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  • 2人~4人
  • 45分前後
  • 10歳~
  • 2021年~

ラ・ラマ・ランドwinterkoninkskeさんのレビュー

479名
8名
0
約3年前

二人プレイ時の感想を書きます。

ラ・ラマ・ランドは、高さの概念のあるタイル配置によって自分の棚畑を築き、得られたリソースから「ラマカード」を取って得点していくタイル配置ゲームです。

プレイヤーが手番でやることは一つ。タイルの配置です。

5種類の5マスタイルの山から一枚を選び、自分の畑に「横に拡張する」か「上に載せる」アクションを行います。

「横に拡張する」場合、場に出された目標カードに自分のアイコントークンを置いて、カードに書かれた条件をゲーム終了時に満たしていれば勝利点が得られます。

「上に載せた」場合、タイルで隠れたマスに描かれたリソースを得ます。

リソースは「トウモロコシ」「ジャガイモ」「カカオ」となっており、農業ゲームらしい作物が可愛らしいトークンになって手に入ります。

ここまでが基本のアクションです。


作物を得て使う時や、目標カードに自分のトークンを置く際に早取りの要素があります。

作物はいずれか一種を4個消費することで、「ラマカード」の列から一枚を取って手元に置けます(給餌アクションと呼びます)。ラマカードは得点の高いものから重なっており、後半になるほど点が低くなるためなるべく早く取らなければなりませんが、3種の作物用にそれぞれの列があるため、簡単に好きなカードは取れません。

ラマカードを取ったら、自分の畑にラマコマを一個置きます。これが少し悩ましく、ラマを置いたマスの上にはタイルを置けなくなります。おまけに後述する目標カードにはラマを置く高さと数が条件になったものもあるため、計画的なラマ配置が求められます。


目標カードはゲーム開始時にランダムで7枚が選ばれます。

各カードには三つのトークン置き場があり、早くトークンを置いた人ほどゲーム終了時に高得点。「何段目に何個のラマを置く」とか「カカオのラマカードを四枚以上揃える」など、微妙に全てが達成できるか分からない良い塩梅になっております。

また「横に拡張する」アクションにて達成できそうにないトークンを別のカードに再配置することもできます。その場合既に高得点のスペースを取られたカードに置くため勝利点が低くなる場合がほとんどですが、最後まで諦めずに遊べます。

インタラクションはこの「給餌アクション」と「目標カード」の早取り要素だけで、直接攻撃系のルールはありません。プレイヤーはじっくり自分の畑を眺めつつ、なるべく早く目標カードを達成するように動き、そうすると自然と作物が増えるので給餌アクションを適宜行なっていく…このような流れになると思います。


その他に簡単なスキルを得られる「人物カード」と、二枚でワイルド作物一個分になる「コイン」のルールが加わって要素が全て出揃います。

早取り要素はあるものの、全体的にはのほほんとした農業フレーバーのソロ感覚タイル配置ゲームといった印象です。

5マスタイルは常に5択から選べてゆとりがあり、思ったような配置にし易いです。リソースの処理やスキルに複雑な処理もなく、手番はサクサクと終わります。

やはり「ファミリーゲーム」と銘打っているだけあって、根幹となるタイル配置に絞ってルールをスマートにして、プレイできる層が広くなるよう意識した優しい作りになっているのが感じ取れます。

おかげで非常に遊びやすい軽さですが、タイル配置に高さの概念があるためしっかりと悩ましく、ラマがあちこちに立っている自分の畑を見回して、あれこれ考え出すと止まらない没入感に浸れます。余計なジレンマの表出を抑えて、タイル配置とラマに集中して楽しんで欲しいという作家の声が聞こえて来るようです。

ゲーム終了時には、立体的に棚畑とラマが並んだ自分のスペースが愛おしくなり、つい写真を撮ってしまいたくなるテーブルが完成します。カルカソンヌを始めとした、タイル配置系のご褒美ですね。


二人プレイだと目標カードの条件達成がかなり緩くなるので、好みの分かれるところと思います。

また人物カードのスキルの扱いが煩雑になる場合があるので、低年齢層が参加するなら人物カードを抜くといったハウスルールがあると更に遊びやすくなると思います。

コンポーネントはタイルの厚みが普通よりかなりあるのが面白いです。

重ねた時の高さが視覚的に分かりやすくなるよう、配慮したものと思われます。ついでに作物トークンもぶ厚くなってますが、ジャガイモなんかも厚みがあると可愛くて良い感じです。

そして真っ白なラマ木駒も可愛いですし、カード類のイラストも個性的で、裏面の模様なんかも文明的な背景を感じさせる凝ったデザインになっていて隙がないです。

初めて箱を開けた時は、ひたすら「良い…これは良いよ…」って言うだけの人になりました。


大人も十分に楽しむことが出来ますが、やはり小学校高学年くらいの子供がいるファミリーには猛烈にオススメしたい作品です。

よほどパズルが苦手という人でなければ誰でも親しめるデザインだし、様々なシーンで出番は多いと思います。平面だけでなく立体配置も楽しめるパズルとして、ひとつ持っておくといいかも知れません。

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