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  • 1人~4人
  • 30分~60分
  • 14歳~
  • 2023年~

ボットファクトリー荏原町将棋センターさんのレビュー

541名
10名
0
約1年前

ラセルダの「カンバン」中量級化ゲーム。サンドラがついにトヨタから追い出され(「引き抜かれた」と説明書には書いてあるけど…)、おもちゃ会社に転職。今度はロボット作りのコンサルタントとして、がんば…迷惑を掛けます。

カンバンとの主な違いは、自動車→ロボット、研究開発部が無い、点検、定期報告会が無い、時間の概念が無い、サブアクションが増えたなど。つまり、ビニョスの品評会などラセルダが好む中間決算が無いので、各部署でのサンドラの厳しいノルマがありません。

また、終了フラグも、定期報告会などのイベントの数ではなく、一人が5台のロボットを作り上げるまで(または一色のロボットが全て尽きるまで)となったので、一番のネックである長時間という要素を、見通しの良い60分ゲームに安定させました。


正直、リスボア→リスボアマーケットの中量級化は、クローズアップするだけでは面白さは伝わらないと証明したようなもので、やはり全体を持ってして面白いと言えるのではないか、素直にカンバンでいいのではないかと、ボットファクトリーも憂き目に遭わないか心配になります。が、果たして…


サンドラの役割はやはり……邪魔をすること笑。アクションスペース潰しとアクションをさせにくくすること。そして彼女自身もアクションします。

各プレイヤーのアクションですが、カンバンと同じように各部署ごとにいくつかのスペースがあるので、そこに移動するだけです。カンバンとほぼ同じ11個程のアクションスペースのタイムトラック制で手番順が決まります。サンドラも部署ごとに移動していきます。しかし彼女は、引き抜かれたとはいえ、この工場のことは何も知らず。したがって、サンドラと同じ部署となったプレイヤーは、スピーチトークンを1つ捨て、彼女にこの部署の意味を説明しなければ、アクションができなくなります!

スピーチトークンは、(後述する)契約の商談のための話し合いに必要なだけでなく、工場の内部を何も分かっちゃいないサンドラへの説明用にも必要なのです笑

ただ、サンドラの各部署でのアクション内容は、タイルの補充などの作業的なもので、直接的な悪さはしません。


部署は4つでできていて、個人ボードも無くなりました。部品製造部が楽しく、大きな円形のベルトコンベアが回転します。このようなギミックは、中量級化ならではの喜びです。

↑  第一部署の組立部と第二部署の部品製造部。今、最後の青のロボットが完成したため、このラウンドでゲーム終了。部品製造部のベルトコンベアは時計回りに回転。例えば、1〜6と書いてあるスペースにアクションすると、6AP以内で45°回転(1AP)と下から受け取る(1AP)を組み合わせて6AP分使う。ちなみに、サンドラトークンはカンバン EVと同じ。


流れとしては、カンバン方式なので、ほとんど同じ。

計画部からプロジェクトを取り、そこに書かれているロボットを作るため、部品製造部のベルトコンベアから部品を取り、組立部で部品を嵌め込んでいきます。(勿論、この順番通りアクションしなくてよい)

同じ色の頭、胴体、足の3点セットでロボットは完成するので、最後の3つ目を嵌め込んだプレイヤーがロボットを貰います。ただし、その色のロボットのプロジェクトを持っていないプレイヤーは3つ目を置けません。

(組立部では、部品を1枚または2枚置いた時スピーチトークンを2個貰えます。間違い易いのですが、累積で貰いません。例えば、同じ色の3枚セットで出した場合、スピーチトークン4個は貰えず0個、同じ色2枚出した時も4個ではなく2個。違う色を1枚ずつのような時は4個貰えます。そうでないと他部署で+1貰う意味が無いですし、そもそも一手でストックの半分貰えるようなルールにラセルダがするはずないです)

