ダークソウル ボードゲーム白州さんのレビュー

7/10

今ほど、ボードゲームがキックスターターで流行る前の初期の頃に成功したIP系ボードゲームで有名な作品の１つ。

ちなみに自分はダークソウルをプレイしたことがなく、そもそもどんな内容なのかもしらないので、それを前提にしたレビューとなるので、ご了承してもらいたい。

さすがにプレイする前に、ゲームのトレーラーだけをさっくりみたが「主人公がなんか呪われてるらしい」と「難易度がゲキムズ」ということくらいしかわからなかった。

ちなみにキックスターターで２億円近く集めたバイオハザードのボードゲームと同じメーカーなのだが、３倍以上の６億円を集めているこのボードゲームは、バイオハザードの知名度も考慮するとかなりすごいと思う。

そんなわけで、前からかなり興味はあったのだが、無駄にでかい、高い、リプレイ前提（そりゃそうだが）のゲームということもあって、なかなか手を出さずにいた。

だが、ちょっとしたご縁があって、先日プレイ。そして、このゲームがなぜ、ここまで人気なのかもわかった。

まず、人気テレビゲームが元になっているゲームは、当然、ファンの人が喜ぶ（＝細かいところまで配慮している）ようにつくらなければならないが、それと同時に、あんまりこのゲームを知らない人にも楽しく遊べるようにする必要がある。

そうしなければ、マニアのコレクションアイテムだけで終わってしまったり、マニアに受け入れられない単純な大衆向けゲームになってしまう。

だが、このゲームはそうではなかった。

ルールブックはそれなりにボリュームがあって、諸ずいき、面倒だったが、いざ始めてみると、軸のルールはシンプルで、思いの外、遊びやすかった。

攻撃判定もダイス判定でダークソウルどころか、ボードゲームをやったことない人にもわかりやすいし、無駄に武器カードが多いのだが、原作ファンなら「これ来た！」みたいなのもあるし、そうでなくても、なんか強そうというのは、直感的にわかるので、結構、楽しめたりした。

ダークソウルは元が異常な難しさを誇るマゾゲーとして有名なのだが、ボードゲームでは、敵の攻撃スピードが異様に早いことでそれを実現している。

普通、こういう協力型ダンジョン攻略タイプのゲームは、通常、自分たち（仲間全員）が移動してから、相手全員が動くのだが、なんと、このゲーム、自分たちの誰か"1人"が動くと、相手全員が動いて攻撃してくるのである。鬼畜！

つまり、パーティーが３人の場合、全員が１手番終わる前に相手側は全キャラが最大で３回ずつ攻撃してくるのだ。

だが、無理ゲーというわけではなく、ほどよい難易度になっていて面白く、そしてボスにたどり着いたときのあまりの強さの絶望感はさらに原作を再現していたと思われる。（ボードゲームなのに、最初はレベル上げをするためにいろいろしなければいけないみたいな仕様になっていて、うまく再現できてると思う。逆に言えば、面倒なのだがｗ）

そして、基本セットでも６体のボスが入っていて十分すぎるボリュームだった。通常のシナリオで３〜４時間かかるので、ファンも満足する内容だろう。

それでいて、ファンでなくても楽しめる設計なのは素晴らしい（さすがにボードゲーム慣れしていないときつそうではあるが・・・）。

６億円も集めて、今でも人気のあるボードゲームというのも納得の作品だった。

ゲーム的な評価は、６くらいだが、コンポーネントと設計バランスを評価して＋１としておく。