メガシティ：オセアニア白州さんのレビュー

5/10

ボードゲームのシステムメカニクスを網羅した書籍「ゲームメカニクス大全」にも収録された珍しいシステムのボードゲーム。

なんと、バランスゲーム＋リアルタイムゲーム＋エリアネットワークというまさかのシステムをブレンドしており、（当然だが）今までにないボードゲームに仕上がっている。

基本は手番が来たら、建物をつくるための資材集めや企画カードのゲットなどをするか、完成した建物をメガシティに配置するかの２択。

このゲームの面白いところが、都市をつくる（バランスゲーム部分）が、自分の手番以外のときしか行うことができない点。

つまり、ダウンタイムという制限時間の中、建物をつくらなければいけないのである。厳密にはリアルタイムではないかもしれないが、他プレイヤーの手番のスピードによって、建設できる時間が変わるので、かなり独特。

建物をつくるのも一筋縄ではいかなくて、土台にはインフラと呼ばれる３つの点があって、これらを全て埋めなければならず、さらに通気口というアイコンがあるのだが、これは塞いではいけないという縛りがあり、さらに企画カードに高さ何cm以上だの、この色のパーツは使えないだの、アーチをつくれだの、いろんな条件をつきつけられる。

そんで、完成したら、中央にあるメガシティに配置するのだが、特定の色の建物をたてると、オブジェができる。このオブジェに隣接していると得点になるという仕様があるため、地味にどこに置くかを考えさせられる。

当然、バランスゲームなので、置く途中で崩してしまうとやり直しになる（笑）

そうならないように自分の近いスペースに置きたいのだが、置く制限や得点仕様の関係でそういかないのがユニーク。

さらに、様々な種類の建物をたてたり、一番高い建物をたてたりするとボーナスも入ったりする。

とまぁ、そんな感じで斬新でいい感じにレビューしてみたが、リアルタイム＋バランスというアイデアは素晴らしいものの、他の方もレビューしてみるが、地味に確認が必要なテンポの悪さが目立つルールも入っており、なんとも惜しい作品になっている。

自分はバランスゲームが結構好きなのだが、バランスゲームというベースで、ここまでボードゲームっぽくしたゲームは初めてだったので、斬新だった。まぁ、それが面白さに直結しているかというと、微妙なところではあったが・・・。

とはいえ、斬新なのは間違いなく、ゲームメカニクス大全にも載るほどのマニアックなシステムなので、斬新システムゲーム遊びたい人はやってみても損はないだろう。

全く開拓されていないメカニクス市場であり、これの改良verがでることも期待したい（が、コンポーネントに金がかかりやすいバランスゲームは、国内でのユニークインディーズゲームとして出るのは難しいかも・・・）。