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  • 2人~4人
  • 30分~60分
  • 10歳~
  • 2022年~

熱力学ワーカーズ荏原町将棋センターさんのレビュー

181名
3名
0
約1年前

気体の状態方程式PV=nRTを根幹に、等圧変化時の体積上昇、等積変化時の圧力上昇を繰り返し行ないながら、仕事量80Jを目指すゲーム。

J(ジュール)が貰えるのは、体積上昇時。なぜ単位がJなのか。これは、体積V=㎥、圧力P=N/㎡の単位を代入した式PV=Nmに由来します。よってPVは、1N(ニュートン)の力を1m働かせた仕事量になります。

かくして、圧力を変えずに熱を加えるとT(温度)が上昇し、PVグラフの横軸の体積(㎥)が増え、上昇分のJが貰えます。

また、体積を変えずに熱を加えても同様にTの上昇により圧力(Pa)が上がりますので、縦軸のPが高い時にVを上げれば、仕事量は比例して大きくなります。


手番では、圧力上昇か体積上昇を指定してから、3の目ダイスを振り、その分だけ「系」という駒を動かします。そのあと5Jで系を買いスタート地点に追加することができ、さらに10Jでカードを買うことができます。そして、手番中に一回だけ、保持していたカードを使うことができます。


考察

■基本は、圧力上昇を先に行なう。これは単純に、例えば3の目が2回連続で出たとして、スタート地点から先に体積上昇させた場合「1×3=3J貰った後縦に3動かす」、先に圧力を上昇した場合「縦に3動かした後4×3=12J貰う」ことになり、どちらが得かは明らか。

■しかし、それではゲームにならない。早めに横軸体積の6マス目に到達すると、系はゴールとなり、手元に戻り、ゴールトークンを1枚貰う。これが3枚集まると、Pの5マス目、6マス目に系が入ることができる。つまり、それまでは、PのMAXは4Pa(パスカル)なのである。

■自分の系は4つある。ダイスで進む際は、自分の全ての系が動くので、当然、5J払って系をコツコツ増やし、一回で複数の系を動かしていきたい。

■問題は、カード。このゲームのバランスが問われる部分であり、かつ購入の際のジレンマが発生する。まず10Jと高額であること。例えば、目標の80Jの過半数50J前後所持している場合。買うべきか、このままの体制で80Jまでなんとか頑張るか。70Jあれば、買う必要は無いだろう。特に中盤での判断が難しい。

カードの種類(全て1回使い切り)

・2mol…ダイスを振る前に出し、この手番のJが2倍になる(6枚)

・ダイス目4…ダイスを振る前に出し、縦横どちらかに4進む(8枚)

・系戻し…他プレイヤーの系を1つずつ選び、削除する(2枚)

・圧力低下…他プレイヤーの全ての系のPを−2(2枚)

・等温変化…自分の全ての系が、PVが同じ積となる別の位置に移動できる(4枚)


戦略は大きく3つでしょうか。

最もオーソドックスな戦略は、2molカードを手に入れ、例えば30J得られそうな時に出しておきます。これでダイス目3が出れば一発で90Jで終わりですし、ダイス目2でも60Jです。仮にダイス目1でも、2molカードがもう一枚あれば、次手番でもう一回、等圧変化でダイスを振るだけ。2molカードは6枚もあるので、序盤からコツコツカードを買っていけば、1、2枚は手に入ります。ただし、序盤のJ貯金は当然出遅れます。

二つ目は、できる限りカードを買わない戦略。買って、攻撃カードなどを引くぐらいなら、10Jは損と見做します。中〜高圧力のラインでコツコツ貯金を貯め、そのまま80Jまで行きます笑。この戦略は、特に、展開が持久戦の時に有効です。

三つ目は、等圧変化速攻戦略。圧力を上げず、さっさと3つゴールラインを割り、P≧5を達成して、早々と6Pa、5Paのデカいラインで勝負します。この戦略は、序盤、大量のJが貯まりにくいのと、他プレイヤーからカードで狙われやすいのがネックです。


等温変化では、Tも一定なので、PV=nRTのPとVは反比例します。等温変化カードでは、例えば、座標(V、P)が(4、3)の系を(3、4)に移したり、(2、6)に移したりすることができます。反比例なので、理想曲線を描く移動となります。

説明書に但し書きが無かったのですが、このカードは、ゴールトークン3枚獲得前にもP≧5に系が動いてもいいものと考えています。でないと、等温変化はほぼ4×4マス内となり、(4、1)→(1、4)は嬉しいかもしれませんが、他の(2、3)→(3、2)などあまり面白くありません。

というより、それより大事なことは、この等温変化カードが序盤からP≧5を越えてくれることで、新しいもう一つの戦略(等温変化戦略)になるからです。

↑  即ち、序盤、等温変化カードを手に入れた場合は、(5、1)や(6、1)にある黄色の系を、緑の系のある(1、5)、(1、6)に移動できる!これは劇的なことだが、狙うのもまあまあ大変なので、新しい戦略にふさわしい。

なので、この等温変化カードは、ボードゲームの「作り」として、盛り上がるためにも、ゴールトークン3枚未満でもP≧5を突破できる方がいいです。


ちなみに、写真の青の系の位置(5、6)は、好位置ではありません。なぜなら、次の等圧変化では、ダイス目が3であろうと6Jしか入らないからです。

目指すは、緑の系がいる(1、6)近辺が、文字通り理想「系」。ここにいれば、進める5マス分つまり6×5=30J入る見込みだからです。(勿論、系戻しされる確率も高いでしょう)


序盤は、どんな戦略でも、4Paあたりまで進めてから体積を増やし、系を買い足しながら、3つのゴールを目指すはずです。等温変化戦略だけは、序盤からみんなと違う動きができます。

したがって、このゲームは、中盤から、プレイヤーの戦略が、不透明感を伴って、分かれていきます。終盤までカードを保持しているプレイヤーには要注意。そして、「カードにどのくらいまでJを費やすか」が、とにかく難題です……



※ レビューにご感想・ご不明な部分等ございましたら、ご遠慮なく下にコメントください🙂

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鳴屋
びーている / btail
荏原町将棋センター
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