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  • 1人~6人
  • 30分~60分
  • 10歳~
  • 2022年~

ヒートハナさんのレビュー

1592名
22名
0
約1年前

レースの楽しさをボードゲームに落とし込んだ話題作。プレイしたのでレビューします。(かなり長文になります)


【基本ルール】

ヒートは自分のデッキを回しながらレーシングカーを走らせていく、中量級のレースゲーム。手札からスピードカードをプレイすることで車が進みます。例えば「2、3、3」の3枚のスピードカードをプレイすれば8マス前進。分かりやすいです。

毎ターン始めに1速~4速の間でギアシフトを行い、1速なら1枚、4速なら4枚、手札からカードを出します。当然4速で4枚カードを出した方が車は速く(より多くのマスを)走るのですが、コースの各コーナーには制限速度が設けられているため、コーナーではきっちりギアを下げて減速しないとペナルティを受けてしまいます。逆にコーナーでギアを下げすぎると、コーナークリア後の直線で十分な加速ができず出遅れてしまいます。加速、減速のバランスを常に注意して、ギアシフトと手札、デッキ、捨て札をコントロールしていかなければいけないゲームです。

2段階の急激なギアシフトや急加速、コーナーで速度超過などをするとエンジンに負荷がかかり「ヒートカード」という邪魔カード(ドミニオンでいう呪いのようなカード)をデッキに追加しなければならなくなります。デッキにヒートカードが溜まっていくと、どんどん手札を圧迫して選択肢が狭まり、うまくスピードコントロールができなくなってしまいます(ギアを下げるなどしてエンジンを冷ますと、ヒートカードを取り除くことができます)。ではできるだけヒートカードを受け取らないように安全運転すれば良いかというと、それだけではなかなか勝てません。要所要所で多少無理しても攻める必要があります。自分の順位や手札、ヒートカードの状況、今何周目か等、総合的に考えてギリギリを攻める、まさにレースのような駆け引きを楽しむことができます。

他にも良い点として、

・下位プレイヤーに強化が入る仕組みや、後続車が先行車を追い抜きやすい「スリップストリーム」というルールから接戦になりやすく、よほど差がつかない限り最後まで白熱したレースを展開できる。

・ギアシフト~出すカード選択までを全員同時にプロットするので、最大6人プレイでもダウンタイムが少なく、かなりテンポよくプレイできる。

・最初からコースがアメリカ、イギリス、フランス、イタリアの4コースあり、それぞれのコースで特徴や攻め方が変わるため、基本だけでもある程度リプレイ性が確保されている。

などがあります。


基本ルールだけでもレースゲームとして高い完成度を誇りますが、やや単純、淡白な印象はあります。全員同じデッキ内容ですし、攻め方のセオリー固定化も早いでしょう。ここまでだと物足りなく感じる人も多いと思われます。

そこを補強するために、ヒートには選択可能な上級ルールが複数用意されており、これらを組み合わせる事でコアなボードゲーマーも満足できるゲームとなります。



【上級ルール】

「ガレージモジュール」、「天候と路面状況モジュール」「レジェンドモジュール」の3つの選択モジュールと、前の試合を引き継いで連戦する「チャンピオンシップルール」をプレイ可能になります。


「ガレージモジュール」

全部で96枚にもおよぶ改良カードが追加されるモジュールです。

不安定ながらも大幅な加速を得られる「四輪駆動」や、コーナリング性能を変化させる「タイヤ」、細かい速度調整が可能になる「ブレーキ」等、それぞれのパーツに則った効果が設定されており、これらをゲーム開始時にドラフトでデッキに加えて自分の車に個性を付与していきます。直線の加速が強い車やカーブに強い車、エンジン冷却性能が高い車など、自分の好みや走るコースに合わせた改良ができるようになります。

このモジュールだけでも基本にない「自分の車をカスタマイズする楽しさ」と「改良した車を実際に走らせてみたいワクワク感」が得られるため、一気に面白くなると思います。基本で流れを覚えたら、絶対に導入推奨です。

※公式ルールだとオープンドラフトで3枚の改良カードを追加するのですが、ややカスタマイズの自由度が低い気がするので、慣れたら好きにカスタマイズして「ぼくがかんがえたさいきょうのくるま」みたいに遊んでみても楽しいと思います。カスタムパーツを5枚くらい自由に追加しても十分遊べました。(アクセル系カードのバランスは怪しいですが)

「天候と路面状況モジュール」

コースに天候トークンと路面状況トークンを加えるモジュールです。

天候トークンは、例えば晴れならエンジンが暖まった状態でスタート(ヒートカードを最初から何枚か追加)等、コースにちょっとした変化を与えてくれます。路面状況トークンもコーナーや直線毎に微妙な変化(コーナーの制限速度増減等)を与えてくれ、4つのコースと合わせて高いリプレイ性を提供してくれます。導入が簡単でコースがワンパターンにならないので、ちょっとした味変に便利。組み合わせはランダムで決めるのですが、たまにとんでもなく難コースになってしまうことも。


「レジェンドモジュール」

NPCカーを導入できるモジュールです。

レースゲームなので、走る車の台数が多い方が盛り上がりますが、毎回大人数でプレイできるわけではありません。そこでこのモジュールを使えば好きな数のNPCを追加できるので、少人数でも(1人でも!)遊ぶことができます。

本当にこのモジュールが神掛かっていて、めちゃくちゃ優秀です。毎ターンたった1枚カードを引くだけで全てのNPCを操作することができ、導入は非常に簡単。にもかかわらずNPC車の動作が絶妙で、程よく手強いNPCを演出してくれます。この方法を考えた人は天才だと思いますね。

時々めちゃくちゃ弱いNPCが出現してしまうのはご愛嬌ですが、2、3台入れれば何台かは上位争いに食い込んでくる印象で、5人以下のプレイ時には導入した方が断然楽しいです。


「チャンピオンシップルール」

3、4連戦して、シーズンチャンピオンを決めるルールです。

「ガレージモジュール」の改良カードを引き継げる他、使い捨ての強力な「スポンサーシップカード」が貰えるようになります。スポンサーシップカードは「トップスピード15以上出す」や「特定のコーナーの制限速度を2以上オーバーする」などの、スポンサーが要望する「魅せるプレイ」をすると貰えるため、普段はやらないようなプレイにチャレンジするようになります。

同じメンバーで継続して遊べる環境が必要なのでなかなかプレイ機会は少ないかもですが、カードを引き継ぎながらプレイすると自分の車に愛着が湧きますし、目の前の試合を諦めて次のレースに強いカードを残す、みたいな連戦特有の駆け引きも生まれるため、メンバーが揃うならチャレンジすると面白いと思います。



【まとめ】

大人が「レーサーごっこ」を楽しめる、非常に良いゲームでした。レースのフレイバーがうまくボードゲームに落とし込まれていますし、自分の車をカスタムして走らせる「ミニ四駆」的な楽しみがあるためとてもワクワクします。ゲームとしても速度とヒートカードをコントロールするハンドマネジメントが悩ましく、それでいてルールはかなり簡単で1プレイ1時間くらいで終わるため、間口が広いゲームだと感じました。

価格が高い、パッケージがださい、箱が大きすぎる、説明書が分かりにくい、といったゲーム面以外のマイナス点も多数ありますが、コアゲーマーにもライト層にもおすすめできる名作だと思います。

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