サルデーニャJampopoノブさんのレビュー

地中海の小さな島に、大きな駆け引きがあった——

『サルデーニャ』をプレイした瞬間に感じたのは、時代と場所を超えた緻密な駒のせめぎ合い。まるで軍略シミュレーションゲームを遊んでいるような、濃密な思考の時間が味わえます。

このゲームでは、プレイヤーごとに配られる7枚のキャラクターカードを1枚ずつプレイしていき、村人や司祭をマップ上に配置しながら、どのエリアで最大の影響力を持つかを狙っていきます。

中でも面白いのは、《Sentinel》カードによる得点計算の発生タイミング。誰かがこのカードを出すと、砦カードに指定されたエリアの得点計算が始まり、置かれた駒の種類や隣接エリアの駒までも加味される複雑な影響力計算が行われます。

しかも得点対象となる砦エリアは順番に公開されているため、次に来る戦場がわかっている中で「どのカードを今出すか？」という緊迫したジレンマが生まれます。

「ここでPriestを使うと1影響力増えるけど、相手は村を出して2影響つけてくるかも…」「いや、先に港に船を送れば、隣接エリアの影響力も上がるか？」
――そういったミクロとマクロのバランスを問われる判断が、とにかく楽しい！

さらに《Queen》のカードでは、過去に自分が使用したキャラクターカードを再利用することができるので、「温存」か「即効」かのタイミング判断にも頭を使います。

プレイ中の駆け引きがヒリヒリする

私たちは4人でプレイしましたが、まさに**“目で殴り合う”タイプのインタラクション重視ゲーム**という印象。
「今このカードを出すってことは…」「やられた、まさか先に砦を取ってくるとは！」といった言葉がテーブルを飛び交い、終盤は誰もが無言でカードを握りしめる展開に。

一手一手が得点に直結する緊張感は、「これはもう一戦やらねば」と自然に再戦を誘います。

もちろん、すべてのアクションにおいてルールブックは明快で、和訳ルール付きなので安心。サマリーカードもついているため、ルール確認でテンポが崩れることもありませんでした。

コンパクトな収納＋エレガントなデザインも魅力

プレイ体験だけでなく、このゲームの物理的な構成も素晴らしいポイント。
playte社特製の**“箱がそのままボードになる”設計**は、見た目に美しいだけでなく、収納もスッキリ。限られたスペースの中で多くのボードゲームを保管したいゲーマーにとって、このコンパクトさは非常にありがたい。

ゲーム棚に並べたときの高級感もあり、「この箱、何？」と他の人の目を惹くこと間違いなしです。

🎯こんな人におすすめ！

• 陣取りゲームが好きな人

• 戦略と読み合いが好きな中級〜上級者

• プレイヤー同士のインタラクションが多いゲームを探している人

• 美しい収納や省スペース設計のゲームを求めている人

🛒まとめ：シンプルな手番×緻密な戦略＝クセになる面白さ

『サルデーニャ』は、一見するとシンプルなルールながら、その奥には読み合い・配置の妙・タイミングの心理戦がぎっしり詰まっています。

毎回違う展開になるゲーム性、見た目にも楽しい構造設計、そして美しいサルデーニャ島を舞台にした没入感。
エリアマジョリティ好きなら、絶対に一度は体験しておくべき名作です。