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  • 2人~6人
  • 30分~45分
  • 12歳~
  • 2011年~

傭兵隊長弥七さんのレビュー

664名
4名
0
5年弱前

プレイヤーはルネサンス期のイタリアを舞台に領土を賭けて覇権を争う傭兵の隊長です。
強さを表す数字=戦力値が書かれた傭兵カードと、戦局を変化させる特殊カードを繰り出してイタリア各地の都市の支配を目指します。
さて、ここからがこの雇われの傭兵隊長である辛いところ。
それは簡単に戦力である手札の補充ができません。

手札のカードは手持ちにある分だけ一つの戦場にいくらでも戦力を送り込むことができますが、手札の補充は傭兵カードを手札に残すプレイヤーが一人以下になったときに全員一斉に行われるため、一つの戦場に注力しすぎると次の戦場では戦力が足りなくなることがあります
援軍を期待できるほどの規模を維持している部隊ではなく、あくまでも目先の戦争に対して集めた傭兵たちという設定なのでしょう。
潤沢ではない戦力をどこに注ぐのか、それを考えて指揮を執るのがこのゲームであなたがすべきことです。

都市は一度支配権を握れば奪われることはないので、支配できる都市の数はどんどん減っていきます。
勝利条件は隣接しあう3つの都市を支配、もしくは全土で5つの都市を支配したプレイヤーが勝利です。
自分にとってどの都市が大事か、他のプレイヤーがどこをとりたがってるかを考えてときには他のプレイヤーと協力して勝利に近いプレイヤーの妨害も必要になります。
特殊カードは強力ですが種類自体は少なくて、一枚で何もかもうまくいくようにはなっていません。
どの都市の支配を賭けた戦場で勝ちにいくのかとがむしゃらに勝ちを目指す一兵卒ではなくて部隊の指揮官としての視点が必要なゲームです。


ゲームの進行
※こちらは新版のルールになります。旧版とはカードの名称や効果などに変更点がありますのでご了承下さい。
1.手札を各自10枚ずつ配り、親を決めて、親のプレイヤーがどの都市を戦場にするか決めます

2.親から順に一枚ずつ手札から傭兵カードか特殊カードを出します。出せるカードがない、または出したくないときはパスを宣言し、その都市での戦闘が終わるまで待機します。戦場に1度出したカードは勝敗に関わらず原則手札に戻りません
3.戦場に残るプレイヤーが一人になったらそのプレイヤーがその都市の支配権を獲得。2人以上が手札がゼロになるまで出し切った場合はそれぞれの戦場に出した傭兵カードと特殊カードの戦力値の合計を比較して大きいほうの勝利となりその都市の支配権を得ます
4.特殊カード「スパイ」を最も多く出したプレイヤー、もしくは前の戦闘の勝者が次の戦場を選択して、2、3,4を繰り返します
5.手札にカードがなくなったプレイヤーは戦闘に参加できなくなります(不戦敗)
6.手札に傭兵カードが1枚もないプレイヤーが1人以下になると手元に残ったカードを破棄して全員カードを10枚補充します。このとき都市を支配しているプレイヤーはその都市の数だけ補充カードをプラスします(最大4枚プラス)
7.誰かが隣接した3つの都市を支配するか、全土で5つの都市を支配するという勝利条件を満たすまで繰り返します


傭兵カード
戦場の主役。
各カードに戦力値が設定されている。
戦力値の最小は1。
他に戦力値2、3、4、5、6、10のカードがある。


特殊カードの紹介
特殊カードは基本的に戦力値をもちません。
自分の傭兵カードを補強するものから戦場全てに影響を及ぼすものまであります。


・鼓笛隊
戦場にある自分の出した傭兵カードの戦力値の合計を2倍します。
特殊カードの戦力値には影響しません。
鼓笛隊を複数出しても2倍以上にはなりません。
・偽部隊
戦場に出した自分の傭兵カード(特殊カードは不可)を1枚手札に戻すことができます。
・司教
戦場に出されている最も高い戦力値の傭兵カード全てを戦場から除外します。
さらに司教トークンを誰も支配していない都市におくことができ、その都市はトークンが移動するまでは誰も支配できなくなります。
・寝返り
この特殊カードが出されたら即座にその都市での戦闘が終了します。
その時点で最も戦力値の総合が高いプレイヤーの勝利となります。
・スパイ
例外的に戦力値1を持つ特殊カードです。
その都市の戦闘終了時に最もスパイを出したプレイヤーが次の戦場を決定できます。
戦力としては最弱ですが、よくも悪くも特殊カードの影響を受けません。
・ヒロイン
例外的に戦力値10を持ちます。
特殊カードの為、「鼓笛隊」の2倍の対象にならない、「偽部隊」で手札に戻せないデメリットの反面、「司教」で除外されることはなく、「冬の到来」でも戦力値10を維持できるという強力な切り札です。
・春の目覚め
戦場にある傭兵カードのうち、最も高い戦力値の傭兵カード全てに戦力値3を加える。
・冬の到来
戦場にある全ての傭兵カードが戦力値1に変化する。
なお上記の春の目覚めと冬の到来は重複せずに後から出されたほうの効果に上書きされる。


