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  • 1人~4人
  • 75分~150分
  • 12歳~
  • 2023年~
804名
10名
0
約1年前

GWT3部作の3作目。ニュージーランドを舞台に、今度はついに牛ではなく羊を出荷するゲームになりました。「ウエスタンとは?」というツッコミは野暮ですね。

明るい見た目と短く見えるトラック、減少して見える労働者市場から、発売前の画像公開時はライトなGWTと予想されてましたが、実際は3作で一番重かったという。


プレイしたので、第一印象をレビューします。今までのGWTとの違いが中心となるのでGWTのルールには触れません。ご了承下さい。


大きな違いは以下の点。


・デッキ構築カード

・新労働者「毛刈り職人」と羊毛市場

・鉄道の代わりに船

・ボーナスタイル

・パスファインダー(カワセミ)トラック

・新リソース「金」



【デッキ構築カード】

まずここがGWT:Nで一番印象的。従来も牛のデッキ構築と呼ばれてましたが、デッキ内には牛カード(と公開していない目標カード)しかありませんでした。GWT:Nでは、そこに多様な効果のデッキ構築カードを加える事が出来るようになりました。手札にあればいつでも使え、即座に証明書を1つもらえる「牧羊犬」や即座に2コインもらえる「渡し船」など効果は様々。デッキに多様性を与えてくれます。これらのカードはすべて即時1ドロー効果が付いているので、どれだけデッキに加えても目標カードのように出荷の邪魔になることはありません。また、デッキ構築カードの中には、ここでしか入手出来ない市場に出回らない羊カードがあったりします。

これらのカードは出荷をはじめとした様々なアクションやハザードタイルの除去の報酬、新リソース「金」で購入などの方法で入手できます。

また、カードのサプライはドミニオンのように毎回変わるため、プレイごとにかなりゲームが変わって楽しいです。固定カードが4種類、変動するカードはゲーム開始時に10種類から4種類ランダムで選ばれます。


【新労働者「毛刈り職人」と羊毛市場】

第4の労働者。前回のアルゼンチンでは「農夫」でしたが、今度は「毛刈り職人」です。GWTでは4人プレイなのに労働者が3人でどうしても戦略被りが発生していたので、労働者4種類なのは自然ですね。

羊には繁殖値の他に羊毛値があり、毛刈りアクションをすると毛刈り職人の数だけ羊を捨てて、羊毛値の合計分お金が貰えます。加えて出荷市場とは別に羊毛市場が存在し、羊毛値に応じた市場にディスクを置いて勝利点や報酬が貰えるようになっています。流れは出荷とほとんど同じです。

毛刈りメインの戦略はコインに余裕ができ、他の要素にコインを回せるのでかなり楽しいです。

羊のテーマに合ってるのもとても良いと思います。

【鉄道の代わりに船】

GWT、GWT:Aで鉄道だった部分が、ニュージーランドという舞台に合わせて船になりました。ゲーム的には基本の北部拡張にイメージが近いです。

島の間を船で自由に移動して、着いた島に駅や倉庫を建てていきます。駅を建てると駅長タイルが貰え、倉庫を建てると勝利点やカード、金といったボーナスが貰えたり出荷先が増えたりします。今までの一本道な鉄道よりも柔軟性が高いですが、ちゃんと目的を持って動かないと中途半端に迷走することになりそう。

【ボーナスタイル】

ボーナスタイルは、専用のアクションで労働者のように購入(出資)でき、様々なボーナスを得られるタイルです。購入すると金やデッキ構築カードが入手できたり、金を払ってオールマイティ労働者を雇ったり、勝利点がもらえたりと効果は様々。

今まではAにハザードタイル、Bに労働者タイル、Cにハザード+労働者で、労働者タイルがゲーム終了トリガーになっていましたが、本作はAにハザード+労働者、Bにボーナスタイルという構成になり、ボーナスタイルがゲーム終了トリガーになりました。

労働者市場が分離され労働者の価格が適正化(多い労働者は安く少ない労働者は高い)した点、ゲーム終了タイミングが読みやすくなった点は良し悪しですね。

【パスファインダー(カワセミ)トラック】

カワセミトラックは、専用のアクションや一部カード等で進められます。

ニュージーランドではカワセミは幸運をもたらす神聖な鳥なのだとか。そのフレイバーを汲んだのか、カワセミトラックを進めると様々な恩恵があります。コインや金、勝利点が貰えるだけではなく、建築スペースや移動力が増えたり、通過時の税金を無視できたり!

メイン戦略になるほどの効果はありませんが、合間にある程度進めていく必要があります。黒ディスク解放以外で移動力を増やせるため、最低限そこまでは進めたいです。


【新リソース「金」】

GWT:Aの小麦ほどのインパクトはないですが、カード購入やオールマイティ労働者の雇用等様々なところで必要になります。終盤はボーナスタイルを通じて勝利点に変換もできます。



【感想】

デッキ構築要素が加わったGWTとよく言われますが、プレイしてみるとそこまでデッキ構築感がなかったです。カード同士がコンボするようなことはほとんどなく、ほぼ単発のボーナス。遅れて何回か貰える追加報酬ってくらいの印象ですね。裏を返せばそこまでデッキ構築要素が主張しないため、ちゃんとメインのGWT要素に集中できて好印象です。デッキ構築カードはゲームの程よいアクセントという感じで、ターンに変化と波を作ってくれるのでプレイしてて楽しかったです。


基本のGWTが一直線なゲームだったのに対し、柔軟性はかなり上がっていると思います。労働の値段が適正になったのとオールマイティ労働者の存在で他の戦略に切り替えるのは非常に容易。また、メイン4戦略(羊購入、建築、船、毛刈り)の他にカード購入、ボーナスタイル、カワセミトラック、ハザード除去のボーナス増加等、多様な得点源にアクセスしたくなる魅力があり、以前のように「脇目も振らずに牛購入→出荷!」みたいなゲームではなくなったと思います。


基本とどちらがおすすめかですが、、

GWT:Nは要素が増えまくっている影響で確実に基本より難しくなってます。ゲームの中核がぼやけた印象もあるので、GWTシリーズ初プレイならこれじゃなくシャープな基本が良いと思います。ただ基本にはワンパターンになりやすいという弱点があるので、基本をプレイ済みであればリプレイ性が高く、多様で飽きない展開のGWT:Nも非常におすすめです。

3部作はすべてプレイ感がかなり違うので、全部揃える価値は十分あると思います!


注意点として、めちゃくちゃプレイスペースが必要です。基本と同じサイズのボードに、さらに基本の半分サイズの海ボード、そして横にカード市場を並べます。個人ボードもGWTの1.3倍くらいのサイズ(GWT:Aと同じ)なので、テーブル上で4人プレイは日本の住宅事情ではなかなか難しいと思われます、、、

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