- 1人~7人
- 30分前後
- 9歳~
- 2014年~
サムライスピリットBluebearさんのレビュー
「世界の七不思議」「花火」で一躍有名になったデザイナー、アントワーヌ・ボウザ氏の作った協力ゲーム。テーマはあの有名な映画「七人の侍」です!
映画は世界的に高評価を受けた1954年の名作で、食い詰めた7人の浪人が、反発し合いながらも次第に心を通わせて、野盗に襲われる村を命を貼って守る、という姿を描いたものです。(私も大好き!)
この設定をほぼそのまま再現し、7人のサムライとなったプレイヤーたちが、次々に襲い来る野盗一団の集団から3ターン(3日間)守り切れるかどうか、というゲームです。
■キャラクターは7人
キャラクターカードは大判のものが7枚。名前もほぼそのまま映画通りの名称で、ボウザ氏の思い入れが伝わります。(イラストもけっこうカッコいい)
それぞれ「気合」レベルと、「特殊能力」が違っているのに加え、必殺技に相当する「気合能力」に違いがあります。
このキャラクターを語る上で外せないのは、なんと「裏面」!
各サムライは1ポイント負傷を受けると、「負傷マーカー」を乗せるだけですが、なんと2ポイント目の負傷を受けるとカードを裏面にするのですが、そこに描かれているのはなんと「獣人」!!!
そうなんです、ここでのサムライは負傷してピンチになると強力な獣人に変身するのです!(気合レベルが上昇し、気合能力もより強力になります)
そう聞くと、さっさと獣人化した方が有利っぽいですが、獣人の状態で負傷すると、改めて負傷マーカーを乗せ、その状態でさらに負傷すると死んでしまいます。
サムライがもし一人でも死亡すると「負け」となるので、獣人化のタイミングには気を付けなければならないのです。
■次々襲い来る野盗の集団
野盗軍団は専用のカードを次々めくることで表現します。
ほんとうにざっくりとだけ説明すると…(ルールが少しややこしいので説明はざっくりでごめんなさい)
基本的に各サムライは、手番に2種類のアクションから1つを選択します。
①野盗に立ち向かう…サムライは野盗カードを1枚引いて、「立ち会う」か「防衛する」かを選びます。立ち会うなら野盗カードはサムライの右に数字が分かるように並べます。(正面から侵入する野盗を食い止めるためにチャンバラで大立ち回りをやってるイメージね)このとき野盗のパワーが気合を越えてしまうとサムライは一時的に気絶してしまい戦列から抜けてしまいます。反対にピッタリ気合数だけの野盗と立ち会うと、強力な必殺技「気合能力」が発動するので、この野盗カードのコントロールがゲームの基本です。
また「防衛する」ならカード左の3つのマークが合うようにカードを並べます(畑や村人を狙って侵入する別動隊を食い止めるイメージね)
②支援する…各サムライには特殊能力があり、これがけっこう重要なので、この効果を誰かに一時的に託すことで状況を変えることができます。(これけっこう重要!)その代わり1枚の野盗カードの侵入を許してしまいます。(これもたまるとけっこうなリスクになる)
こうしてカードをどんどんみんなで食い止めていって、全部のカードをさばき切ったら1日終了という流れですね。
2日目になったら死んだ野盗カードを除く代わりに、「中ボス」カードが加わり、3日目にはさらに「大ボス」カードが加わるというシビアさ。
突破を許してしまった野盗カードをまとめて、各日の最後に損害を出しますが、これがなかなか厳しい!
畑や村人がひとつでも残っていれば勝利です。(荒れ果てた畑に1人だけ村人が残っている状態で「勝ち」って言われても、なんかしっくりこないんですけどね。)
■慣れるまでちょっととっつきにくいゲーム
各サムライごとのもつ特殊能力や、気合能力、また各野盗カードが持つ特殊能力などが、アイコンで描かれているのはいつもの通りなのですが、これが初めてだと直感的にわかりにくい。最初の説明にはしっかり時間をかけた方がいいでしょう。(まあ3日間の戦いなので、1日目が終わるころにはコツがつかめてくるので、慣れたメンバーならそれほど問題にはならないかもしれません。
箱には45分とか書いてありますが、絶対その時間では終わりません。
我々がやったときは説明込みで1時間半以上かかりましたよ。(その代わりベテランメンバーだったので、いきなりノーマルモードでギリギリ勝利しました!やっぱり協力ゲームは勝てると気持ちいですね)
■プレイの雰囲気
「次は俺かー。もちろん立ち会うぜ!」
「おー頑張れ菊千代!主人公だからな。」
「それ、野盗2。まだまだ大丈夫。余裕だね」
「菊千代は能力でもう1枚引けるけどどうする?」
「おーそうだった、もちろん引くぜ。あれ4だ。う…残り1」
「きゃ~厳しいですね。越えたら気絶だし、ちょうど1なら気合能力だけど、ぴったり1の野盗が出るかどうかわかりませんからね」
「しまったー!さっき村人の防衛は埋めちゃったから、もう使えないし。」
「いやいや、早めに防衛を埋めるのは仕方ないわ。〇〇さんの運が悪いだけね(笑)」
「あ…待てよ。そっちの勘兵衛のところの野盗カードって左へ回るんじゃないの?」
「あ、そうね。あ…そうか。この2の野盗が菊千代のところへ移動すると、菊千代は気絶!?」
「キャーやばい!気づかなかった!」
「いや待って、私がこの平八の能力で勘兵衛を支援します!そうすれば2の野盗の能力は無効だから、カードは動かないはず」
「う…!1枚侵入を許しちゃうけど、仕方ねえ~!」
という感じの展開でした。(伝わるかな)
7人でできる中級クラスのゲームってなかなかないので、人数が多いときには助かります。
6人以下でもできるようにはなっているみたいですが、これはやっぱり「七人の侍」ですから、ぜひ7人集めてやってみて欲しいですね。(ただし、7人でやると、メインの村ボードが小さくて、ちょっとやりにくいのが難点。もう少し大きく作って欲しかった…)
世紀の大傑作!とまではいきませんが、息の合った仲間同士でプレイするとかなり楽しい印象でした。
機会があったら試してみて下さい。
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