感想
3人、4人、5人で遊びました。
まずカードのバランスが絶妙でした。
例えば序盤のうちから戦力値の高いカードを出していくと「司教」で除外されて勝敗が決まる回があると、今度は警戒して高いカードを序盤から出さなくなる。
すると1ターン目はみんな戦力値の低いカードで様子を見出すと、ひとりやや高めの戦力値のカードを出したプレイヤーが2ターン目に「寝返り」を出してさっさと戦闘を終わらせてたった2枚の手札を出しただけでローコストでその都市を取ることがおきる。
他のプレイヤー同士の総力戦を横目で見つつ、スパイのみを出して、全員が手札を減らしたところで自分にとっておいしい都市を戦場に選んで疲弊している他プレイヤー相手に圧倒する。
強い戦力値の傭兵を出してこの都市を取る気を見せて他プレイヤーの手札から同等の戦力を引き出してから偽部隊で手札に戻して、パスして戦力を温存する。
戦力値の低い傭兵やスパイを並べて、「冬の到来」を起こして頭数の勝負にする、などそんなに多くないカードの種類とルールながら駆け引きや戦略、攻略法、都市の支配の戦術などいくらでも強い相手やカードに対して取れる手が出てきます。

都市はあからさまに隣接する数の多寡が違うので辺境の都市の人気は低いものの、都市の支配ボーナスで手札の枚数が増えるのでバカにできません。
終盤になると特に顕著でボーナスなしと4枚ボーナスのプレイヤーが戦うとまず勝てません。
そんなときは他のプレイヤーと組んで対抗しましょう。
相手の手札や切り札を予想しどのカードを出して戦うかという戦場での戦術と、そもそもこの戦場で勝つべきなのか、どのくらいまでの手札をこの戦闘で消耗可能なのかという都市の複数支配を見越した大局的戦略の2つを重過ぎない程度に考えて遊べるゲームです。


プレイ人数によるプレイ感の違いは、まず3人だと都市の数に余裕があるので、2つの勝利条件どちらも視野にいれつつのびのびできます。
戦闘も2人相手なのでまだ計算どおりに進められるかなといったところ。
5人にもなると、まず都市の支配1つとるだけでも大変。
都市の総数が変わらないので、支配する都市の選択を誤ると、
「まわりに他勢力がひしめいて隣接3つの支配ができない…じゃあ5つの都市支配を…ってもう残り全部とっても都市の数足りなくて勝てないじゃん」なんて3人だとまずおこらないような戦う前からどうやっても勝てなくなる状況も生まれます。
戦闘も単純に場に出るカードが増えるので強力で数が少ない特殊カードもバンバン場に出てきて激戦と読みあいが熱くなります。
難易度が上がる反面、熱く盛り上がるなら5人プレイ、初心者を含めてまったり長くやるなら3人プレイ推奨です。
2人プレイはやってないですが、上記のルールとは違うルールになるようです。

ゲームの欠点としては、特殊カードの「鼓笛隊」や「春の目覚め」の効果で表記されている本来の戦力値から変化する状況になると、新たに戦力値が増減するたびに戦力の計算が必要で面倒でした。
そこにスパイやヒロインなど変化しないカードまで混ざるとさらに大変。
大変と言ってもせいぜい2ケタの足し算と2をかけるくらいの小学校中学年でも簡単に暗算できるレベルですが、手札一枚出すたびに「えーっと自分は今戦力値いくつで、相手は…」と計算必須なのがややテンポに影響すると思います。
パッとみて戦場に展開されているプレイヤーごとの戦力値の合計がわかる表示があると楽になるかなと。
数字に強いプレイヤーがいるとそんなに気にならないかもですが。
もう一つはカードのカシャッフルが大変なくらいには総数が多いこと。
みんなで協力してシャッフルしたり配ったり協力しましょう。

一つの戦闘は長くても10分くらいで、短いと2周で戦闘終了するので2分で終わることも。
これに加えて、手札補充の際に上記のやや大変なシャッフルがあり、誰かが勝利条件の達成するまで何度も戦闘を繰り返すので人数が増えれば長くなる傾向を踏まえつつプレイ時間30~45分くらいでしょうか。
軽い上に戦術と展開が毎回変わって楽しめるのでリプレイ性も高めのさすがに新版がでるだけはあるなという優秀なゲームです。


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