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  • 1人~4人
  • 60分~120分
  • 13歳~
  • 2019年~

泰山荏原町将棋センターさんのレビュー

146名
3名
0
3年弱前

メインボードと個人ボードにあるダブルピラミッド!!いえ、ピラミッドではなく、漢の武帝の時代の「泰山」です……

ガラス製と思わせる透明感のある重い石タイル。これがメインボード中央にピラミッドのように積み上げられています。同じ見た目でも、これでは「テオティワカン」のピラミッドが完全に見劣りしてしまいます笑

↑ 泰山は8×8マスで出来ているが、各プレイヤーは4分割の4×4の部分が私有地となり、他プレイヤーの私有地に入る(開拓する)ことはできない。スタートは四隅から。開拓地は縦横に隣接させていき、4階層の頂上を目指す。この写真の場合、3階まで開拓したので、あと一手で頂上だ。


肝心なゲーム内容はどうでしょうか。

一見重ゲーに見えるコンポーネントの量とアクションの種類。しかし、8種類あるアクションも、手番にできるアクションは限られています。

どう限られているかと言うと、個人ボードのピラミッドの山、政令タイルと呼ばれるアクションタイルが積まれていて、手番では、覆われていないタイルしか取ることができません。

政令タイルは3階層になっており、一番上の3階層に2×2の4枚、2階層に3×3の9枚、一番下の1階層に4×4の16枚があります。3階層の政令タイルには1つのアクションが書かれており、2階層のタイルは、書かれている2つのアクションのうちから1つ選べ、1階層のタイルは、書かれている2つのアクションが両方できます。

↑ 個人ボードにも泰山。政令タイルは、当然ながら、2アクションできる1階層のタイルをたくさん使いたい。この状態の場合、1、3、7の他、17(農地と建築)、29(祭天と募集育成)が使える。


政令タイルのアクションは以下の通り。


・開拓(茶)…泰山の同じ階層を2マス開拓するか、1階層上を1マス開拓する

・農地(緑)…開拓タイルを農地タイルに置き換える

・街(黄)…開拓タイルを街タイルに置き換える

・募集育成(ピンク)…人物カードを買うか、手持ちの人物カードのレベルを1上げる

・建築(灰)…建築タイルを買う

・醸造(黒)…1〜3食糧を払い、1〜3酒を貰う

・慶典(紫)…3食糧と3酒を払い、6VPを貰う

・祭天(紺)…2食糧と1酒を払い、6VPを貰う


下2つのアクションが、このゲームの得点源となります。では、慶典と祭天の違いは何か。祭天アクションは、泰山の頂上まで開拓していないと使えません。

早い話、慶典アクションをしないで開拓アクションを進め、頂上に着いてから祭天アクションを行なう、という方針が効率的です。

非常に見通しが良いゲームで、8つのアクションを頑張って覚える必要はありません。VPから逆に遡っていけば、必要なアクションは見えてきます。

では遡りましょう。慶典や祭天に使う食糧と酒は、どうやって調達するのか。酒は、醸造アクションがあります。食糧は主に、農地タイルから収入として入ります。つまり農地アクションです。

全プレイヤーの食糧、酒、お金の増減は、メインボードの3つのトラックで示されます。お金は主に、街タイルから収入として入ります。つまり街アクションです。

お金は何に使うのか。それは募集育成と建築アクションです。この二つは両方とも効果です。

これで8種類全てリンクしました。


ゲーム終了は、春夏秋冬を二年分、一つの季節は2ラウンドなので、全16ラウンド。全16手番ということになります。季節が終わるたび(つまりゲーム中8回)、泰山八讃という小目標タイルが設定されており、これが一年目はどれも5VPあります。

一シーズン2手番しかありませんが、達成すると5VPなので、これも目の前の指針となります。やはり見通しが良く、遊びやすいです。

大きなVPも、先程の慶典祭天アクションと、この泰山八讃タイル。特に二年目は、「〜ごとに2VP」など条件付き小目標となるので、期待値は5VPより大きくなります。

あともう一つ、人物カードの育成レベル3は、終了時VPとなっており、これも大きなVPです。

主にこの3つを狙いとすれば、誰でも優勝争いに絡むことができる、見た目以上に優しいゲームです。


人物カードの効果だけは、視認性が良くないものがあるので、特に赤のカードは、私は厳選して使っています。赤は、醸酒工、政事官、鄭國後人、老村長がオススメです。特に鄭國後人は、唯一、川タイルを配置することができるので、開拓時、川を跨いで階層をジャンプし、泰山の頂上までショートカットが可能です。この鄭國後人はユニークなので、スタート時ぜひエントリーさせたい人物です。


ポイントとしては、

■ラウンド終了のたび、つまりゲーム中16回、食糧、酒、お金、VPなどのボーナスが貰える。このボーナスはプレイ人数分あるが早取りなので、特に序盤は、このボーナスのための順番取りにも気を遣う。順番は、政令タイルに書かれている数字の小さい順。

■「慶典より祭天」は先程述べたが、政令タイルにある全ての祭天(全部で6枚)は、全て行ないたい。そのためには、まずは早めに泰山の頂上まで開拓すること。ただし、開拓にはお金が掛かるので、お金の調達も大事。また、建築タイルの一つ「冥府」は、開拓時のコストが0になるというもの。これ自体購入時に3金掛かるが、優先して買っておきたい。

■即ち、序盤は開拓アクションがメイン、終盤は祭天アクションがメイン。残りのアクションは、この二つの間に入れていくイメージだ。

■募集育成アクションも、募集時1金、レベル2育成時2金、レベル3育成時3金掛かる。これにも、対応の建築タイル「大学」を買えば、募集も育成も-1金の永続効果となる。

■序盤はお金がカツカツになりやすい。しかし、泰山登頂後は、打って変わってお金の使い道は、育成ぐらいしか無くなる。終盤は、お金を無視し、祭天のための食糧、酒の調達が重要となる。

■効果が累積する人物カードは、何人も募集したいところだが、募集ばかりすると育成が出来ないので終了時VPが入らない。募集育成は、開拓→祭天のメインアクションではないので、何回もアクションするわけにはいかない。

■春と秋の終了時には農地の数×1食糧、夏と冬の終了時には街の数×1金の収入がある。一年目に余裕があれば、農地アクションと街アクションを最低1回はしておきたい。

■泰山には、原生集落のマスがあり、ここを開拓すると、自分のピラミッドの政令タイルを2枚削除することができる。これは1階層のタイルが取りやすくなるので、頂上へ最短距離にならなくなっても開拓しておきたい。

■街アクションは、自分のどの開拓地を街に置き換えてもゲーム上支障は無い。ただし、農地は川に隣接している必要があるので、(接していないと−2金)、街は川に接していない所にするのがセオリー。

■ゲームは接戦になりやすい。しかし、祭天アクションが全部終わり、さらに食糧と酒が余っていれば、禁断の慶典アクションができる!終盤、ここまで手が回れば、理想的な展開と言える。


個人ピラミッドによりアクションが限定されるので、長考が起きずサクサク進みます。煌びやかな立体泰山にタイルを配置する行為も楽しいので、デザインとシステムが斬新な、この「ダブルピラミッド」ゲームをぜひ。久しぶりの満点ゲームです。

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つっちー
Sato39
びーている / btail
荏原町将棋センター
荏原町将棋センター
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