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  • 1人~6人
  • 120分前後
  • 12歳~
  • 2012年~
292名
10名
0
約3年前

発売からもう10年近くたつが高い人気を誇るカードゲームで、2019年にはコレクターズエディションの3刷が発売にもなっている。

国内ではあまり評判をきかないが、YUCATAでプレイ可能であり、また、BGGの評価を見ていると近年のパックスより好きという人も少なからず存在する。

それもそのはずで、最近の作品とは違い、このポルフィリアーナはTCGの影響が強く感じられる馴染みやすいもの。また経済的な側面に重点が置かれてるのも特徴である。

ゲームの流れはパックスパミールなどと似ており、市場からカードを購入し、それをプレイしタブローのカードの効果を有効に使用することで勝利点を得るというもの。

ただここには熾烈なマジョリティ争いはなく、とにかく相手のタブローのカードに対して嫌がらせを行って優位を確立していく(あ、嫌がらせをするしないは自由ですが)。

カードには、

ヘッドライン(黄色)プレイ時に1回の効果を発動して捨札となるカード。

エンタープライズ(オレンジ)タブローに配置されカード毎の特殊効果を発揮する。同時にカードに示されたキューブ数だけ各ターンに収入を得ることができる。

パートナー(各色)タブローに配置されカード毎の特殊効果を発揮する。カードに示された威信ポイント(勝利点)をもたらす。

ブラックカード プレイ時に1回の効果を発動してそのあとグラッジ(ハセンダド=ハチエンダと呼ばれるプレイヤーカード)に移り威信ポイントをもたらす。

オレンジカード 1枚のタブロー内のエンタープライズカードを対象とし1回の効果を発揮し、そのあとグラッジに移り威信ポイントをもたらす。

トループ 1枚のタブロー内のエンタープライズカードを対象としてそれを保護する(自分のカード)か、効果を抑制(相手のカード)する。

などの種類がある。ごく簡単にいえば、収入や威信ポイントを得るためにエンタープライズやパートナーカードを配置していくのだが、それに対してその他のカードで茶々を入れる感じである。


勝敗の決定方法も驚くほどシンプルである。

例にもれず、ゲームはデッキ(ライブラリー)の下半分に仕込まれたtopple(得点)カードをいずれかのプレイヤーが購入すると決算となる。

カードのプレイにより変化する4種類の政治形態があり、各政治形態に対応した威信ポイントがある(カード説明時にカードに示された威信ポイントと書いたが、それぞれ、4種類のうち1つの威信ポイントがアイコンで描かれている)。

簡単に書くと、決算時の政治形態に対応する威信アイコン(を持つカード)を最も多く持つプレイヤーが勝利する(実際にはいくつかの調整が行われるが)というものである。

パックスパミールでは、優勢判定カードを購入するときの優勢陣営というのが1つの鍵であったが、ポルフィリアでも得点カード購入時の威信ポイントの所持が勝負の分かれ目になるため、政治形態をうまくコントロールすることが必要になる。

また、ブラックカード、オレンジカードは敵味方どちらのカードでも対象にできるが、敵のカードを対象にすると、威信ポイントは相手のものとなってしまうところも悩ましい部分である。

もう一点経済的な側面について。ポルフィリアでは、何をするにもお金が必要となる。タブロー内のエンタープライズカードなどから毎ラウンド定期収入があり、その他、ブラックカード、オレンジカードやトループカードを使用して相手プレイヤーからお金を強奪することもできる。

ただ、カードの購入はもちろん、プレイ時にも相応のお金を払うことが必要で、カードの効果を使用するにもお金が必要なことが多い。

また、政治形態により収入は変化するため、収支のバランスが悪いと(というか、相手の収入を奪うのもこのゲームのポイントの1つである)思うように動きが取れなくなる可能性がある。


全体的なルーリングはそれほど簡単なものではないが、比較的とっつきやすいシステムで、直感的に理解しやすいと思える。カードの効果自体がゲームを作っているともいえ、1回理解してしまえば(少なくともルールについては)頭を悩ませられずにプレイできる。

ただし、そのカードのデザインは少し難がある。

西部劇やらディズニーランドに出てくるような場末のバー(?)に飾られてるような絵柄のカードは、一見効果とフレーバーテキストの見分けが付きづらい(まあフォントは異なっているが)。効果も大多数のカードが英文で書かれているため、言語依存はやや高めである。

一時コレクターズ・エディションが米アマで結構安く出回っていたが現在はそれもなくなっているようで、入手性も難がある。唯一の利点は冒頭でも述べたようにYUCATAで好きな時にオンラインプレイができることだろうか。BGAなどでも実装されれば喜ばしい(言語依存的にも)のだが。

TCGっぽいといわれているゲームがこのポルフィリアーナの対抗馬となるだろうし、それらを押しのけてまでプレイする価値があるかというとやや微妙であるが、やはり他のボードゲームとは一味違うインタラクションの強さと、なんとも言えない自己満足感(を得られるの)はこの作品ならではといえるのではないだろうか。

BGGでは有志の方がサマリーを和訳してくださっているし、英語自体も平易なものである(ただしゲーム用語はちょっとややこしい)ため、興味があれば是非YUCATAで体験していただきたい良作である。

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