ヘゲモニーボードゲーム喫茶 天岩庵さんのレビュー

●経済系重ゲー大好き！天岩庵店主のイチオシゲームにランクイン！

各プレイヤーが労働者・資本家・中産・政府を担って、それぞれしっかり政治経済やってるなー！と。プレイ中終始、軽めのロールプレイを挟みつつ楽しく5時間プレイしました。

ゲームバランス的には、①各陣営の得点ルートが少なく、ひたすらそのことに集中する、②自分が引いた手札をどう強く使うかをずっと思考するため、実はインタラクション控えめ。

ただし、法案をどう通すかが全部の肝になってる気がして（以下略（プレイして確かめてね！

●インスト2時間、プレイ5時間、満足度高め

私は満足度高めでしたが、それは元々経済ゲームが大好きで、勝ち負けよりもどういう風にプレイしたか・できたか、を重視するプレイヤーなため。各陣営ごとに、プレイの難易度と強さに明確な差があるので、そもそもスタートから不平等（だって、国家ってそういうものでしょう？）ですからねぇ。

ここ最近の、「様々な要素があり、何をやっても点が伸びて、最終的に150点とか取れる」という流行りのゲームスタイルとは一線を画すものです。
明確な勝ち負けよりも、例えば「おい、資本家ども。俺らを搾り取って私腹を肥やしてやがって！ふざけんな！！」「ふふふ、その代わり、お前らは海外から高い飯を買わなくて済んでいるだろう？」といった雰囲気、言うなればちょっとしたロールプレイを楽しめるかどうか、フレーバーを楽しめる（というか政治経済や世界史の前提知識がある）というのが一つの基準になると感じました。

もちろん、この物量に耐えられる人であることが前提。極めてニッチな層を狙った骨太ゲーム。

作者の思想性（国家とはこうあるべき！みたいな）は感じなかった・・・かな？

●プレイの自由度は低め

ネガティブな言い方をするなら、得点方式が一本調子、すなわち決められたレールをいかにうまく走るかを試されるゲームです。それ以外に目指すものが無いので、逆転要素とか、相手の裏をかくとかは、基本的に無いです。

「法案への投票」というゲームの肝になる部分が「くじ引き」で運要素高めなことが、嫌いな人はいると思います（けど、民主主義ってそういうとこあるからな、って思うので私はヨシ）