ブラッディ・イン：旅の一座clevertrickさんのレビュー

マストの拡張ではありませんが、あればそれなりに楽しくなる内容です。

全部で３つのモジュールがありますが、そのうち『名士』については最初に入れちゃっていいかなと思います。
基本セットの「貴族」との入れ替えになりますが、「貴族」は能力が金絡みのみでやや面白みに欠けるので、これと差し替えることでバリエーションが生まれます。

続いて、『旅の一座』。
このモジュールの「宿泊客カード」の方は、まぁ入れておいたほうがバラエティに富んで面白いですかね。
やや疑問形で書いたのは、こちらは差し替えではなく追加になるため。
つまりこれを入れると、ゲーム開始前に一定枚数を除外するというシステム上、基本セットのカードから除外される枚数が確実に増えますので、その点で好みが分かれるところかもしれません。

もう一方の「イベントカード」については、個人的にはかなり微妙でした。
ネガティブイベントがほとんどなので、ただでさえスピード感が遅めなこのゲームを、更に失速させる要素にしかなっていないです。
しかも全部で8枚しか無く、入れると毎回ほぼ全イベント発生することになり変わり映えしません。
もっと種類が沢山あって、ポジティブの割合がもっと多く、毎回何が起きるかわからないドキドキ感が演出されればまた別だったと思いますが、少なくとも今の状態ではあまり面白さに繋がってないです。

最後に、『ジネット叔母さんの秘訣と裏技』。
正直、パッと見これが一番蛇足っぽく見えたんですが、遊んでみたら３つの中で一番良かったかも。
入手の際にドラフトを行うのと、発動条件が結構特殊なので、本編にある程度慣れてからの方がいいと思いますが、ぜひ入れて遊びましょう。

ざっくり言うと、「ゲーム中の特定のタイミングで、手番を消費せずに実行することができるアクション、もしくは一時的な条件変更」といったところでしょうか。全部で16種類あって、内容は結構バラエティに富んでいます。
毎ゲーム開始時に3枚入手し、それぞれゲーム内で１回使うことができるので、ここぞという時に使えばプレイングの幅が確実に広がると思います。バランスブレイカーというほどのカードも無く、ゲームに慣れたプレイヤーにはちょうど良いアクセントじゃないでしょうか。

まとめると、
・「名士」と貴族の差し替えは最初にやっちゃっていいかも。
・「旅の一座」の宿泊客カードはお好みで。イベントカードは不要。
・「ジネット叔母さんの秘訣と裏技」は本編に慣れたらどうぞ。個人的にはイチオシ。

市場在庫がなくなってもおそらく再販は無さそうに思えるので、欲しい方はお早めにどうぞ。