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  • 1人~5人
  • 30分~45分
  • 8歳~
  • 2020年~

箱庭特急荏原町将棋センターさんのレビュー

393名
3名
0
約3年前

サクサクの鉄道ゲームが誕生!

美しいボードに、可愛い木駒の汽車。色も鮮やかです。株券も分厚く、スタピーマーカーも金属。コンポーネントは申し分ありません。

ただ、こんなに可愛いのに、勝ち方がよく分かりません……


ゴールデンスパイクがテーマの鉄道ゲームは「レイルロードレボリューション」が面白かったのですが、戦略がお約束のパターンとなり「解」が見えてしまい、その後、メインボードを変えるというスゴイ拡張が発売されました笑。最近の「ホイッスルストップ」もゴールデンスパイクのゲームで、コンポーネントも素晴らしかったのですが、意外とサクサク進みませんでした。あとはアランムーンの作品群。例えば「ユニオンパシフィック」は、ゲーム中、色の残数からカードを引く確率を考えるという古いタイプでした。

なかなか西部開拓の鉄道ゲームで、サクサクの戦略的なものがなく、この「箱庭特急」に期待したのでした。

このゲーム、自分の色の汽車を持たず、どの会社を育てて行くかという「アクワイア」系列です。ただし、「ユニオンパシフィック」のようなカード類は無く、また、突然のタイミングでVP決算されるというパーティー性もないのでホッとします笑

↑ 4つの鉄道会社がある。各プレイヤー、スタート時に、右側の12枚から、ロチェスタードラフトによって、2枚の株券を持つ。(他プレイヤーと全く同じペアにしない)


スタート時、会社ボードには、各会社株券が6枚ずつあり、汽車駒が4つずつあります。これ以外に、大量の汽車がストックとしてあります。

この株券が2社分売り切れたら終了フラグ。(売り切れなくても、ストックの汽車(各社20個)が全部無くなったら株の枯渇と見なされます)

手番では、AまたはBどちらかを行ないます。

A 汽車を置く

任意の会社から列車をいくつか取り、ボード上にあるその色の汽車からくっ付くように置いて行き、新しい都市へ到着させます。

例えば、汽車を3つ取ったら、3マス先にある都市にちょうど到着するように置きます。3つ取ったので、最短で2マス先の都市に到着させることはできません!2マス先に到着したい場合は、3つではなく2つの汽車を取って置きます。

そして、到着した駅にある2つの会社マークの影響度を一つずつ上げます。各都市には2つの会社の影響度を上げるマークがあります。影響力トラック上で、該当する会社の自分の影響力を1ずつ上げます。

最後に、置いた汽車の会社の路線価(株価)が上がります。上がる数は、到着都市を除いたマスの数。つまり、汽車を3つ置けば、路線価は2つ上がります。


B 株券を買う

欲しい会社の株券を1枚買います。値段は、現在置いてある汽車の数です。例えば、スタート時は、誰もどの株券も買うことができません。汽車が4つずつあるので、影響度を4つ下げないといけないからです。スタート時の影響度は、全プレイヤー各会社とも1です。

このゲームで言う「影響度」とは??……そもそも影響度という言葉が不自然なわけで、株を買うのだったら、お金や資産であるべきです。都市に到着するたびに1増えるものを、お金にしてしまうと「1金」となっておかしいので、単位が金で無くて金を表す言葉……貯金、またはチャージがいいです。

とにかく、株券を買う時は、汽車の数だけ貯金(チャージ額)を下げます。

株は、単純で、ゲーム終了時に、路線価の単価に掛けられる数となります。

そしてこのアクションの最後に、汽車をストックから3つ、その会社に補充します。


終了時VPは、4つの会社の資産の合計。つまり、一つの会社につき、路線価×株券の数で計算し、合計します。

この時、このゲームを歪な戦略ゲームにしているシステムが、路線価です。

この路線価単価は、株価のように一つの価格を表しているのではなく、貯金(チャージ額)の最も多いプレイヤー、二番手のプレイヤー、それ以下のプレイヤーの3種類に分かれているのです。

したがって、単に株券を増やすだけではなく、各会社の貯金(チャージ額)で他プレイヤーよりトラックを上げておかなければなりません。

これが、遊んだみんなが、「勝ち方が分からない」と嘆いている原因です笑

↑ 左側が、影響力ならぬ貯金(チャージ額)トラック。右側が路線価トラック。


このゲームは、スタート時からお約束の戦略を考えることができない、事例研究タイプです。そこで、経験上……

■優勝したプレイヤーは、4つの会社のチャージ額の2つほどに特化していることが多い

■つまり、ゲーム中の流れを見て、途中から特化を考える。序中盤は難しいが、終盤は必ず、特化のチャンスが来る

■つまり4つ満遍なくチャージせず、捨て会社を1、2個作るべき

■路線価単価をよく見ると、チャージ額1位と2位の差はさほど無い。これを見越して、チャージ額「2位狙い戦略」はある

■またある時の優勝者は、チャージ額がほとんど低いのに、株券の数が大量であった

■実は、ある会社の汽車を全部敷いて、公開の汽車が0個になった場合、次のプレイヤーは、チャージ額を下げず、つまりタダでその株券が1枚手に入る

■この考えの元、汽車を敷く時は、「1残し」というセオリーが生まれる

■この「1残し」の技回避のためか、実は、ボード上の、すでに他会社の汽車が置いてあるマスに汽車を置く場合、すでに置かれていた色の会社にストックから汽車を1つ増やすというルールがある。(これが素晴らしい!特に2人プレイの場合は「1残し」のパターンに陥りやすかったので)

■しかし、最終盤は、株券がタダだろうと、欲しい株券でなければスルーされるのが面白い。逆に、チャージがダントツで1位の場合、高価で株券を買う必要もある。

■また、「1残し」で回ってきた場合でも、流れの見えない序中盤から、強行して株を買っていく手もある。


このゲーム、裏面は、なんとヨーロッパ面というサービス企画。また、ヨーロッパ面には「港ルール」というワープ的なミニ拡張や、アメリカ面にも「ゴールデンスパイク」というミニ拡張があります。

↑ 五大湖周辺の東部。どの会社も西を目指す。このように密になりやすいアメリカ面の方が、汽車の数がランダムになるので好みです。

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おうかん
18toya
つっちー
荏原町将棋センター
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