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  • 1人~5人
  • 60分前後
  • 8歳~
  • 2020年~

K2:最高峰エディションgarouandyさんのレビュー

257名
5名
0
11ヶ月前

「下山中に命を落としたら何もならない。登頂とは登ってまた生きて帰ってくる事だ」

入山者の4人に1人は死ぬと言われるK2。

特に冬季登頂は2021年まで成功した例がなかったほどの非情の山。
プレイヤーは二人の登山家を使ってK2の登頂にチャレンジします。

基本的には手札を3枚プレイして
2人の登山家を移動か順応度(体力)を上げながら18ラウンドの間に出来るだけ山頂を目指すというもの。
ただし、山頂に近づくにつれて、1マスに侵入出来る登山家の数に制限がかかったり、
天候や侵入するマスによって移動力や順応度の減少が起きたりと、だんだん過酷になっていきます。

途中で順応度が0になると登山家は死んでしまい、得られる勝利点は最低の1になってしまいます。
手札や天候から登頂を諦めて下山しないといけなかったり、低地で体を慣らしてから行く、
天候を見極めて強行する。といった実際の登山さながらのリアルな計画が求められます。
また、ファミリーヴァリアントでレスキューカードが含まれており、
一度だけ登山家が死んでもレスキューしてもらえるといった救済処置もあります。

「そこに山があるから」
本作はK2のビッグボックスとなるため、拡張も全て同梱されており、
同じく8000メートル級のローツェブロード・ピークにも挑戦できます。
それぞれボードが両面使用されるため、6パターンの山に挑戦が出来ます。


K2

標高8611メートル。エベレストに次ぐ世界第二位の高さを持つ山。

K2の表面。易しいマップといえども山頂付近はとても過酷

基本セットなので変わったルールは無し。
ボードの表裏は難易度の違いのみと、拡張が増えた今となっては一番普通の山になってしまった感あり。
ただしデスゾーン(標高8000メートル)に近づくにつれてマスが減り、
過酷になっていく環境はしっかり表現されており、本作の入門にはもってこいだと思われる。
本当は世界一登頂が難しいハズ


ローツェ
標高8516メートル。世界第四位の標高を持つエベレストの隣の山。
このゲームでは2つのルートに挑戦できます。

表面:南壁

ローツェの南壁ルートはとにかく過酷。
このプレイではそれぞれの登山家が山頂で遭難死することに…

ローツェの南壁ルートはK2よりも一回り大きく過酷なマップ(ぉ
…というのもこの南壁ルートは実際に登頂を果たしたという例がほとんどないらしく
後述のブロード・ピーク縦走の偉業を成し遂げたイェジ・ククチカが転落死を遂げる等、
世界トップクラスの登山家を幾度となく退けた超難関ルートなのでこの扱いもさもありなん。

このマップでは天候タイルが専用のものとなる他、東、中央、西の3つの区分に分かれており、
天候タイルの影響を受ける場所がより細分化されます。
K2と違ってスタート地点が2つに分かれており、頂上も3か所ある(中央峰のみ12点、他10点)ため、
ルートがばらけやすくなるのも大きな特徴。
また、マスとマスの間に1か所だけロープを張ってルートを増やす事が出来るようになります。
主に天候タイルの影響を回避するために使用しますが、他のプレイヤーにも使われてしまうのが悩みどころ。
さらには天候によっては山崩れが起こる事があり、巻き込まれると1マス滑落し、2ダメージ。

ちなみにマップを見てもわかる通り激ムズです。
絶えず変化する天候の影響を右往左往しながら回避しなければならないので
相手の邪魔をする以前に生き延びるので手いっぱいといったバランスになっています。

裏面:サウスコルでの競走

サウスコルは移動コストがかかる場所が少なくスピード勝負になるが、順応度が回復しづらいジレンマに悩まされる

サウスコルルートは説明書では簡単で安全なルートとされるだけあって、マスの数は少なめのショートシナリオ。
ラウンドも3ラウンド短縮されて最初にカードの山から順応カード(0,1,2)の3枚を抜きます

上級ルールとして、最初に抜くカードを任意に選んで公開する事も出来ます。
ゲームの終了時に除外したカードの順応度の合計値の半分が追加の勝利点になります。
上級者のハンデや、順応カードを残して安全に行くか、スピード勝負にかけて
追加勝利点で差をつけるかの選択肢が生まれるのでより楽しめます。

他のマップと比較して移動コストが増える場所が少ないといった点があるものの
通常ルールでプレイした場合は順応度が全然回復出来ないので、
途中で力尽きるとテントの中で座して死を待つ可能性が高まります。
とはいえ、難易度は軽めでスイスイ進めるのでさくっと遊びたい時におススメです。
冬季天候(雪崩入り)や南壁シナリオの天候といった難易度が高めの天候でプレイすると
簡単そうに見えて中々登頂できない絶妙な難易度になります。


