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メーカー:テンデイズゲームズ
イタリアのみならず、現代のボードゲームシーンを代表するデザイナーとなったシモーネ・ルチアーニとダニエル・タッシーニの二人による久しぶりのコンビ作が登場です。
プレイヤーは、ルネッサンス初期の商人となり、ヨーロッパを舞台に、より多くの名声を獲得することを目指します。
ゲームの根幹となるのは、ダイスピックによるアクション選択とリソール獲得、そしてのそのマネージメントです。
ラウンドごとに振られたダイスは、その目に対応したアクションマスに置かれ、手番ごとにダイスを選び取ることで、そのアクションを実行し、と同時に、アクションの色に応じたリソースを獲得することになります。
このとき、そのダイスの目が非常に大きな意味を持ちます。
というのも、ダイスの目が大きければ、その分、獲得したリソースの数が多くなり、ダイスの目が小さければその分、そのアクションで用いることの出来るアクションポイントが多くなるのです。
リソースがなければアクションを実行できず、アクションポイントが少なければ幅広く手を打つことはできません。
とてもシンプルな仕組みですが、アクションを選択すると同時に、それに付随した二つの要素のバランスをどう取るべきか、うまく悩ましさを盛り込むことに成功していると言えるでしょう。
そして、プレイヤーは、二つの自分駒である商人と建築士をヨーロッパ各地に派遣することになります。
それらの駒を用いて商館や柱、大聖堂を建てることが主なアクションとなり、加えて、さまざまな人物を邸宅に招いたり、契約を遂行していきます。
商館や柱の建設は、基本となるだけに重要なアクションですが、それぞれの都市に建設できる数はシビアなものとなっており、他のプレイヤーの動向にも気を配らなければならないでしょう。
また、邸宅に人物を招き、追加ボーナスやアクションの底上げを得ていくことも重要な要素です。邸宅は、同じ人物を揃えて完成させるというセットコレクションの要素もあり、ここでもプレイヤーは頭を悩ませることになります。
こうして手を進めていき、ラウンドごとに特定の都市における得点計算を狙っていくことになります。
ゲームごとに「どの都市」で「どのような条件」で得点が獲得できるかは、ランダムで決定されるため、ゲームごとに異なる戦略、計画が求められることになります。
また、さまざまな条件を満たし、契約を遂行することも忘れてはいけない要素です。
個別の作品では、やや尖ったゲームが多かった印象である昨今のルチアーニとタッシーニですが、この「ティルトゥム」は、王道的なユーロストラテジーとして仕上げられた印象を受けます。
シンプルながら悩ましいダイスピックによるアクション選択、二つの駒のマネージメント、各都市での建築を巡る早取り、邸宅のスペースを埋めるセットコレクション、契約やラウンドごとの条件を見据えたプランニングといった要素が、実に巧くまとめ上げられ、完成度の高い一作となっています。