- 2人~4人
- 90分~120分
- 12歳~
- 2022年~
指輪戦争:カードゲームSigma Siumaさんの戦略やコツ
このゲーム、カードプールを理解してないと、両軍の駆け引きが成立せずに、ただの消耗戦になると思いますので、簡単に狙いどころを説明したいと思います。
◎概略
このゲームの得点源は、「道筋(および、堕落)」と「戦場」ですが、「戦場」では、原作に沿って、膨大な兵力を誇る冥王軍が有利です。自由の民側はガンダルフや「アラゴルン」と言った決戦戦力で一矢報いることは可能なものの、総じて敗退を続ける傾向にあります。
一方、フロド達は、度重なる冥王軍の妨害をすり抜けて、指輪の破壊を目指して「道筋」を沿って旅を続けます。
つまり、着実に「戦場」での勝利を重ねつつも、「道筋」でフロド達にちょっかいを出して堕落を狙う冥王側と。
主に「道筋」で点数を確保しながら、「戦場」でも点数を抑えておきたい自由の民陣営、という関係になります。
◎そもそもの考え方:破棄と捨て札
このゲーム、序盤から強制的なカードの「破棄」が度重なる為、終盤は利用できるカードが、かなり少なくなります。
その為、「このカードを破棄することで、相手陣営はカードを1枚ずつ破棄しなければならない」というカードは、プレイに捨て札1枚+破棄1枚 と、 破棄2枚との交換となり「有利か不利かと言うと、有利トレードかなぁ」という話になりますが。
「このカードを捨て札にすることで、相手陣営はカードを1枚ずつ破棄しなければならない」というカードは、捨て札2枚で破棄2枚を迫る、極めて優秀なカードと言えます。
◎4人対戦時の各軍展望
・冥王(サウロン)
基本的に戦場の戦線を支えます。
また、「リザーブにいれば手札補充を増やせる」 カードが、「魔王」「ゴズモグ」「サウロンの口」と3枚もありますが、「ゴズモグ」は「魔王」の破棄を要求しますので、「魔王」は序盤で便利使いしてしまってもいいでしょう。
単に力押しだけではなく、「道筋に出してよし、リザーブに出して効果を使ってよし」のナズグール達の使い方に、テクニカルな面があります。
・サルマン
冥王のサポートの位置づけですが、アイゼンガルド軍が参加できる3枚しかない戦場では主戦力となります。
南方人がキーマンで、「未登場の戦場に奇襲をかける」ということが出来ます。これによって、自由の民側は「ただでさえ厳しいのに、常に予備戦力の準備が必須」というジレンマを迫られます。
また、怪物は冥王がナズグール以外では手出しのしにくい道筋や戦場で力を発揮します。とはいえ、そもそもが地元の連中なので、フロド達がたまたま特定の「道筋」に通りかかってくれないと、力を出しにくい難があります。
・フロド
ホビットこそが「道筋」を進む原作の主人公たちである為、「道筋」の確保に使っても使いべりしない(破棄ではなく捨て札になる)カードが揃っています。何度も出てくるホビット達に、冥王側は「いい加減にしろ」と嫌気がさすこと間違いありません。
「灰色のガンダルフ」「白のガンダルフ」は戦場でかなりのアドバンテージを得ますが、基本的には「白のガンダルフ」 をリザーブにおいて指導者としての立場に置くことで、手札補充が増やしましょう。ただでさえ補充の少ない自由の民側は、安易に「白のガンダルフ」を戦力として戦場投入するのは考え物です。「白のガンダルフ」を出すと捨て札にされてしまう「灰色のガンダルフ」は、引いたら、さっさと使ってしまうのがいいと思います。
特に「飛陰」は、ガンダルフしか装備できないアイテムで、使うとガンダルフを戦場に出撃させてしまいますが、「ミナス・ティリス」が冥王軍に奪われた状況では、これを再発動させてしまうのに使うのは得策と考えます。
・アラゴルン
「アラゴルン」が決戦戦力ですが、「白のガンダルフ」同様の使い方が求められます。
エルフは投入できる戦場が4つしかない(しかも、うち2つは同時に登場する)ので、出し惜しみには気をつけましょう。
◎ミナス・ティリス 攻防戦
原作の2巻でクローズアップされるミナス・ティリスですが、このゲームでも唯一の勝利点3の戦場で、両軍にとって決戦の地となります。
観点は下記です。
・防御力が3で自由の民側の有利。サルマンが自由の民側の手札やリザーブの状況を見て、「ハラドリムの騎兵隊」で奇襲すれば冥王軍にも分があります。
・4プレイヤーが各軍を投入できる。とはいえ、「ドゥーネダイン」「モルドール」はアラゴルン・冥王の主戦力で手札から参戦してくることも多いですが、「魔法使い」「怪物」はフロド・サルマンの手札には残しづらく、リザーブで見えているのが全てになりやすい、という差はあります。
・「大門」という防御力+3になる、まさに要のカードが「ドゥーネダイン」 にある。これが廃棄済かどうか、アラゴルンプレイヤーが手札を残しているか、という情報は冥王側にとって極めて重要です。
・「アラゴルン」「白のガンダルフ」と言った「リザーブにいれば手札補充を増やせる」キャラクターの使いどころですが、投入するかどうか、という点は、各勢力を悩ませます。
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