第四の財務部では、スピーチトークンを使用して、各色のロボット自体のVPを高めたり(カンバンでいうアップグレードにあたるかな)、ロボットセットの契約タイルを予約します。

この財務部の2つのアクション、ロボットセットの契約タイルVPとロボット自体のVPがそのまま、このゲームの大きなVPです。


とにかく、スピーチトークンが鍵を握ります。

■戦略としては、スピーチトークンをどのように配分していくか、これが分かれ目

■オーソドックスに行くならスピーチトークンは財務部に投資するべき。悩ましい例として、組立部に頭胴足の3枚セットで出すかどうか。これでアクションすればロボットが確実に手に入るが、スピーチトークンを1枚捨てなければならない。

■7VP以上ある契約レベル3、5VP以上あるレベル2を予約したいがタイミングが難しい。失敗するとその分VPがマイナスとなるので、あまり早く予約はできない。

■さらに、契約レベル3はスピーチトークン3個、レベル2は2個、商談として使わなければならない。というのも、個人のスピーチトークンは上限9個と決められているからだ。勿体無いので、サンドラとだけは被らないよう慎重に移動したい。

■契約よりも狙い目なのはロボットVPの方だ。ロボット一つあたりMAX15VPまで上がっていく。完成したロボットの色が他プレイヤーと被っていなければ、スピーチトークンをロボットVPの方に3、4個一気に使い、アップグレードしてしまうのが強力だ。

■したがって、部品集めやプロジェクト集めの時からインタラクションは強い。相手の集めている色を見ながら、カットしたり、特化したりしないといけない。

■計画部でのサブアクションは、その場でプロジェクト2枚を捨て、オールマイティ色の部品タイルを1枚貰うというもの。プロジェクトタイルは色が大事だが、「捨てるための」量も必要だ。

■ただし、部品タイル、プロジェクトタイルともに5枚までというバースト制約がある。部品製造部にも、その場で3枚捨て1枚と取り替えるというサブアクションがある。6枚以上でオーバーフローになった時は活用したい。


この他、ヴァリアントルールとして、7枚の製造タイルがあります。これはゲーム中、即時適応で各プレイヤー1回だけ使える効果タイルです。少し生産が楽になってしまうので、キツキツで楽しみたい人は使わなくてもよいと思いますが、「2枚のオールマイティ部品タイルを捨てると、オールマイティロボットプレゼント」という効果タイルが夢があって、みんな「欲しい〜!」と盛り上がるので、入れてもいいかと思います笑

↑  第三部署の計画部と第四部署の財務部。ヴァリアントの製造タイルを利用して、オールマイティロボットを完成!(写真真ん中の白いロボット)。黄色のプロジェクトに置いたので、黄ロボットとして生まれ変わった。オレンジプレイヤーの得点は、青ロボット12×2=24VP、黄ロボット8VP、緑ロボット5VP、契約(見えないが)5+7=12VP、未完成のプロジェクト−2VP、部品の余り−1×2=−2VP、計45VPだった。


カンバンではノルマに従ったり、研修したりと、やや受け身になりがちだったプレイ感も、ボットファクトリーでは、他プレイヤーとの駆け引き重視に変わりました。そして、このゲームでは監視役でもないのに避けられるというサンドラ。ゲームの作りとしては、アクションスペースキツキツ、かつ、アブストラクトなインタラクションが効いてるおかげで、戦略的ジレンマが顕在し、悩ましくて楽しいです。

ただ、やはり、生産のリアリティやゲームの複雑さで本家カンバンに敵うはずはありません。なので、自動車にこだわりが無く、「長時間は困る、かと言って軽いのはイヤだ」という方にはピッタリです。



※ レビューにご感想・ご不明な部分等ございましたら、ご遠慮なく下にコメントください🙂

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タカオ/タカあゆゲームチャンネル
Sato39
荏原町将棋センター
荏原町将棋センター
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