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  • 2人~4人
  • 60分~90分
  • 13歳~
  • 2017年~

キメラ・ステーションsopraさんのレビュー

202名
3名
0
2年以上前

TMGボドゲ事業撤退追悼レビュー第1回。2回目があるかは分からん。

ワーカーを切り刻んではつなぎ合わせる猟奇系(嘘)ワーカープレイスメントゲーム。

3~4人戦で複数回プレイ。TMGがボドゲ事業から撤退した今、たぶん入手困難になるぞ!急げ!


【どんなゲーム?】

衛星ステーションを共同開発していく食料供給が必要なワーカープレイスメント。

5ラウンドプレイして一番勝利点の高いプレイヤーの勝利。

ゲームはオーソドックスなワーカープレイスメント。基本資源を得られる初期のアクションスペースのほかに、「建設」という形でアクションスペースを増やしていくことができる。


このゲームの肝は2点。ワーカーがキメラだということと、ラウンドが進むごとに倍々に増えていく勝利点だ。

プレイヤーは異星人の一種族を担当するが、ワーカー、つまり働き手はよく分からないクリーチャーだ。飯さえ食わせれば何でも働いてくれる。ダンジョンキーパーのインプみたいなものだと思ってもらっていい。

「キメラ」の作品名が示す通り本作ではワーカーをラボにぶち込んで、XCOM:EWの人体改造のごとく両手両足と胴体を切り離し、特別な能力を持った胴体をくっつけることができる。

胴体から与えられる特別な能力は多種多様で、胴体が光合成するから食料供給が必要なくなったり、キチン質の硬い胴体で他のワーカーをぶん殴ってアクションスペースを奪うといった、ワーカープレイスメントのルールを台無しにするような能力ばかりである。

ワーカーの能力を向上させて、リソース、勝利点をより多く稼いでいくのがこのゲームの基本である。


そしてこのゲーム、アクションスペースを建築するとそのタイルに示されている勝利点を得られるのだが、ラウンドが進むと点数が2倍~3倍になる。

序盤にセコセコ稼いだ点数なんてあっという間にひっくり返される、MMT論者もビックリのインフレ率である。なおこのゲームにもお金は出てくるが必要な金額が倍になったりはしない。

このインフレによって「序盤はワーカー増加とワーカー強化に使って中盤から相手を叩きのめす」という戦略もとれるようになっており、「ここまで盤面が大きく動けば、先手番有利とか甘えた泣き言を言うプレイヤーはいないだろう」という製作者の思惑を感じざるを得ない。

ワーカープレイスメントなのでワーカー数正義なのは言うまでもない。


ワーカーはラウンド終了時に飯を要求する。1ワーカーにつき1飯が必要で、食料供給できないワーカー1体につき、ワーカーについている胴体を1つ失い、それもできなければ2点失う。

胴体を失うのは共食いを始めたというフレーバーだろうか?

胴体を失うのはきついが2点はさほど苦しくない。先にも言った通りこのゲーム、点数がインフレして最終得点が全員200点超えというのがザラである。1%に満たない減点に何のペナルティがあるというのか。


と高をくくると序盤の失点分で負けたりもする。慣れたもの同士だと序盤の点数も侮れない、よくできたゲームである。


【感想など】

開始リソースがドラフトだとか、研究レベルがあってあげると色々いいことがあるとか、そもそもプレイヤー非対称能力を持つ上位ルールがあるとか、パッシブ能力を得ることができるとか、ラーメン屋のスープのごとく古今東西のあらゆるゲーム要素をぶち込んで生み出された一品。


よく考えられているなと思うところが、衛星ステーション拡張の「建築」アクション周りと、すでに置かれているワーカーの数に応じて得点が入る「コマンド司令」アクション。

建築は場に並んでいる6枚のタイルからしか行えませんが、建築した瞬間にそのタイルを実行できる上に、勝利点や追加リソースをもらえたりします。

なので基本早い手番の方が有利になりますが、建築できるタイルは自動では補充されず、補充アクションを実行する必要があります。

補充アクションはそれまでにどれくらい建築されているかと、補充アクションを実行したワーカーの胴体で得られる資源が多くなり、後手番の方が有利です。

また既に置かれているワーカーの数に応じて得点が入る「コマンド司令」アクションも、中盤以降は20点~30点をたたき出す強力アクションになり、やはり後手番が有利になっています。(状況によるところが大きいですが)

このように、ワーカープレイスメントが先手番有利なところを1つ1つ地道に調整しようとしているところが非常に「あぁ、考えられてるなぁ」と感じます。


一方でワーカーを増やす方法が研究レベルを上げるしかなく、研究レベルを上げるアクションは基本に1つ、建築するスペースに1つで圧倒的に足りず、序盤は研究レースになるところはどうにかならんかったんかなぁと思うところです。

まぁ、他のワーカーをぶん殴って追い出す胴体をくっつければだいたい解決するんですけどね。やはり暴力!暴力はすべてを解決する!


ワーカーを実験材料にして切り刻む育てる楽しみと、先手有利でグダグダ言わさないゲームが進めば進むほどダイナミックに点数が入ってくる仕組み、ユーロゲームとアメリトラッシュが悪魔合体したような本ゲームは、多くの人が魅力を感じられると思います。

TMGがボドゲ事業から撤退して、手に入る機会が少なくなると思われますので、機会があれば是非プレイしてみてください。

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山本 右近
GoNz_Games
まじー
仙人
sopra
sopra
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