重ゲーでこのパスシステムは、時間がかなり取られるので好きではありません。バランスは多少良くなるのでしょうが、任意アクションもあるのだし……)

アクションは、このマーブルアクションを2回、ワーカープレイスを1回、計3回を一回ずつ3周します。ワーカープレイスのアクションの中身はボーナスを貰うだけですが、次手番の順番取りも兼ねています。


マーブルアクションは、5列なので5種類。(  )内はコスト資源。

A ゴーレムの稼働 (知識)

B ゴーレムの作成 (粘土)

C アーティファクトの作成 (黄金)

D 本の購入 (知識)

E 1金払ってA〜D任意のアクション


大事なのは、B、C、Dの3種類で、終了時VPとして、

B 作成したゴーレムの数×赤い燭台の数

C 作成したアーティファクトの数×黄の燭台の数

D 本が差し込まれている研究スロットの数×青の燭台の数

という大きなVPになります。(全て最大値4×9=36VP)


B ゴーレム作成のコストは3粘土。スタート時は2体しかいませんが、作成すると、任意の地区ブロックのスタート地点に配置し増やすことができます。ゲーム終了時までに最大4体作れます。自分のゴーレムがいる地区ブロックにも追加することができますが、その時は、一体ごとに−3粘土。つまり、既に1体のゴーレムがいる地区ブロックに作成する場合、6粘土必要です。

C アーティファクトは、決められた数の黄金を釜の中に入れ、溶かし、ミニボーナスを得ます。また、毎ラウンド貰える収入のパワーを上げます。釜は4つあります。

D 本にはボーナスが書かれており、購入時、差し込んだスロットにある全ての本が稼働します。研究スロットは4つあります。


燭台というのは、個人ボードにB、C、D各6枚ずつ置かれている向上タイル、これを改良する(裏返す)と現れます。(各8個。メインボードに各1個)。向上タイルの改良は、マーブルアクション時に1回できるようになっています。


A ゴーレムの稼働は、3つの地区ブロックトラックを歩くゴーレムを、4体まで稼働させることができます。稼働とは、ゴーレムのいるマスにあるボーナスを得ることです。

先程から、ボーナスやらミニボーナスと言っているのは、資源やVPを貰う、安いコストでアクションや向上タイル改良、ゴーレムや助手を動かすなど、ありとあらゆることです。

このような細々としたボーナスや毎ラウンドの収入を活かしながら、先程3種の大きなVPを目指す、緻密なゲームです。


アクションフェーズの前に、各ラウンド必ず、ゴーレムの移動フェーズがあります。

各プレイヤーは、3地区のストリートに一人ずつ助手を配置しており、ゴーレムを監視しているのですが、助手のいるマスより先に進んでいるゴーレムは、そのマスの差分、ラウンド終了時に知識を払わないといけません。全ての地区でチェックするので、知識は基本的に、いや、必ず足りなくなります。

いろんな所のボーナスで知識を得るにも限界があり、もし足りない場合は、ゴーレム一体につき−5VPとなります。

これに対応するアクションがゴーレムの解体で、ワーカープレイスの一つで解体ができるようになっているので、各ラウンド一応1体は解体できます。解体すると、ゴーレムは墓場に葬られ、ここでもミニボーナスが貰えます。

この助手の3本のトラックに、ゴーレムが動く3本のトラック、さらに個人ボードには、スロットに差す本の数を増やす研究トラック、ゴーレムの歩く数を増やすゴーレムトラックがあるので、このゲーム、8つのパラメータートラックがあります。

助手は、実は、マーブルを選ぶ際に、動かすことができます。マーブルの色は、3つの地区を表しており、赤を選ぶとゴーレム粘土地区、黄を選ぶとアーティファクト黄金地区、青を選ぶと本知識地区トラックの助手を1マス進ませることができます。

マーブルには黒が1つだけ入っており、これを選ぶと、任意の2つの地区の助手が1マスずつ進みます。

↑ メインボード上部、宮殿と図書館。左の宮殿の人物カードは、ラウンド終了時、取った2つのマーブルの色が同じならば恩恵を受けられる。(白マーブルは任意の色となる)。指針として、人物カードに忠実に色を選ぶのもいいが、動かしたい助手の色で選ぶことも多く、各ラウンドの小目標となる程の推進力はない。右、本カード。「ニュートン」の本とそっくり。


