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  • 1人~5人
  • 60分~90分
  • 14歳~
  • 2020年~

エターナル・パレス荏原町将棋センターさんのレビュー

235名
6名
0
2年弱前

『イーゼルにキャンバスを立て、あなたは、まず青い空を描いた。……さて、この後は何を描こう?』


それは、これから始まるダイスプレイスメントで決まります。

8枚以上の画層を描き、一枚の絵を完成させるゲーム。画層を重ねていくことで風景画が完成します。一つ一つの画層は、この宮廷の庭園にある一風景です。

『山が聳え、小川がせせらぎ、五重塔が見える。桜が咲き、湖が垣間見える。畦道の先には古寺がある』

↑ 終了時の風景画(左)と、画層70枚(右)。特別な収納ケースは、ゲーム中、このように整理しておくことができる。


宮廷画家であるあなたは、この宮廷の主人、皇帝に憧れを抱いています。しかし、庭園は長い年月で朽ち果てており、再建の過渡期に差し掛かっていました。

ここは腕の見せ所です。あなたがまず考えることは、「春閣」「静寂の橋」「龍の窯」「気高き牛像」の4つの建築物を修復し、お祝いとしてその風景を描くことです。この建造物の絵に関しては、皇帝は直接お喜びになり、皇帝トラックが1マス進みます。


ゲーム終了時、この皇帝トラックのトップの者は寵愛を受け、皇帝印3VPを受け取ります。そして、絵の画層ごとに1VP。また、特徴的な絵を挿画した場合も1VP。建造物トークン1つにつき1VP。一番早く8枚の画層を完成させた者は1VP、連続番号の画層を一番長く描いた者にも1VP。

優勝ライン15〜16VPあたりの超小場ボードゲームです。ライバル画家に1VP差で勝てばいいのです。さあ、貴重な1VPを取りに、じっくり考えましょう!


メカニクスは、ダイスプレイスメント。ラウンドごとに各自ダイスを振り、メインボードに書かれた1〜12の数字のスペースのどこかにダイスを置き、アクションをします。(誰でも何回でもスペースを使えるので、実際にはダイスを置く必要はありません)

手番では、アクションしたいスペースの目と同じ数字になるよう、自分のダイスを1個以上使います。各自ダイスを使い切るまで周回。スペースの種類は、


4、6、9、11……資源を取る

3、5、8、10……建物を修復する

1、2……人物カードを取る

7……知恵を3つ得る

12……宮廷市場(資源、知恵、魚などを得る)

永遠の橋……架け橋トラックを進める

(帝国巻物……資源、知恵、魚などを得る)


帝国巻物アクションは、いわゆる逃げスペースで、どのスペースにもダイスを使えなくなった場合にやむを得ず使う場所です。これ以外のアクションスペースでは、全て、それぞれの番号と同じ風景画を貰う(描く)ことができます。風景画は部分的なもので、これを8枚以上集めた時、終了フラグが立ちます。


3、5、8、10の修復アクションは、1回アクションすればすぐに絵を描くことができます。他の目のスペースは、何回か繰り返し訪れなければ絵は描け(貰え)ません。

↑ メインボード下部。ダイス目1の魚屋と2の知恵学院では、人物カードを取ることができる。ダイス目3の「春閣」と5の「静寂の橋」では、それぞれ木、石を払い、建物を修復する。木、石が足りない時は、それぞれダイス目4、6をアクションする。ダイス目1、2、4、6は、3回訪れると絵が描ける(貰える)。一番最初にこのトラックを上げたプレイヤーは、画層の他に、挿画の画層も手に入る。


↑ メインボード上部。ダイス目8の「龍の窯」、10の「気高き牛像」は、それぞれ、粘土、青銅をコストとする。その資源は9と11にあるが、木や石よりも、目が大きい分ダイスを消費するので、トラック2マス分訪問すれば絵が描ける。ダイス目7「知恵寺」と12「宮廷市場」は、一ラウンド中に2回訪れることができれば、その場で絵が描ける。右側にあるのが、ダイス目の指定されていない「永遠の橋」と「帝国巻物」。「永遠の橋」は、ダイス1個しか使うことができないが、その目の数だけ進み、ゴールまで進めば絵が描ける。なので、「帝国巻物」でダイス1個使うのなら、この架け橋トラックを進ませたほうがよい。


宮廷市場は、12を2回?

プレイヤーはスタート時、ダイスを3個持っていますが、12を2回出すことは不可能。ラウンドが終わるたびに、写真上部にある皇帝トラックが最も進んでいるプレイヤーに、宮殿からダイスが1個与えられ、4個になります。ただし、次ラウンド以降は、全員が4個になるまで、5個にはなりません。こうして、MAXダイス5個になった状態で、12を2回、同じラウンドでアクションすることが可能になります。


このゲーム、1VP差の大接戦になると分かっている以上、どんな1VPでも取りに行きます。

ポイントとしては

■知恵の使い道は、ダイスの目を変えること。知恵1つで任意のダイスの目を±1できる。1→6、6→1も可能で、この時は知恵2つ払う。

■ただし、知恵と魚は、終了時なんのVPにもならない。なので、ダイス目1「魚屋」や2「知恵学院」で人物カードを得る場合、カードに書かれている資源コストではなく、知恵や魚を払いたい。

■一番絵が描きやすいのが、建造物3、5、8、10。スタート時、各資源1個ずつ持っているので、第一ラウンドから、この4種類の目をアクションしていきたい。ただし、誰かが建造物アクションをすると、コストが1個増える。例えば、3の目の「春閣」を一番初めにアクションしたプレイヤーは木材1払うが、2番目に入ったプレイヤーの時は2木材、3番目にアクションしたプレイヤーは3木材…ということだ。

■また、画層以外で1VPを狙いやすいのは、挿画だ。ダイス目1、2、4、6、9、11のミニトラックを一番最初にゴールすればよい。

■終了時VPの一つ、「連続した番号の画層の一番長い人に1VP」は、7番の知恵寺がポイントで、これをクリアすれば、獲得に一歩近づく。

■結局一番大事なアクションは何番?と言われたら、やはり3、5、8、10の建造物アクションとなる。即時で絵を貰えるだけでなく、皇帝トラックが1進むのが大きい。何しろ、このゲーム最大の3VPが入るし、また、追加ダイスの優先順位も決まる。そのためには、コストが低いうちに早く入っておきたい。

■もう一つ。建造物アクションでは、アクションしたプレイヤーには、その建造物のトークンが貰える。これも1VPなので、4種類とも欲しいところ。ただ、このトークンは、ゲーム終了時に持っていたプレイヤーということなので、実は最後にその建造物アクションをしたプレイヤーのものとなる。高コストでアクションすると1VPが付いてくるという仕組みだ。なお、トークンを持っているプレイヤーがその建造物アクションをした場合、トークンの移動が行われない代わりに、皇帝トラックが2マス進む。


1VPにこれだけ執着できるゲームはなかなかないと思いますし、なんといっても、皇帝への情を込めた風景画。牧歌的な風景は美しいものです。

また、画層を重ねるという仕組みは、本当に絵を描き進めている感じです。昨年CANVASがヒットしましたが、メインボードあり、イーゼルあり、そして立体感ありの「エターナルパレス」で、感傷的な気分に浸りながら、画家の真似して、絵を描いてみませんか。



※ レビューにご感想・ご不明な部分等ございましたら、ご遠慮なく下にコメントください🙂

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じむや
くまちま
つっちー
Sato39
ドウメイシ
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荏原町将棋センター
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