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  • 1人~4人
  • 90分~120分
  • 12歳~
  • 2014年~

ラ・グランハmaroさんのレビュー

714名
7名
0
4年以上前

ボードゲームアリーナにて日本語で、しかもソロプレイも可能。かなり要素が多く、こまかいルールも多いため煩わしそうに見えるこのゲームですが、基本的な路線は収穫した農産物を出荷していくことで勝利点を獲得するというものです。BGAで一度プレイしてみれば流れはつかめるのではないかと思います。


ラグランハは、マヨルカ島のエスポルレス村の近くにあるアルピッヒ池のほとりにある小さな農場の支配者となり、農場を発展させ、村に商品を届けていきます。

6回のゲームラウンドを経て、畑や農園、市場、助手などを追加して農場を拡張していきます。エスポルレス村に商品を届けることで勝利点を獲得することができます。他のプレイヤーの行動を観察し、ターンの順番を操作し、サイコロやカードを元に戦略を調整することが重要です。

ラウンドは農場フェイズ→収入フェイズ→輸送フェイズ→得点フェイズの順に進行します。

農場フェイズでは、手札の農場カードの使用、建物マーカーなどからの利益獲得、畑からの収穫、屋根マーカーの購入ができます。

このゲームで特徴的なのが農場カードで、1枚で4通りの効果を持っており、畑(左)、荷車(上)、増設(右)、助手(下)のいずれかの効果を配置時に選択することになります。

収入フェイズではプレイ人数に応じたダイスをもとに、1個づつ順番に2個までダイスを選択してそれに対応した収入を得ます。

輸送フェイズでは、まず4種類あるロバマーカーを選択します。ロバマーカーには輸送回数を規定するロバのマークと、手番順の決定に関わる帽子のマークが記載されています。選んだロバマーカーに従い、昼寝トラックを進めます。その後ロバのマークに応じた回数分輸送を行います。

輸送は、村の建物か、自分のボードに設置した荷車のどちらかにすることができます。どれか村の建物の1列を埋めることで、ボーナスの建物マーカーを得ることができます。荷車を埋めることで、交易品を得、されに荷車の勝利点に等しい番号を持つ市場の空きへクスにマーカーを置くことができます。ここで置いたマーカーにより、周囲の自分の番号未満の他者のマーカーを排除することができます。

得点フェイズでは、市場のマーカーごとに1勝利点を得、昼寝トラックの位置に応じても勝利点を得られます。



勝利点は個人ボード上で生産された作物や、その作物を加工した製品を村の建物への輸送したり、荷車から市場へマーカー配置することによります。ここは非常に見通しが良く、勝つためにすべきことの指針は常に明らかになっています。

しかしながらこのはっきりした骨太のラインに付随する多様なメカニクス、細かいルールもまたこの作品の大きな特色のひとつです。

まずはハンドマネージメント。助手の能力をどれだけうまく使用するかが大切ですが、いくつかのアクションでカードの追加ドローや追加配置ができるところも重要です。このカードをいかに上手く使用出来るかが拡大生産と、プレイヤーパワーの獲得、出荷に伴う勝利点獲得にまでにうまくかみ合ってきています。

リソースマネージメントも核といえる部分の一つです。ゲーム全体を通してリソースの供給はやや余裕があります。農作物をお金のバランス、そしてリソース変換をいかに上手く行うかが、輸送の効率、すなわち勝利点獲得に関与します。

市場でのエリアマジョリティも見逃せません。かつ、市場でどのへクスを占有できるかは、荷車の大きさにもよりますから、つまりはハンド・リソースの両者にも関わる要素でもあります。

ダイスロールもあります。ただしここは自分ではどうにもしがたいわけですが、このダイスとカードの引きというもので不確定要素を持たせ、がちがちのゲームにならないよう調整しているところが面白いところです。

そして手順番の妙味。昼寝トラックというのも牧歌的ですが、このゲーム、アクションによっては先手番が有利とは限らないため、このトラックの存在にも悩まされることが多々あります。ここは意図的にデザインされているのかどうか分かりませんが、トラックが進んでいるほど定期で得られる勝利点も多いわけです。いくつかの手段で昼寝マーカーを進ませることはできますが、戻すことはできません。


BGGでのウェイトはおよそ3.6となかなかの重さです。ただ、繰り返しになりますが、ゲームのテーマ、基本的な流れ自体は非常に分かりやすい。むしろ枝葉にあたる細かいルールで複雑さが増しているという印象です。全体的に緩めな雰囲気の作品でインタラクションも市場回りや手番順、早取りといったところにとどめられています。

カードにはそこそこの言語依存があり、やや効果の複雑なものもあるため、英語に自信がある人を除けば、ここは日本語の方が分かりやすいでしょう。日本語版は現在やや入手困難ですが、米アマゾンなどでは送料こみで6000円程度で購入できます。嬉しいことに有志の方による日本語マニュアル、カードの日本語化シートもありますので、外国語版でも問題ありません。

ボードゲームアリーナなどで試してみて楽しければ購入を考えてみるのも良いのではないでしょうか。

評価7/10  重さ6/10

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