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  • 2人~4人
  • 30分~60分
  • 13歳~
  • 2013年~

タシュ=カラール 伝説の闘技場Bluebearさんのレビュー

264名
1名
0
5年弱前

伝説の闘技場で、配置する自軍のコマによって特定の陣形を作り、そこから様々な戦力を『召喚』して相手を倒すゲームです。

2013年にはボードゲームギークのベストアブストラクトゲーム賞を受賞しております。

印象としてはファンタジー世界を題材にした囲碁のような雰囲気なので、ガチガチのアブストラクトな思考対決ゲームのように見えるためか、ゲーム仲間の食いつきがあまり良くなく、またプレイヤー数も2名の対戦、または2vs2のタッグマッチが推奨されているため、取り出すチャンスが無く、ずっとお蔵入りをしていたところを、拡張セット購入を機に広げてみました。

実際のプレイ感は予想よりもカード運要素が大きいため、先の先を読んでのガチ勝負…というより、もう少し気楽な感じで楽しくプレイできました。

決められた陣形を作って『召喚』!

ゲームボードは、四角マスが描かれた9×9(カドがちょっと欠けてるけど)の闘技場になっていて、ここに自分の色の戦力コマを置いていきます。

基本的に自分の手番では2つのアクションができます。

1つ目は単純に自分の通常戦力コマを空いてるマスに置くだけ。それ以上何も起きません。(困ったらとりあえずこれやっとけばいいですね、笑)

問題は2つ目。もともと手札には自分の陣営専用のカードデッキがあって、ランダムに3枚引いて手札にするのですが、ここにいろいろな陣形配置の図が書いてあって、もしその通りの配置を作ることができれば、もう1段階強い英雄戦力のコマを召喚して、指定のマスに出現させたり、すでに置いたコマを移動させたりジャンプさせたりすることができるのです。

ちなみにこの配置形態は、左右対称でも上下反転でもいいので、慣れないとちょっと戸惑います。(これけっこう苦手な奴は苦手みたいです)

新しい戦力を召喚する時に、そこに相手のコマがあればそれを除去できたりもしますので、この位置関係は非常に重要!

そう言うと、けっこう綿密な戦略を考えるゲームに思えますが、手札は3枚しかないので、結局は「今その中のどれが作れるか」を考えるしかないので、それほどすごい選択肢があるわけではなく、手持ちのカードをさかさまにしてみたりして、あーだこーだ考えるのが地味に楽しいです。(好みは人によりますが…)

さらに言うなら、相手の手札が分からないので、相手が今何を狙っているのかが、盤面を見ていてもわかりません。(熟練者ならデッキの中身が分かるので、ある程度推測できるのでしょうけど…)なので、あまりガチな妨害もしようがないので、そっちに脳ミソのメモリーを取られることも無く、思ったほど長考にはなりませんでした。

異なる勝利条件によりプレイ感の違う2つのルールがあります。

1つは、闘技場で観戦する皇帝様の要求する配置条件・召喚条件が常に3枚のカードでランダムに指定されており、それを満たすことで勝利ポイントを得る『クラッシック戦』。

カードは共通で早い者勝ちなので、相手の配置を見比べながら、どの条件を取りにいこうかをあれこれ考えます。ちょっと悩みどころは多いものの互いに冷静に考える感じの対戦です。

もう1つは、とにかく相手の戦力をやっつければポイントなので、ひたすら強いコマを召喚しまくって、相手のコマを食い合う、ちょっと展開が白熱しやすい印象の直接戦闘モードの『デスマッチ戦』

どっちも微妙に印象が異なるのですが、我々のグループではやはり『デスマッチ』のほうが盛り上がりましたねー。


個性的な陣営デッキ

それぞれの陣営ごとにクセの強い専用のデッキが用意されており、それぞれの召喚戦力を表すイラストも非常に美しく、なかなか雰囲気が盛り上がります。(兵士が特定の配置に並ぶだけで、なんで急にそこに英雄やクリーチャーが出現するのかは…謎です、笑。まあだから『召喚』ということで納得しよう。)

基本セットに含まれているのは

1.北方帝国流(スタンダードなカードが多く使いやすい反面、パワーに欠ける)

2.南方帝国流(この2つは色違いで中身は一緒)

3.高地蛮流(かなり強力なカードがそろっているが、配置が難しく、上級者向け)

4.樹界精霊流(コマの移動などトリッキーな効果が多く、熟練者向け)

日本語版の拡張セット

1.永久霜流(氷結効果という専用の特殊効果を使う)

まだ日本語化されていないものもいくつかあり、先日『Etherweave』という追加セットを購入してしまいました。日本語化もできたので、こんど加えてみようと思います。(ワープ効果という特殊能力を持っています。)


強力な伝説級の戦力も登場!

各陣営デッキとは別に、共通の『伝説級カード』というものがあり、各陣営に付き1枚ずつランダムに手札にもらえます。

これは「ドラゴン」やら「リヴァイアサン」やら、有名でカッコいいモンスター級がそろっており、召喚するための条件が非常に厳しい代わりに、召喚できた際の効果は絶大で、一気に戦況をひっくり返すこともできるくらいのレベル。

これがあるため、不利な状況が続いても「まだまだ!こいつさえ召喚できれば勝機はある!」と頑張れたりしますし、もし負けてもこれが召喚できただけで満足できたり、まあいいアクセントになっているかな…という印象です。

このように、一手ごとにノリでキャーキャー盛り上がる…といった感じではなく、ひたすら自分の手札を見比べて、置き場所に悩んで、静かにアクションを繰り出す感じのゲームですので、まあ好みは分かれるかな…という印象です。(我々のグループでは非常に好評でしたよ。)

「よしこれで『歩兵隊長』の召喚だな」

「う…そこに来たか…」

「くそお…これしか召喚できなかったんだよ。もう1個はここに置くね。」

「やったー、じゃあ私は『グリフォン騎兵』を召喚します。ほら私のグリフォンちゃんはここへジャンプしてこのコマをやっつけるのよ。強いでしょ。」

「う…それはきついな」

「いかん、こっちもあとに続きたいが、いま召喚できるカードがねえ~!」

「じゃあとりあえず一般兵を置くしかないわねぇ…笑」

「2点差か…そろそろヤバいかな…う~ん…」

といった感じです。

2回戦してカードの中身やクセも少しわかってきたので、もうちょっとうまくやれるよう次回頑張りたいと思います。

個人的には好きなゲームなので、あんまり評判を聞かないのがちょっと残念ですね。

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