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  • 1人~5人
  • 30分~60分
  • 14歳~
  • 2019年~

イッツアワンダフルワールドハナさんのレビュー

1319名
13名
0
約3年前

ドラフト×拡大再生産の傑作

ここ最近で一番面白いと感じたゲームです。同じジャンルのゲームに「世界の七不思議」がありますが、あちらよりもルールがシンプルで分かりやすいと思います。


【良い点】


・ゲームの内容

建物を建てる→入手資源が増える→更なる建物を建てる、、、

を繰り返し、いかに多くの得点となる建物を建てるかを競うゲームです。

建物の入手、選択は計4ラウンドのドラフトで行われます。建物には資源を生み出すための建物(多くは低コスト&得点にならない)と得点を稼ぐための建物(多くは高コスト&資源を産み出さない)があり、それらをどのタイミングで取り、計画的に建設するかが駆け引きの中心となります。

序盤~中盤のラウンドでは資源を生む建物のドラフト優先度が高いですが、点数になるカードもある程度確保しないと後半のラウンドで「資源は出るのに得点となる建物が回ってこない」状態になって伸び悩んでしまいます。逆に序盤からあまり欲張って高コストカードを建てようとすると、資源不足で結局思うように建設出来ないというジレンマがあります。


このゲームには、建造物(白)、軍用機(黒)、研究(緑)、巨大事業(黄)、発見(青)の5種類のカードタイプがあり、得点ルートが大きく3つに分かれます。

・白→黄の経済優先ルート

・白→緑の科学優先ルート

・白→黒→青の軍事&探検ルート

どのルートも周りの妨害(ドラフトのカット)でなかなか一本道では走れないので、3つのルートをある程度複合させながら得点を稼ぐ柔軟性が求められます。

また、1人が妨害を受けずに1つのルートを独占すると点数で大差がつくので、周りの動き、狙いを常に意識して、中盤以降は積極的なカットによる妨害プレイも求められます。


資源生産と得点のバランス、得点ルートを巡る駆け引きがドラフトに詰め込まれており、シンプルなルールでやり応え十分な内容です。


また、資源が5種類(建材、エネルギー、科学、資金、調査)あるのですが、それぞれの産出にタイムラグがあり決まった順番で産出されます。

なので1回のフェイズで、

資源aを使って建物Aを建設→建物Aからすぐに資源bが産出→資源bを使って建物Cを建設、、

といった、チェインコンボのような事が出来ます。うまく狙い通りに建設出来るととても爽快感があります。


・コンポーネント

大量にあるカードはどれもイラストが綺麗で、世界観がよく伝わってきます。また、カードの他にプラスチックの資源キューブや厚紙のトークン、それらをプールする大きなボードがあり、ボードゲームをしている!という満足感が高いです。


・カードゲームなのに非言語依存

プレイが感覚的にでき、複雑な効果がないのでとても分かりやすいです。ドラフト時に回ってきたカードのテキストを読む必要がないので、スムーズに進行出来ます。


・ダウンタイムの短さ

このゲームは5人までプレイ出来ますが、ドラフトしながら同時進行していくため待ち時間が非常に短いです。また、ピックしたカードはその場で処理せず、後のフェイズでまとめて処理するため、進行を止めずにテンポ良くドラフトが出来ます。

人数に関係なく45分前後で終わるので、最後までだれることなくプレイ出来ます。


・ソロプレイ

このゲームはソロプレイのルールがかなりきっちりと整備されています。多くのシナリオもやり応え十分で、時間を忘れて1人でプレイしてしまいます。

個人的にここが非常に好印象です。



【気になる点】


・世界観

科学とファンタジーが融合した近未来SFです(科学強め)。正直日本人向けとは言いにくく、結構好みが別れると思います。実際このパッケージの雰囲気だけで手に取らない方もいると思われ、とても勿体ないです。

世界観違いの姉妹作が出そうなのですが、そちらの方が日本人受けが良さそうです。


・ドラフトゲームそのものの敷居の高さ

このゲームはドラフトゲームの中ではかなり分かりやすい部類なのですが、それでもゲーム慣れ(特にカードゲーム慣れ)してない人には敷居が高いです。

150枚ものカードがあり、その内容を一通り把握してからがこのゲームの本番です。把握しなくてもなんとなくでプレイは出来ますが、先のラウンドを見越した戦略やカットなどの全体を見た駆け引きは上手く出来ないと思います。

手元に来たカードをなんとなく手なりでプレイして、本当の駆け引きの面白さを知る前に「ソロプレイ感が強い」「普通」「印象に残らない」と離れてしまう可能性があります。

たくさんのカードの山を見てワクワクするかげんなりするかで、このゲームへの適正が変わると思います。


・準備

大量のカードをシャッフルするのが結構面倒です。

前のプレイからしっかりシャッフルしないと固まりがちですし、固まっているとゲームバランスが崩壊します。



【まとめ】


ドラフトゲームの中でも定番となりえる名作です。シンプルなルールでドラフトの楽しさと達成感を味わえます。ソロ~5人とプレイ人数の幅も広く、出番が多いと思います。

反面、世界観とドラフト特有のマイナス点がライトな層には受けない可能性があります。その点にだけはご注意下さい。


※百円均一のクリアケース「SIKIRI 10」が、トークン収納にシンデレラフィットします。資源キューブが横に5個ちょうど並ぶため、片付け時の数の確認がしやすくおすすめです。

↓画像は拡張「荒廃と隆盛」のトークン、キューブも収納されています。


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