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  • 2人~4人
  • 90分前後
  • 12歳~
  • 2014年~

オルレアンSato39さんのレビュー

1032名
20名
0
約1年前

《バッグからタイルを取り出すドキドキ!緻密な戦略とままならない運要素が絡み合った名作!》

名作と聞くものの入手困難で諦めていましたが、2021年2月にEngamesさんより日本語版が販売され素晴らしい作品だったのでレビューします。

※今回、かなり長文となっていますが、半分は都市オルレアンについての記述となっています。ゲームに関することだけ知りたい方は前半を読み飛ばしてください。またゲーム内容をご存知の方は最後の感想だけでも読んで頂ければ幸いです。


【舞台は中世ヨーロッパの都市オルレアン】

説明書にはあまりテーマや舞台背景について記載がないので、「中世ヨーロッパの都市オルレアン」ということからある程度想像するしかないと思います。以下は私が調べたオルレアンについてまとめてみました。ボードゲームはテーマを知ることでさらに楽しさが増すと考えていますので、雰囲気だけでも感じてもらえればと思います。

オルレアンはフランスの首都パリの南西に位置し、ロワール川沿いにあるロワール渓谷に属している美しい街です。フランスにはいくつか大きな川が存在しますが、ロワール川は同国最長の河川でありフランス中部を東西に流れています。

フランス語会話学校(https://au-jardin-francais.com/)より引用

ロワール川中流部は気候が温暖でブドウの産地として有名でありワイナリーがたくさんあります。またロワール渓谷一帯はヤギの乳で作られた個性的な風味の「シェーブルチーズ」が有名です。

またロワール川はフランス中部を東西に流れる大きな川で、航行及び通商路として非常に重要でした。このためオルレアンはパリ、ルーアンと並ぶ豊かな都市として栄えたそうです。

オルレアンにあるサント・クロワ大聖堂とロワール川
Shizuさんのブログ(https://ameblo.jp/sh162195/entry-12339380599.html)より引用

ロワール地方に限らず中世フランスでは羊の放牧が一般的であり、麦畑に接した牧羊地や山地で羊が放牧されていたようです。14世紀になるとフランス北方のフランドル地方では羊毛による毛織物産業が盛んになり、この豊かな地方の支配権争いはイングランド王国との百年戦争の原因にもなっています。

オルレアンはパリに近いことから戦略的要所としても重要視されていました。百年戦争の際にはイングランド軍に包囲されたこの町をジャンヌ=ダルクが解放しフランスを勝利に導いたことから、彼女は「オルレアンの乙女」と呼ばれています。

マルトロワ広場のジャンヌ=ダルク騎馬像
トリドリ(https://tori-dori.com/europe/2020/01/30/72718/)より引用

百年戦争に勝利したシャルル7世がシノン城に宮廷を移してから百数十年間、ロワール川流域はフランスの政治・文化の中心でした。貴族たちもこぞって城を建て華やかな宮廷絵巻を繰り広げたため、ロワール川沿いには今でも数多くの美しい古城があります。

シャンポール城:16世紀初頭のルネサンス絶頂期に、フランソワ1世が築いたベルサイユ宮殿にも匹敵するロワール最大の城。写真=PantherMedia/イメージマート

またオルレアン大学は、中世大学の中でも初期に設立されたかなり歴史のある大学です。法学が専門でありヨーロッパ諸国から高く評価されていたようです。


このようにオルレアンは「農業」「商業」「城」「大学」など、中世ヨーロッパの様々な魅力が詰まった都市なのだと理解できます。では、ゲーム内容です。

【ゲーム概要】

プレイヤーは、中世オルレアンに住む有力な商人として様々な随行者を雇い、ロワール地方の色々な商品を手に入れ、交易所を建てることによりネットワークを広げ、街の発展に貢献することで名声(勝利点)を得ます。

メインボードの左側にはプレイヤーが獲得できる随行者が示されています。上から、「修道士」「農夫」「職人」「交易商」「船長」「騎士」「学者」です。これらに対応したアクションを行うと随行者1人と対応したトラックを進めることができ、様々な恩恵を受けることができます。

ゲームは、18ラウンド行いメインボード右側のマップにランダムに置かれた商品(綿織物5点、羊毛4点、ワイン3点、チーズ2点、穀物1点)を獲得し、それらの合計点と交易所と市民タイル及び発展レベルを勘案した勝利点を合計して、最も勝利点の多いプレイヤーの勝利です。


【バッグからタイルを取り出すドキドキ感がたまらない!】

このゲームのメインシステムはバッグ構築で、好きな随行者タイルをどんどん自分のバッグに放り込んでバッグを構築し、狙ったアクションを実行しやすくしていくものです。これはドミニオンに代表されるデッキ構築とシステム的には同じものですが、バッグからタイルを引くドキドキ感はデッキからカードを引く行為とはまた違うボードゲームならではのアナログ的な楽しさがあります。


【バッグ構築が成長を感じて気持ちいい!】

見た目も独特な個人ボードが、このゲームで一番特徴的で目立つところです。まずラウンドの初めに自分のバッグから随行者タイルを数枚引き、個人ボード下の市場へ並べます。次に、それらのタイルをアクションの場所(農家、村、大学、城、修道院、写字室、船、馬車、ギルドホール)へ並べていき、タイルが全て並んだ場所のアクションを行います。

最初はバッグから4枚しかタイルが引けないため、なかなか思うようなタイルが引けず好きなアクションを行うことが出来ませんが、それでも少しずつ欲しい随行者タイルを増やしていくことで好みのバッグが構築されていき、狙ったアクションが出来るようになっていきます。このバッグ構築感が気持ちいい!


