いきものボックスVol.1（サバンナテン・カニナリエビ）Jampopoノブさんのレビュー

いきもの、だけど頭脳戦。

**『いきものボックス vol.1』**は、見た目の可愛らしさとは裏腹に、しっかり“考えさせられる”2つのゲームを収録した贅沢なボードゲームセット。
アートとルールが融合したこの1箱、侮るなかれ。中には“大人も本気になれる”知的バトルが詰まっています。

🦁 メインゲーム『サバンナテン』は、動物たちの縄張り争い！

見下ろすような俯瞰ボードに、手札の動物タイルを一枚ずつ配置。狙うは「ぴったり10」の数値で**3点を取る“ジャストミート”**か、
あえて11以上・9以下で駆け引きを仕掛けるか。──この“ちょうど良さ”の読み合いがたまらない！

一見シンプルに見えるのに、ライオン（4）の存在感が大きく、どの動物をどこに置くかのジレンマが毎ターンのように襲ってきます。
しかも列はタテ・ヨコ・ナナメすべてが判定対象。置いた瞬間に3方向で縄張りバトルが発生することもあり、思わぬ逆転劇も！

ゲームは全員が5枚置いたら終了という短時間設計ながら、駆け引きの密度は非常に高く、満足感も◎。

🦐 2人用ゲーム『カニナリエビ』は、“進化系はさみ将棋”

もうひとつの『カニナリエビ』は、ただのミニゲームじゃない。盤面と動きの“クセ”が凄い2人用の対戦ゲームです。

カニは横に自由移動、エビは斜めに1マス。そして中央を流れる「海流」、複数の駒によって発動する「絆」など、将棋のような読み合いとトリッキーなルールが絡み合い、常にボード上の地形と駒の関係を意識する必要があります。

「相手の駒を3枚取る」「自分の駒3枚をすべてエビに変える」「相手の動きを完全封鎖する」──勝利条件が複数あるのも◎。
まるでパズルのような読み合いの応酬が繰り広げられます。

✅ GOODポイント

• 2本立てでこの価格⁉ コスパ最強 　ジャンルの異なる2本がしっかり遊べて、プレイ時間も短め。初心者にも誘いやすいのがうれしい。

• イラストとテーマが秀逸 　「いきもの」がテーマのボックスは、子ども受けも抜群。ファミリーでも遊びやすい。

• 戦略性が高く、何度でも遊びたくなる 　『サバンナテン』は毎回違う展開、『カニナリエビ』は相手との読み合いが熱い。どちらもリプレイ性が高い。

🤔 気になる点

• 『サバンナテン』は盤面情報がやや複雑に 　縦横斜めをすべてチェックしながら置く必要があるので、初回プレイ時は少しだけ混乱しやすいかも。

• 『カニナリエビ』はルールの理解にコツがいる 　「海流」や「絆」など、初見ではピンと来づらい要素も。1度説明を聞けばスムーズですが、最初は軽くお試しプレイ推奨。

🐾 総評：軽量級だけど、手ごたえはしっかり。

『いきものボックス vol.1』は、“軽く遊びたいけど、中身はちゃんとしててほしい”というニーズにピッタリのゲーム。
特に『サバンナテン』の点数判定は絶妙で、「あと1点足りない…！」が楽しい苦しさに。
『カニナリエビ』も将棋やオセロ好きには刺さる、盤上の戦術バトル。

子どもと遊ぶにも、ゲーマー同士でサクッと遊ぶにも、そしてボードゲーム会の“つなぎ”にも最適。
今後のシリーズ展開も楽しみになる、完成度の高い第1弾です！