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  • 2人用
  • 30分前後
  • 10歳~
  • 1999年~

ロストシティ18toyaさんのレビュー

375名
2名
0
3年以上前

【お気に入り度 8/10】
軽量級・2人専用

このゲームのフレーバーは世界の遺跡を探検・発掘することです。そのシステムは,5か所の遺跡、すなわち砂漠・海底・ヒマラヤ山脈・熱帯雨林・火山地帯の5か所に数字のカードを昇順に置いていくことです。

さて,このゲームの進め方については他の方もたくさんレビューをしてくれているので,私は少し違う視点でこのゲームを見てみたいと思います。このゲームにおいてカードを引くこと,場に置くこと等の意味についてです。単に無機質なカードゲームとして遊んでも十分楽しいですし遊ぶ上で支障は無いのですが,物語・フレーバーというものを想像しながらゲームをすると,ひと味違った楽しみ方ができるのでは無いかと考え,以下に書いてみます。

1.初期手札から遺跡に置く、または共通捨て場に捨てる。その後カードを1枚ドローする

【手札】まずカードを手札に持っていることは,その遺跡に関する情報を持っており,大学の研究室等で研究をしていることを意味するのではないかと思います。数字が小さいほど入り口に近い,浅い階層の情報。数字が大きいほど,遺跡の核心,深い階層の情報です。本当は,手に入る情報をかたっぱしから解析し無限に増やしていきたいのはヤマヤマです。ですが,得られた情報を解析し探検・発掘に繋げられるレベルまで深めるためには時間も人的資源も大量に必要になってしまう。また,実現されない説はただの仮説に過ぎません。実証して初めて,仮説が正しかったかどうかが確認されるのです。そのため
【遺跡に置く】自分の研究室が保有している情報をもとに探検隊を送り出して仮説を確かめ,おお!遺跡のこの部分にこうした特徴が!古文書の通りじゃ!…と確かめるか、または
【共通捨て場に捨てる】大量の情報は一研究室の手に余るため、要らない情報を研究対象から除外して研究対象を絞るか,です。この際,学者たるもの途中まで調べたものを単に捨てては人類の叡智は進歩しませんので,知は共有していきます。自分の研究室では有用に役立たなくても,他の研究室が研究を進めることで人類全体の叡智は進むかもしれないのです。実際,ライバル研究室がその情報を有用だと判断したら,情報を拝借して研究を進め,探検に出るかもしれませんね。

【1枚ドロー】遺跡の研究を進めるためには、探検に出る選択を選んでも研究対象を絞る選択を選んでも、いずれにせよ新たな情報の収集が必要不可欠ですね。良い文献が見つかって必要な分野の研究が進む事を期待しましょう。仮に研究室のスタッフを怒鳴りつけたくなるような情報だったとしても怒ったりしないように。

【昇順でカードを遺跡に置く】さて、カードの数は階層の深さと先程言いました。入り口近くの情報は、例えば入り口に王家のレリーフがあってその意味は…とか、足のない人型の生き物が描かれておりこれは異星人の可能性が…とか、導入的な発見の情報でしょう。これらの情報が無くても奥にはどんどん進めるかもしれませんし、入り口近くよりも階層が深い方が、誰も未だ立ち入った事の無い価値の高い遺跡である事は間違い無いのです。勿論、大型遺跡(後述)として世に発表したいのなら入り口近くの情報といえど疎かには出来ません。しかし、少なくとも研究費を使って調査をするからには、常に結果を求められるのが研究者の辛いところです。入り口近くなどすっ飛ばしてでも、深い階層での発見(6、7以降の数字の大きなカード)に踏み込む研究室もあるでしょう。しかし、その研究室を責めるのは酷というものです。研究者だって夢もロマンもあります、大型遺跡だって発掘したい。でも霞を食べて生きてるわけではない以上、使った費用の元は取らないとならない。もはや入口方向に足を戻しても意味はありません。遺跡をより深く探索し、より核心へと近付いていく。それしか道は無いのです。

2.点数計算

【置くだけで名誉-20点】さて,研究室の中で研究しているだけならばともかく,実際に遺跡に探検隊を送り出し始めると世間の目が集まり始めます。世間一般の評価は「大量のお金かけてそんなところ調べて何になるんだ。どうせ大したものなんか,有りはしないよ」という心ない声の方が多いかもしれません。あなたはすっかり変人教授扱いですね。でも気にしないように。実績を示すことで遺跡の価値をはっきり示せば良いんです。それによって貴方を中傷する声は静まり始め,賞賛の声の方が大きくなるでしょう。ただし遺跡の深層部に辿り着けなければ,貴方は世間の評判通り,ただの変人教授という事になってしまいます。お気をつけを。

【賭けカードとは】遺跡の探検・発掘には大変な資金がかかるものです。研究室に割り当てられた研究費だけで賄えるでしょうか。そこで,例えば企業等のパトロンを探したり,国の補助金を受けるなどの大がかりな動きも必要になってきます。当然,こうした企業との折衝や補助金申請に費やすエネルギー・時間もそれなりにかかりますので,他の遺跡研究と同様,研究室の人的リソースを割かなければなりません。ですから,資金提供に関する情報も遺跡解析と同じくらいの比重で自分の研究室を圧迫します。探検に出る前なら,一か八か,伸るか反るかで資金提供を受ける(場に置く)のも賭けとして悪くはないでしょう。ただし,企業や国家が望むほどの成果がその遺跡から得られなかった時は…研究室単体で調査を進めるよりも更に名声が地に落ちることも覚悟しなければなりません。また時々,最初資金提供がほしいなぁと汲々としている時には来てほしいと願っても応じてくれなかったのに,こちらが遺跡をどんどん探検していくと途端に興味を示してくるハイエナのような企業もあります(置き始めた後に賭けカードを引いた場合など)。そんな企業に美味しいところだけかっさらわれるなんてまっぴらですよね?研究室の資金だけで探検をすると一度決めた以上は最後まで研究室単独で探検をやり通してしまいましょう。ただし!まだ探検を始めていない遺跡に関して資金を出してくれる話であれば,それはまた事情が変わってきますけどね…

【8枚出すと名誉点ボーナス】大型の資金提供を受けたり遺跡をどんどん探検することで新たな発見を繰り返していくと,これは大型遺跡の可能性が出てくるわけです。発見に継ぐ発見。世間の人は興奮し,あなたの名声は嫌が応にも高まります。やはり研究者たるもの、大型遺跡を発掘したいものです。出来ればパトロンも付けて、ね。


さて,いかがだったでしょうか。冒頭でもお話ししましたが、ロストシティをただの数字比べゲームとして遊ぶこともできます。しかし,二つのライバル研究室同士が,いかに未踏の遺跡を探検し発掘して,人類の叡智に貢献出来るか?というドラマを想像しながら遊ぶのも一興では無いでしょうか^^ (え、普段からそうしてる?それは失礼しました 汗)

ああ最後に、言うまでも無いですが私はこのゲームがかなりのお気に入りです。まあ、上みたいな妄想をするくらいなのでお分かりだと思いますが。遺跡にも捨て場にも置けない、置きたくないっ…!というジレンマを凌いで最後に良い局面に持っていった時は脳汁出ますよね 笑

最後まで私の妄想話にお付き合いいただきありがとうございました。皆様の良きボードゲームライフに貢献できれば幸いです。

↑ムム、出たなお邪魔虫!…じゃなかった、出たなハイエナ企業!今更来ても遅いよーだ!(序盤に来てくれてれば…トホホ)

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