マイボードゲーム機能「持ってる」「興味あり」など知人に共有できるコレクション管理機能。人数別や時間別などの並び替えも。
ボードゲーム発見機能マイボードゲームの登録データを統計分析し、未経験かつ未所有のおすすめボードゲームを自動抽出します。
レビューや日記の機能投稿した記事が読まれるたびに、通販でお得に商品を購入できるボドクーポンをGET! ハードル低めです。
コミュニティ機能専用掲示板・ボードゲームリストの合体機能が便利!公開コミュニティ、秘密のコミュニティ、設定も豊富。
ボドゲカフェ情報自分の「興味あり」「お気に入り」に登録したボードゲームカフェが提供するゲームが一目でわかるように。
通販ショップ国内主要メーカーや同人ゲームなど様々な商品をご購入いただけます。会員登録しないで購入することもできます。
  • 1人~4人
  • 60分~100分
  • 14歳~
  • 2022年~

ティルトゥム荏原町将棋センターさんのレビュー

798名
11名
0
約2年前

一手一手考える中量級のゲームです。VPの取り方がそれぞれ独特で、楽しめます。

大きな数字のVPが可視化されていますし、カード類が一切無いので、見通しが非常にいいのが一番の長所です。

目標となる大きなVPは、終了時VPの

・建てた商館の数×聖堂の柱の数(MAX56VP)

・人物(客)と紋章で完成した自宅の建物の数(MAX30VP)

と、途中VPの

・達成した契約の数(MAX12VP)と契約自身のVP(MAX17VP)

・大聖堂VP(MAX21VP)

・国王トラック(MAX15VP)

この5つで、これに見本市VPが加わります。


6種類のAP制のダイスアクションです。

・国王アクション…国王トラックを進める

・建築士アクション…移動する、ボーナスタイル取る、商館を建てる

・商人アクション…移動する、ボーナスタイルを取る、柱を建てる

・人物アクション…人物を取る、公開人物を更新する、人物を自宅に置く(※)

・契約アクション…契約書を取る(※)、資源を貰う

・ジョーカーアクション…他の5種類の任意のアクションをする

※は1〜3APで、その他は全て1APです。


プレイ感ですが、手番に行なうダイスドラフトが悩ましいです。ダイススペースがアクションを表し、ダイスの色と目が、貰える資源の種類と数を表します。また、7からダイス目を引いた数が、そのアクションを行なうAPとなります。

では、5種類の大きなVP、どこから狙っていくか?特化するか?

……それは、基本、見本市VPとなります。

見本市は、いわゆるラウンド終了VPで、スタート時に、全4ラウンドの見本市の行なわれる都市とそのボーナスVPが公開されています。

つまり、そのラウンド終了時までに、商人駒をその都市に進ませ(あるいは商館を建て)ておくだけで、大きなVPが入ります。ボーナスVPの内容は、前述の大きなVP、商館の数、柱の数、大聖堂の数、人物の数、契約の数、国王トラックの値など、全て被っているので、オーソドックスに行けば、特化するアクションは、全プレイヤー、「見本市の条件に合わせる」ことになります。

そして、それはつまり、アクションが被り、早取りにもなるので、インタラクションは強めであり、極端に言うと、ゲーム前から『やりたい戦略を選択できない』ことになります。見本市の内容次第というわけです。

しかし縛りがあるからこそ、このゲームは、非常に方針がまとまりやすく、何をしていいか分からないことはありません。その代わり、どの資源を貰ってどのアクションをするか一手一手変わるので、その都度予定変更する悩ましさがあります。

↑ この見本市(写真上)の場合、例えば第二ラウンドは、商人がフランクフルトに行くか商館を建てれば、「8+国王トラックの値」というVPが貰える。緑プレイヤーは、国王トラックをMAX15VPまで上げ、第二ラウンド終了時に15VPと見本市VP8+15=23VP、計38VPの荒稼ぎに成功!