【アクショントラックのボーナスで戦略性が増して面白い!】

各アクショントラックを成長させていくと様々な恩恵を受けることが出来ます。

  • 農夫トラック:勝利点となる商品を獲得できる。
  • 職人トラック技術タイルを個人ボードに置き、各アクションの必要なタイルが1つ減る。
  • 交易商トラック:好きな場所タイルを1枚獲得でき、アクションの種類が増える。
  • 船長トラック:対応するお金をもらえる。
  • 騎士トラック:引けるタイルの数が増える
  • 学者トラック:街の発展レベルを上げることで、最終勝利点の倍率が上がる

これらの要素は非常に良く考えられていて、職人、交易商、騎士トラックはアクションが増強されて、さらに強力なアクションを行うことが出来ます。これに対して、農夫、船長、学者トラックはゲーム中ほとんど恩恵を受けることは出来ませんが、最終得点計算時に大きなアドバンテージになります。どのトラックを伸ばしていくかは非常に悩ましく、戦略性が増してゲームの展開を面白くさせています。

これらのボーナスはどれも強力で、騎士トラックを進めるとバッグから引けるタイルの数を4、5、6・・・と増やすことができ、単純にアクション回数が増えるため有効です。また職人トラックを進めると技術タイルがもらえ、これを置くことにより必要なタイルが一つ減り、これもアクション回数が増えます。交易商トラックは好きな場所タイルを獲得し、自分だけの強力なアクションを行うことが出来ます。


【大事なのは商品獲得と交易所建設。妨害のない適度なインタラクションが面白い!】

しかし気持ちの良いバッグ構築だけでは勝利点につながりません。勝利点を獲得するためには、右側のマップ上で「」や「馬車」といった移動アクションにより商人駒を移動させて、ランダムに配置された商品を獲得していく必要があります。これがまたなかなか悩ましいです。

ゲーム開始時、プレイヤーは中央上部のオルレアンにいるのですが、マップ北側の陸地を馬車で移動していくのか、船を使って水路で南へ移動していくのか考える必要があります。街から街へ移動するとその途中にある商品を獲得できますが早取りとなっているため、他のプレイヤーの後で移動しても商品は得られません。他のプレイヤーよりも早く、陸路と水路を上手く使い分けて移動していく戦略がとても重要になります。

また移動した街には交易所を建設することができ勝利点となりますが、他プレイヤーの交易所があると建てられないため、これも早取りになります。この点において他プレイヤーとのインタラクションがやや強めに設計されていますが、妨害はできないため嫌な感じは全くないです。


<良いところ>

  • バッグ構築、アクショントラックの成長が気持ちいい。
  • 右マップ上での商品、交易所早取りの適度なインタラクションが悩ましく面白いが、妨害はないため嫌な感じはない。
  • 中世の都市オルレアンを感じられるテーマ、アートワークが素晴らしい。

<悪いところ>

  • 商品のランダム配置とバッグドローに多少の運要素があるため、勝負にこだわる人は気になるかも。

<説明書&対象>

説明書:12ページ。インスト:30分、プレイ時間:1時間45分(5人)
BGG weight:3.04(2021/10/31現在)やや重めの中量級でしょうか。
おすすめの対象は、デッキ構築が好きな方、個人ボードでやりくりするのが好きな方、他人とのインタラクションを楽しむ方、ユーロゲームの雰囲気が好きな方、等かなり幅広い層で楽しめると思います。多少の運要素も許せない方や軽ゲーしか無理な方以外はおすすめできますね。


【感想】

以前から評判を聞くたびに気になっていた作品ですが、Engamesさんの日本語版発売のおかげでプレイすることが出来ました。私はドミニオン(デッキ構築)や、クアックサルバー(バッグ構築)が大好きなので楽しみにしていましたが、期待以上にツボにハマる素晴らしい作品でした。

アートワークを手掛けたのはクレメンス・フランツさん。アグリコラも担当されており、独特な2000年代の古き良きユーロゲームの雰囲気を感じますが、実は2014年発表の作品でシステムは非常に洗練されています。このため古参ボードゲーマーの方や私のような最近始めたボードゲーマーの方など様々な人にとって親しみやすい作品なのだと感じています。

同じバッグ構築ゲームということでクアックサルバーとよく比較されますが、クアックサルバーはソロ感の強いチキンレースであるのに対して、オルレアンは適度なインタラクションが特徴的です。しかし妨害要素がないので全然気にならず、私でも商品早取りの競争を楽しめました。

また5人用拡張(英語版)を購入して5人でもプレイしてみましたが、バッグドローのフェイズは同時進行のため意外とダウンタイムは短く飽きることなく楽しめました。BGGでもベストプレイ人数は4人となっており、むしろ多人数でのインタラクションを楽しむバッグ構築ゲームなのかもしれませんね。5人用拡張は日本語版がEngamesさんから予定されているのでおすすめです。

とても気に入ったのでアップグレード駒まで購入してしまいましたw

今回、オルレアンについて色々調べてみて、とても魅力的な街であることを知りました。中世ヨーロッパの歴史に思いを馳せながら、この作品の洗練されたゲームシステムをこれからもずっと堪能したいですね。名作です♪

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