戦略は、先程の3つの大きなVPともう一つ、目標カードがあります。目標カードは、達成レベルごとに2、4、6VPの3種類がありますが、同じ目標で被っているものが多く、これが重なっている時はチャンスです。スタート時3枚保持していますが、途中のボーナスで何枚も追加が可能です。


ルチアーニとアッキトッカということで、特化戦略型ゲームです。(「アッキ特化」と人は云う)

ゴーレム戦略、アーティファクト戦略、本戦略、目標カード戦略が代表的ですが、1つでは弱いので、できればメインともう1、2つを組み合わせたいです。


ポイントとしては、

■12手番しかないので、戦略は、序盤平均的に伸ばして行っても、中盤は何かを切り捨てる必要がある。

■その指針となるのが、各向上タイルにある「8粘土→3赤燭台」「8金→3黄燭台」「8知識→3青燭台」。この向上タイルを8コストで改良できるかどうかを見極める。

■スタート時、目標カードはロチェスタードラフトを行なう。手持ちの3枚を選ぶ時、同じ種類は勿論、確実に3枚クリアできるものを選ぶ。目標カード自身のVPの他、3枚達成の5VPが追加で貰えるし、4枚達成9VPも狙える。

■小目標を立てるなら、自分の3枚の目標カード。これに沿って進めていくのが分かりやすい。人物カードの恩恵は内容による。第四ラウンドの人物は大きなVPになることもあるので、チャンスなら狙いたい。

■ゴーレムはボーナスパワーが大きいが、墓場があれだけ多いのはなぜか。助手から離れ、暴走し始めたら、勿体無いとは思わず、喜んで解体したい。

■または、ゴーレム向上タイルのゴーレムの頭部に当たる部分、このタイルを早めに改良する。この効果は、助手とゴーレムの差分の制御不能マスを最大でも2にしてくれる。

■ゴーレムの左足部分も暴走を多少制御させる効果。2粘土で改良できるので、第一ラウンドに改良できる。

■助手の3つのストリートトラックの進み方にも特化戦略が必要。各ストリートトラックの8マス目に燭台が落ちている。特化戦略が決まったら、できればその助手を8マス目まで進めたい。

■本はタイミング。知識激安の本は、ボーナス内容など見ずに、即購入しておきたい笑。また、同じ色の本を買うと効果が倍増するので優先したいが、研究スロットを上げておく必要がある。時間的余裕が無い時は、終了時VPを見越して、色違いの本を優先したい。

■研究トラックの上部3マスにも終了時VPがある。しかし、研究トラックを上げるのは大変なので、無視する手もある。ただ、知識収入が増えるので、ある程度は上げたい。ゴーレムトラックも、VP収入が増えるが、歩く歩数が増えるので、ある程度で十分。

■1回目の解体は、ゴーレムのお腹の改良時に合わせるのがベスト。この改良は、即時解体と、次回の解体から墓場ボーナスが2倍となる永続効果だ。墓場ボーナスでは、一番左の墓の4VPが狙い目。お腹の改良後に取れば8VPだ!

■ゴーレムの右足も左腕も、即時アクションを持っているので、改良しておきたい。つまり、ゴーレム向上タイルは全て改良したいので、メイン戦略はゴーレム特化がオススメだ。

↑ メインボード下部。青プレイヤーの助手が7マス目まで来た。あと1マス進むと、青の燭台が取れる。助手がここまで進んでくれると、下の2体のゴーレムは解体する必要はない。ゴーレムはこれ以上進むとコストを喰うので、この位置をキープするかどうか悩ましい。やはり、進む前に解体がいいかな……下に墓場があるし…


最後に、一つ気になる点が……

ユダヤ教会シナゴーグの投入口です。投入口が横長なので、説明書には、「できるだけバラけるように」と書いてありますが、やはり端っこから投入すると、端っこにマーブルが固まります。つまり、ラウンド開始時、端っこの列のアクションをしたいプレイヤーは、効果値が上がるように、端っこに投入しそうです笑。真ん中から入れると5列バラけるので安心ですが。ただ、真ん中から入れても、手首をグニャっと気持ち曲げて投げれば、そっちに行きそう笑。まあ、それもツッコミが入って面白いんですけどね…

(いつも、攻略法ではなく「何をしていいか分からない」ゲームを具体的にイメージするためレビューしてます。なので、シナゴーグの件はあまり気にされないでください笑)


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