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  • 2人~7人
  • 45分前後
  • 8歳~
  • 2022年~

グレートスプリット:華麗なる分配荏原町将棋センターさんのレビュー

626名
2名
0
1年以上前

ドラフトゲームの最新型ということで注目。

宝石、美術品、書籍等をコレクター同士で分け合うという、所有欲邁進の設定。

デザインもテーマもいいですね。でも注目はメカニクス。「もっとホイップを」を代表とするロチェスタードラフトと「セブンワンダー」を代表とするブースタードラフトが合体してしまいました。

つまりプレイヤーは、手札をまず2つのグループに分け、それを左隣のプレイヤーに渡し、どちらかのグループを取ってもらい、その間に右隣のプレイヤーから同じように2つのグループに分かれた手札が届いているので、どちらかのグループを選択します。全員、残ったグループを右隣のプレイヤーに返し、戻ってきた自分の残りグループと合体し、新しい手札となります。

この手札全てに書かれたコレクションを、個人ボードの10種類のトラックに記録します。


内容はこれで終わりです笑。これが一ラウンドなので、計6ラウンド繰り返します。

しかし、意外と悩ましい!…特に第六ラウンドの7枚は痺れます。

中終盤は長考してしまいます。


VPは、

書籍(紫)…進んだ先のVPを得る

美術品(茶)…メインボードにある変動相場スライダーのVPを得る

宝石(トパーズ水色・エメラルド緑)…どちらか進んでいない方の値を2倍する

お金…VPは無い。その代わり、任意のトラックを2つ進めるボーナスアイコンがある


実質3種類なのですが、このVPは、途中と終了時、計2回行なわれます。

↑  メインボードの一番左のラインが第一ラウンド。ラウンドが終わると、下の細長いトークンが捲られて、スライダーで美術品の価値が上がる。途中VPは、正方形のトークンを捲る。第四ラウンドの前後で発生する。ゲーム終了時も3種類のVP計算を行ない、さらに契約VPを加える。下は、ミキサーのような個人ボード。脇の人物カードは、スタート時のコレクションを表し、固有差をつけている。ゲーム終了時も、契約数を増やす役割を持つ。


契約VPというのは、個人ボードの下部にある5つのトラックで、これは上部の5つのトラックと対応しています。この契約トラックも進めておき、上部の各トラックの「太い<>マーク」の数と掛け合わせます。


カードは3レベルに分かれていて、各ラウンド始めに1枚補充します。また、分配に使うカード枚数も決められているので、その枚数より手札が多くなったら、分配の前にその分捨てておかなければなりません。

↑  中盤の難所。このラウンドの後に、書籍の途中VPが待っている。現ラウンドの手札は6枚。手元が4枚なので1枚補充したら、書籍3という強いカードがやってきた。これで手札は5枚になったが、6枚まで補充はしない。必ず1枚だけと決まっているからだ。分け方は、2つのグループを決め、間に「自分の色カード」を挟む。そして財布に入れ、左隣のプレイヤーへ。さあ、どう分けようか…。軸はやはり書籍3のカードとなるが、どれも強いカードなので、本音を言えば何もあげたくない笑


考察

■やはり一番難しいのは分配。しかし、このゲーム、インタラクションは、左のプレイヤーただ一人。つまり、左のプレイヤーの個人ボードだけ見て、分配を決めればよい。

■分配する前の、バースト余剰分の捨札選択も悩ましい。自分と左隣のプレイヤーが2人とも重視していない共通項を捨てるのがベストか。

■分配は同じ数ずつ分ける必要は無い。6枚だったら、2枚と4枚もOK。また、2グループの境界線となる「自分の色カード」は、必ず戻ってきて、任意のトラックを1進める役割を持つ。

■美術品の変動相場スライダーの値となる細長いトークンは、全部で9枚あり、0、1、1、2、2、2、3、3、4となっている。このうち6枚を使うので、終了時の値はMIN8、MAX16となる。期待値としては、12進めて中央値10VPというのが目安。この値が前半から小さい時は、美術品特化で大きなVP(15VP)を得るチャンスだ。また、美術品を無視するにしても、6VPの下は0VPなので、最低でも6VPには喰らい付きたい。

■このゲーム、ブースタートラフトが効いていて特化戦略は組みにくい。しかし、個人ボードを解析すれば、書籍特化戦略は本命。(後述)

■宝石は、トパーズとエメラルドの違いは何か。それは契約の総数と取得できる時期の差だ。トパーズ(水色)が前半タイプ、エメラルドが後半タイプ。したがって契約トラック(水色、緑)は、宝石が特化できそうな場合は後半型のエメラルド、美術品や書籍戦略をやっている場合は、伸びないので前半型のトパーズに合わせたい。

■お金トラック(黄)は、VPにならないので進めなくてもいいのでは?と思われるが、任意のトラック(契約トラックも含む)を一つ2進める、というアイコンが強く、放っておけない。しかし、契約トラック(黄)は、1つも進ませないという戦略はある。下の写真で言うと、契約は4つ取れているが、契約トラックを一つも進めていないので0×4=0VPとなるが、そもそも契約数が少ないのでどうせ大きなVPは望めない、と考える。

↑  ゲーム終了時、書籍戦略の例。書籍(紫)トラックを出来るだけ進め、下の記章を「4」まで持っていく。途中のアイコンで書籍トラックが3つ進むのも嬉しい。書籍がなぜ狙いになるかというと、契約(太い<>)が9個と一番多いから。MAX4×9=36VPが可能だ。この写真の場合、重視していなかった宝石でも、9と9で並び、9×2=18VP取れたのが大きく、計140VPとなった。


いずれにしても、どこかしら特化できたら特化したいゲームです。

やはり分配で、自分がどうしても欲しいものをどうやって取られないようにするかです。取らせないためには、反対のグループに左隣のプレイヤーの欲しいものを作るしかないのです。左隣の個人ボードを、常に凝視していなければなりません。

ソロプレイ感のゲームではないことがよく分かります。逆に、インタラクションが思う存分楽しめます。

その点がファミリー向けでもあり、戦略好き向けでもあるので、とても重宝するゲームだと思います。また、7人までできるので、大家族や、2卓以上のゲーム会などで大勢で遊ぶことができ、友達作りに貢献できそうです。


右隣の人の分配が鍵を握るので、一戦終えた後、席順を変えてもう一回やるのがオススメ。上手な分配をされると本当に悩むし、逆に、考え抜いた分配を、左隣の人に瞬時で決められたりすると、失敗した…と落ち込みます笑。その辺りの心理戦も面白いです。


コンポーネントも、セブンワンダーのようにカードが拡がり視認性が悪くなるようなこともなく、全てボードで一元管理。スマートなのも進化型ですね。

なお、お財布なのですが、何回も遊んでいるうちに、入れるのがめんどくさくなって使わなくなるかもです…



※ レビューにご感想・ご不明な部分等ございましたら、ご遠慮なく下にコメントください🙂

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荏原町将棋センター
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