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  • 1人~5人
  • 60分~90分
  • 14歳~
  • 2023年~

エイピアリーSigma Siumaさんのレビュー

757名
5名
0
3ヶ月前

ワーカープレイスメント、と説明するとゲーム性を誤解される不思議なゲームだと思います。

 

主役は蜂。4か月ほど働いたら、長い冬眠生活に入ってしまう彼らを操り、その勤務を如何に充実したものにするか、というのが主題。

宇宙から資源を回収し、農地や技術者を育てることで拡大再生産を行い、記念碑や次世代の種子を撒くことで、勝利点を得ます。

 

プレイヤーの行動は大きく2種。1つは、働き蜂をワーカーとして、メインボードのアクションマスに配置することで、仕事をさせること。もう1つは、メインボードからワーカーを一斉に回収して、再稼働可能にすること。

このあたり、よくあるワーカープレイスメントっぽい雰囲気もあるのですが、違うところが特徴的です。

1つは、 アクションマスが他者に占有されていても、無条件に追い出して、自分のアクションに使用すことが出来ること。言い換えると、他人に行動を邪魔されることはありません。

2つ目は、ワーカーである働きバチは、アクションマスから追い出されたり、回収指示で帰還するたびに、レベルが上がり、更に効率よくアクションを取ることが出来ます。中でも、レベル4の働きバチは、レベル1-3の蜂が取れるアクションだけでなく、レベル4特有のアクションを取ることもできます。

このレベル4の働きバチにしか出来ないアクションというのものに、彫刻行動(ゲーム終了時の勝利点ボーナスをもたらす記念碑の建築) や、種子を撒く行動(ゲーム終了時の勝利点ボーナスの追加)など、勝利に大きく貢献する行動があります。とはいえ、必要なリソースを集めるために、レベル4の働きバチに期待をかけるのも、決して悪くありません。

ただ、レベル4まで育った働きバチは、次にアクションマスを追い出されるか、回収指示が出ると、活動時間限界を迎え、冬眠してしまいます。事実上、稼働開始から4回アクションを取った働きバチは、ゲーム終了まで冬眠し続けます。

ゲームは、冬眠してしまった働きバチが一定数を越えることで終わります。

  

このゲームの面白さですが、まず、メインボードにワーカーを派遣することでリソースを得て、プレイヤーマットにタイルを敷き詰めていく、というところで、箱庭感覚を楽しめます。また、プレイヤーマットの充実は、基本的に拡大再生産を示しており、ターンを重ねるごとに1プレイでのリターンが増えていくことに満足できます。

次に、「ワーカーをアクションマスに派遣する」というシンプルな行動でありながら、「他プレイヤーに邪魔されて、行動できない、ということがない」というストレスフリーな作りがあります。

 

では、マルチプレイソロの色が強いのか、と問われると、そうではありません。

農地や技術者、彫刻など、各種タイルは全てユニークで、入手は早い者勝ちで、行動自体は他人に邪魔されませんが、最終得点の獲得方針が違うプレイヤー同士でも、欲しいタイルが重なり、1手番差で他プレイヤーに持っていかれるということは、頻繁に起こります。

また、基本資源は、序盤は探索行動から、中盤以降は農地からの収入や、種子カードから、容易に入手できるものの、ろう/蜜という大量得点に関わる高級資源は安定確保が出来ず、各陣営は入手手段に頭を悩まされることになります。

そもそも、初期タイル、初期宇宙の段階で、各プレイヤーは特殊能力も周辺環境も異なっているので、どの行動が効率よく点数化できるかは、一般化しづらいところがあるのですが、「にも関わらず、タイル争奪戦が、激しい」「気づいたら、冬眠した蜂が多くなってて、ゲーム終了が近い」という点に面白さを感じます。

 

個人的には、大量のコンポーネントを効率よく収納できるゲーム付属の整理箱に感心しました。ソロプレイ用のオートマも最初から付属しています。

また、メインボードには各アクションマスに「ここにワーカーを置いたら何が出来る」ということを書いてありますし、カードやタイルで書ききれない説明は、付録冊子に補足しているのも、プレイアビリティが高いと言えましょう。

プレイ時間は60-90分、とありますが、ワーカープレイスメントの仕組みを利用しつつも「他プレイヤーの動向をそんなに気にしなくてもいい」という点で、ボードゲームの経験の浅い方が、ちょっと手の込んだゲームを遊んでみたいかも、という時に、紹介できる好ゲームだと感じます。

そういいつつも、1手番差で大差が出ることが少なくなく、「どの行動を先にするか」「新しく公開されたタイル、引いてきた種子カードに、即応するかどうか」という点で、ベテランプレイヤーの技巧が光るシーンも少なくなく、幅広いプレイヤーが楽しめるゲームと思います。

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Sigma Siuma
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