↑ その国王トラック(写真下)は、各ターンごとに、不正が行なわれ、必ず0〜2マス後退する。不正タイルが例えば−2、−2、−2と捲られると、計6マス分後退し、ラウンド終了時−10VPを失うこともある。−5VPあたりなら国王アクションをしておきたい。


ほとんどのアクションに表れるボーナスタイルは、一旦自宅の倉庫に置かれ、使える時に自由に使えるのですが保管数が4つしかなく、一度取ったら捨てることもできないので、貰ったら早めに使う必要があります。また、人物を建物に入れると貰える効果類も、全て即時効果なので、このあたりも遊びやすい理由の一つです。

↑ 個人ボード(自宅)。一枚目の写真の見本市だったので、人物タイル&紋章の伸びが小さい展開。倉庫の紋章を置きたいのだが、食糧がないから置けない。契約も、あと1枚達成すれば12VPが貰える。人物タイルは、顔合わせのミニパズルとなっていて、楽しい。


ポイントとしては

■4種類の資源はそれぞれのアクションコストになっている。石…大聖堂、鉄・生糸…契約、食料…紋章。逆に言うと、中盤以降、特化しない戦略の資源の入手を無視することも可能だ。

■各目の最初のダイスドラフトの際、ボーナスタイルが貰える。序盤は、このタイル目当てにドラフトするのが効率的。また、ドラフト時ダイスの目を±1できるフリーアクションがあるが、黄金−2なので、活用するなら終盤がよい。

■ボーナスタイルは、人物タイルのみ4枚の時は、吐き出すことができないので注意。(人物を建物内に置くのはメインアクション)。また、食糧が無い時の紋章も邪魔になりやすい。

■一ラウンドは3ターンなのでダイスドラフトを3周するのだが、見本市でアクションが被る以上、スタピー有利は違いない。しかし、次ラウンドのスタピーは、国王トラックで決まる。国王アクションするタイミングは、ダイス目が1の時がベスト。つまり6APで6マス進めたい。

■見本市の開催都市は、他プレイヤーより早めに行けたら商館を建て、余裕があれば次ラウンドの開催地へと前乗りしておくと楽だ。全ラウンドのVP条件も見えているので、現在のラウンドでやりたいアクションができなくなっても、将来の見本市のアクションをしておけばよい。

■自宅の6つの建物の中では、紋章ボーナスが「商人のワープ」「任意の都市に柱を1本建てる」「任意の都市に商館を1つ建てる」の建物を優先したい。商人のワープは、見本市の開催地に間に合わない時絶対に必要で、柱も、建築士駒が遠くて行けない大聖堂の建設に非常に役立つ。

■鉄9または生糸9で17VP貰える契約タイルは美味しい。この契約が出てきたら、とりあえず取って倉庫の一角に置いておき、鉄または生糸のダイス目6を狙う。または、足早に簡単な契約を達成し、契約6回目の12VPを狙う手もある。

■大聖堂も、早取りの方がVPが大きい。特にスタートのティルトゥムから遠い南東部にある大聖堂のVPは大きい。また、その南東部には、商館を置くだけで7、8VP貰える美味しい都市ヴェネツィア、フィレンツェ、ウィーンがある。紋章ボーナスの「任意の都市に商館を1つ建てる」では、ここに商館を建てよう。

■テーマ的にも、ティルトゥムからヴェネツィア、フィレンツェ、ウィーンに向かうのがこのゲーム。商人も建築士も、南東へ向かうのがセオリー。

■人物タイルを埋め、契約を埋めると、8つの商館、7本の柱が使えるようになり、もし、これら全てを建てると、このゲーム最大の56VPが入る。しかし、両方パンチアウトできたとしても、建てる時間を確保するのが難しい。56VPは諦めるべき…


いろんな特化戦略、大きな数字のVPという夢があり、それでいて方針が立て易いゲームです。ただVPが昔ながらの大味なので、このあたり評価は分かれそうです。大きな数字VP、都市移動、商館、契約書、国王トラックというと、「4つの評議会」と全て同じテーマなのですが、ダイスドラフトの分サクサク感で劣るものの、(決して複雑ではない)多様性があり、一手一手考えるティルトゥムの方が深みがあると思います。



※ レビューにご感想・ご不明な部分等ございましたら、ご遠慮なく下にコメントください🙂

この投稿に11名がナイス!しました
ナイス!
藻
DKnewyork
YOSHI☆
くまちま
がっくん
降旗
つっちー
かにたま
ティルトゥム 日本語版
ティルトゥム 日本語版の通販
人気デザイナー、シモーネ・ルチアーニとダニエル・タッシーニのコンビ作
1~2営業日以内に発送
日本語ルール付き/日本語版
¥9,350(税込)
荏原町将棋センター
荏原町将棋センター
シェアする
  • 159興味あり
  • 353経験あり
  • 90お気に入り
  • 241持ってる
ログイン/会員登録でコメント
ログインする

荏原町将棋センターさんの投稿

会員の新しい投稿