ブロード・ピーク

標高8061メートル。元々はK3と呼ばれていた山。

このゲームではこの山で実際に行われた2つの偉業を再現するシナリオが用意されています。

表面:山頂への競走

山頂への競走では使える順応カードが1枚のみ。
テントもレスキューカードもないガチンコのアルパインスタイル。

1日で登頂を成し遂げたクシストフ・ヴィエリツキのルートを再現するシナリオ
ローツェのサウスコルでの競争と同じく、3ラウンド短縮されてマスは少なめのショートシナリオ。
サウスコルと同じく順応カードが減らされるのですが、その内容が3,2,1が1枚ずつという鬼仕様
つまりカードによる順応度の回復は1枚(回復量1)しかないというドМ仕様での登頂を強いられます。
さらにはアルパインスタイル(極力装備に頼らない)で挑戦している故にテントを所持せず、
レスキューカードもなし。ベリーハードなショートシナリオです。

そんなドМ登山を支えるのがこの雪洞。2ターンの間、テント代わりに順応度を1上げてくれます。
しかし、一人しか入れず、誰が作ったものでも使用可能。
山頂付近では常にダメージを受けるのでこの雪洞も一時凌ぎにしかならず、それでも作らないと持ちません。
途中で動けなくなると死あるのみ

裏面:ブロード・ピークの縦走

ブロード・ピークでは三つの山頂の縦走を目指す二人の登山家をバランスよく動かして達成を目指す。

イェジ・ククチカ、ヴォイテク・クルティカが成し遂げた北峰、中央峰、主峰 の三つの頂上を縦走するシナリオ。
所持できるテントはどちらかの登山家に1つのみに変更される他、
移動力を使う事で一度設置したテントを持ち運ぶ事も可能。ただし、テントを持った登山家が死ぬと失われます。
また、三つある頂上の縦走(下山せずに立て続けに登る事)が肝となっており、
「右から左」あるいは「左から右」のいずれかのルートを選んで縦走を完遂すると追加の勝利点が得られます。
必ずしも山頂に到達せずとも特定の2か所の地点を通過すれば縦走したとみなされますが、
それぞれの山頂には勝利点マーカーが設置されており、先着順に高得点が得られるので早取り要素も加わります。

それまでのマップではありがちだった、
片一方の登山家は休ませておいてもう片方の登山家に集中するというプレイスタイルでは点が稼ぎ辛いので
両方の登山家をバランスよく動かさなければいけません。

ちなみに、死ぬと縦走の栄誉も手に入れた勝利点マーカーも失われます
上のプレイでは劣勢に陥った緑チームが青チームのテントを占拠して締め出し、
一人を遭難死させた事で逆転を果たしています。
死んでしまった登山家に対してはとことん厳しい評価が下されます。


エベレスト
入っていません。…が、続編としては存在しており、
本作を持っていれば本作のシステムでエベレストに挑戦できます。
…が、今となっては既に入手困難なのが非常に残念。日本語版が欲しい…

ミニ拡張:雪崩

冬季タイルの雪崩タイル。斜めを向いた雪煙のマークが「雪崩」となる。
左のタイルが終盤にやってくるとたちまち阿鼻叫喚に…

天候タイルとして雪崩が含まれたタイル(夏冬で合計4枚)があり、

通常の天候タイルとランダムに差し替えて使う事も出来ます。ルールはローツェ・南壁の山崩れと似ており、
雪崩に巻き込まれると1マス滑落と1ダメージ、ただしテントにいる場合はダメージのみで済みます。

普通の天候タイルで遊びたい場合は仕分けて抜かないといけませんが、
わずかなランダム性の付加と難易度の上昇で盛り上がる展開になるため、常時混ぜておいてもいいと思います。

ソロプレイ

本作はソロプレイにも対応しており、スコアアタック形式となります。
毎ラウンド必ずカードの値がマイナスされるリスクトークンを引くこと、
どちらかの登山家が死んだらその場で終了といったわずかな変更点でプレイできます。

ただし、ローツェの南壁ブロード・ピークの縦走には対応していなようです。
説明書にもスコア表が載っておらず、BGGでも本来は対応していないが
ハウスルール(南壁では使用できるロープを増やす等)で挑戦しているといった旨が投稿されています。

対応していないマップを一人でプレイしてもバランスが全く成り立たないほどではないので
工夫次第で楽しめます。

総評

総じて無駄がなく、キレもすばらしいですね。
セットアップも手ごろな短さで、プレイ時間もだいたい1時間ほどの中量級ですが、
拡張込みなのでプレイのバリエーションは非常に豊富で満足度は高いです。

基本的にはカードを引いて、動くか止まるかという非常にシンプルなシステムながら天候を読んだり、
高地への順応やビバークといった登山というテーマの過酷さがものの見事に表現されており、
冒頭のヒラリー卿の名言がそのままこのゲームを表すと言っていいほどテーマにマッチしています。

ボードゲームとしてみても、 大半の情報は開示されている他、
手札も3枚ずつキープしながら6枚からの中から選べるため、
運要素はほどほどに綿密な計画が求められるデザインとなっています。
加えて先細りするマップ構造から山頂付近ではインタラクトが激しくなり、
考えなしに登ればたちまち人数制限に引っかけられて死にかねないという深い読み合いも発生します。

個人的には8000メートル級の登山というテーマが非常に刺さったため、
アンナプルナやダウラギリのマップも欲しい!と思いました。その前にエベレストをだな…

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