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  • 1人~4人
  • 75分~150分
  • 12歳~
  • 2022年~

スカイマインwinterkoninkskeさんのレビュー

425名
12名
0
6ヶ月前

二人プレイ時の感想を書きます。

スカイマインは、月面に進出する四つの企業に投資をしながらエリアマジョリティを操作し、自分の個人ボードの資産も高めていくことで多くの勝利点獲得を目指す、重量級ゲームです。

本ゲームは同作家の傑作「モンバサ」のリメイク版で、いくつかのゲームバランス調整と、新マップや追加ルールなどを選択できる仕様になっています。

筆者は「モンバサ」は未プレイとなりますので、比較等は行わず、本作のみ(の基本ゲーム)をレビューしていきます。

ゲームは7ラウンドで進行します。

ラウンドの最初に手札からカードを3枚(ゲームが進むと最大で5枚)伏せて、いっせいに開示。その後はスタートプレイヤーから、カードでアクションするか、ボーナスマーカーと呼ばれるワーカーを置いてアクションするかをひとつ解決して、次のプレイヤーに手番が移ります。

これを全員がアクションできなくなる(しないことを選ぶ)まで実行し、1ラウンドが終わります。

非常に細かいルールや要素の多いゲームなので、全ては説明せず、キーポイントとなっている箇所を幾つか解説します。

①株式とエリアマジョリティ

②カードの運用ルール


まずは①

勝利点のだいたい4〜5割が、投資した企業の株価による得点となります。

四つの企業が四方からメインボードのエリアに前哨基地コマを出していき、支配領域を拡大していきます。

支配領域が多い企業や、多くしたい企業に投資して株を得ておき、大雑把に言うと「進出した前哨基地の数×株式の数」がゲーム終了時の勝利点になる、といった計算を行います。

一箇所進出するたびに何らかの貴重なボーナスが得られるので、プレイヤーは企業の価値向上だけでなく、個人ボードを進歩させるためにも積極的にアクションしたくなります。相手が既にいるマスに進出すれば、前哨基地を撤去もできるので、非常に直接的に相互の点数が上下する影響力の強いアクションです。

ゲーム後半になると一回の進出数も増えていくので、その頃には各人が投資している企業を少しでも伸ばしたいという、エリア争奪戦が激化します。

本ゲームのベースにあるのは、この株価変動における場所の取り合いのインタラクションです。

②カードの運用方法について

ラウンド開始時に伏せてプロットするカードですが、この後の処理も独特のルールがあります。

ラウンドの終わりに、まず上の段にあるカード列から「一列だけ」を選んで手札に戻します。その後、今のラウンドで使ったカードを「それぞれ別の列に一枚ずつ」重ねます。

つまり、今のラウンドで使ったカードは、早くても次のラウンド終了時にしか戻って来ないのです。

この運用方法がとにかく独特で、カード使用と返却の間のタイムラグに常に悩まされることになります。

当然3枚使って1枚しか戻らない展開もあり、手札が減ります。そのため手札を強化するために強いカードをサプライから買うアクションが重要なのですが、買ったカードも使えるのはせいぜい1〜2回。しかも、カードを買うコストの代わりに株式を買うことも出来るので、そちらに回したい欲も出てくる。

本作は、エリアマジョリティと同じくらい、このカード運用に注力しなければなりません。重要な場面で狙ったアクションが打てない!なんて事態にもなりかねず、相手が推している企業の進出を許す結果にもなるからです。

さて、株式投資による勝利点が5割とすれば、残りの半分は個人ボードの「ヘリウム3トラック」と「研究開発トラック」です。

ヘリウム3は単純にそのアイコンのあるアクションをしてボーナスを貰えば上昇しますが、研究開発の方は「プロットしたカードのアイコンを揃えろ」みたいな難しいルールがあって、これまた頭を使わされます。

ただしエリアマジョリティによって価値が変動する株式からの得点と違い、頑張っただけストレートな大量勝利点に繋がるのが魅力ですね。ついでにどちらもある程度進めると、プロットできるカードが増える(実質手番が増える)という重要なボーナスが控えているので、無視する選択肢はありません。

じゃあ個人ボードだけ鍛えとけば良くね?いや良くないです、陣取りを放っておくと莫大なボーナスと勝利点を占有されてしまうので、やはり偏るプレイはリスクが高い。

「う〜んヘリウム3上げやすそうだけどあの企業が出過ぎてて後半ヤバそうだな〜投資も進出もしなきゃな〜」みたいな、どっち付かずのジレンマ。このバランス感覚を、カード運用に振り回されながらなるべく正確に行っていく難しさ、みたいなものが、スカイマインを非常に面白くしている部分なのかなと思います。

もちろん重量級らしい細かいルールやボーナス制度が多くて、他にも気を配るべきことがたくさんあります。しかしスカイマインは、結局少ない手札からカードを3〜5枚プロットしてアクションするしかない所に収束するので、考えすぎるという事はありません。

むしろ基本ルールは他の重量級よりも少なめに感じました。一見すると簡単そうに見える勝利点までの道筋に、ダイナミックなインタラクションを絡ませることで難題にして、カード運用に没入させる。これをビタッ!と完璧なバランスでデザインしたせいで、「モンバサ」が傑作と呼ばれるようになり、めでたく「スカイマイン」にリメイクされたのかなと思います。

「これちょっと弱いな」っていうアクションが無いんですよ。全部使わされることになります。

「二人プレイでもエリアマジョリティって機能するの?」と最初は思ってましたが、遊んでみると意外とエリア分けが狭いので、ちゃんと争奪戦が起こります。

そもそもカード運用が面白いのに、陣取りもきちんと機能するので二人プレイでも全然面白いです。

また本作にはボードの裏面にガラリと印象の違うマップがあり、選択して遊ぶことができます。

裏面ではより陣取りのインタラクションに個性を出しており、これまでモンバサで繰り返し遊んできた人たちにも新たな発見があるようなマップにしてあるようです。

コンポーネントは不思議な感じです。

たんなるリメイクにならないよう、メインテーマをアフリカの都市から宇宙に変えたという思い切りだけでなく、内容物を6つの箱に分けて仕舞わせちゃおうという謎の試みも行われています。

きれいに箱に収まる反面、正直ちょっと開け閉めが面倒くさい仕様で、プラ製のインサートにしてくれた方が良かったかな…なんて想いもあります。これに関しては実験的な意味合いもあるのかなと思ったり。

全体的な宇宙テーマのデザインとしては申し分なく、カードも木駒も最高だぜ!っていう基準はしっかり満たしてくれています。

ただ日本だとあんまりSFテーマがウケないのが弱点なのかなと。


いやほんと、傑作なのは間違いないです。

「大ボリュームのソロプレイ感重ゲー」が流行する直前の、「ガッツリインタラクションで個人ボード周りも面白いよ」なバランスが秀逸な重量級かと思います。

腕に覚えのあるプレイヤーなら、是非とも体感してみて下さい。

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