決算日マクベス大佐＠Digブログさんのレビュー

こく一刻と迫りくる給料日が怖い！経営者の苦悩が分かる、公共事業入札ゲーム！

【ざっくり解説】

　デロンジェの公共工事の入札ゲームです。4種類の労働者を手札として持ちます。彼らの給料を支払うべく、公共工事に入札して、最安値を提示した人がそれを引き受けます。

　この時に最安値が被ると地獄です。入札価格より安い価格で2人で請け負うハメになります。赤字の仕事をすることすらありえます。こうして生きるためにやっすい仕事を引き受けながら、食えるかギリギリみたいな経営をしつつ給料日の支払いに怯えるゲームです。なにこのブラックなゲームです(笑)。

【長所】

　仕事を受注した労働者は2ターン稼働中扱いになり、他の仕事を引き受けられません。この性質を利用して、誰も引き受けられないところまで我慢して、高価格での仕事の受注を通した時の嬉しさは格別です。

　またギリギリの建設業界の厳しい入札競争をそのままゲーム性にしていますので、ややブラックな世界観ですが雰囲気は抜群です。

【短所】

　決算日のカードは山札のどこに積んであるか完全にランダムです。連続決算日だけ無効なのですが、決算日は固まって起こることも多々あります。かなり暴力的な運要素だと思います。古いゲーム特有の粗さとも言えます。

　また決算日の支払いができなかった場合は脱落というのは、かなり雑だと思います。借金をしてゲームに残るとかでも良かったのでは？と個人的には思います。

【個人的な評価】

　ユニークな入札ゲームです。仕事を安く引き受けすぎると、リソースを残している人に悠々と高価格で引き受けられる可能性もあります。基本的には決算日のことを考えると、多少安くても引き受けておいた方が良いです。

　決算日の支払いの金額も稼働中でない、手札で待機している労働力の分だけ発生します。なので安くても良いので仕事を受注しておけば生き残りはできるかと思います。

　反面デロンジェ特有の最悪のシナリオが有り得るゲーム性は賛否が分かれます。近代のゲームでは決算日のランダムっぷりや、資金切れによる脱落などはまずあり得ません。この点を魅力と捉えるか、欠点と捉えるかで本作の評価は大きく変わろうと思います。

　推定プレイ回数は5回ほど。競りゲームというよりもリスク管理とチキンレース（度胸比べ）としての性質の強いゲームです。どこまで欲張るのか？安くても良いから引き受けておくべきなのかの、ジレンマがあります。そこは楽しいです。

　反面、粗いゲームバランスは少しいかがなものかと思います。それを補って余りあるユニークさもあるので、デロンジェが好きなら一度は遊んでみる価値はあると思います。短時間で遊べるので厳しくかつ、粗いゲーム性もさほど気にはなりません。個人的にはOKゲームです。