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  • 1人~4人
  • 60分~120分
  • 14歳~
  • 2023年~

アムリトサル:ザ・ゴールデン・テンプル荏原町将棋センターさんのレビュー

526名
8名
0
6ヶ月前

ロンデル+マンカラの重ゲーです。

コンポーネントだけでも愛着が湧きますが、内容も、緻密な戦略が必要なゲームです。

このアムリトサルは、「VPは明確だが、一手が重く、何をしていいか分からない」タイプの重ゲーです。

↑  ゲーム終了時。黄金寺院は、池の中央に完成する。


手番ではまず、自分の象を移動させます。その後、マンカラを行います。

東西南北の4辺にそれぞれ1つずつの象スペースと、それぞれ2つずつのマンカラスペースがあります。つまりロンデルは4つの輪で、マンカラは8つの輪です。マンカラスペースのワーカーの最大容量は4人。

東西南北の4辺には、それぞれ3種類のアクションタイルがあります。タイルには、メインアクションと一色の色(副)アクションが書かれてあります。

マンカラをして、タイルのメインアクションと、そのタイルの色と同じ色のワーカーであれば、副アクションもできます。また、自分の象がいる辺であれば、象アクションもできます。

ワーカーは4色16人。アクションタイルも同4色で、内容の系統が決まっています。

青…資源を貰う

黄…お金を貰う、マーケットで資源の売買をする

白…知識トラックを進める

緑…個人ボードをアップグレードする、マホートをする

象アクションとは、3種のメインアクションのうち一つをもう一回行なうか、またはマホート(象使い)アクションをすること。マホートとは、個人ボードに構築していくアクションタイルのことで、4色分つまり最高4つまで増やせます。スタート時は「寄付」アクションのみとなっています。

手番の最後に、「パイオニア」や「セイロン」などで使われた「変則バリアブルフェーズオーダープラスアクション」(フォローアクション)を他プレイヤーに聞きます。即ち、マンカラのアクションに使ったワーカーの色と同じマホートを持っているプレイヤーだけが、その色のマホートアクションができます。


以上が、一手番に行なうことです💦慣れるまで大変です。

そこで、慣れるまでは、

『3アクションできるようなマンカラを構築する』

ことだけを考えて進めるのがオススメです。初めから最善手を見つけようとすると疲れます。一手で3アクションさえキープできれば、戦略はともかく、自然とVPが取れ、手数が多ければ拡大する、ということが実感できます。

具体的な考え方として…

まず、象をどこに動かすか。これは、基本0マスか1マス、ということになります。象は、1マス移動は無料ですが、その先からはコスト1金が掛かります。さらに、象とともにマハラジャも周回していて、このマハラジャを追い越してしまうと、第1ディケイドなら−1VP、第2ディケイドなら−2VP、第3ディケイドなら−3VPのペナルティを受けます。なので、基本2択と考えます。

象が1マス先か今の場所かに絞られるので、「3アクション」を目指すためには、そのどちらかの辺にマンカラを持って行くことになります。なおかつ、副アクションができるようにワーカーの色を合わせます。この順列、組み合わせは、それほど無いのですぐ決まりますが、副アクションした色で他プレイヤーがマホートのフォローアクションできてしまうことも考慮に入れないといけません。途中に置いて行くワーカーの色だって、厳密には大事です。

いずれにせよ、これで3アクションができます。


手番が一周したら一ラウンド。マハラジャ駒が1マス進み、4辺一周したらディケイドと呼ばれる10年が終了します。3ディケイドでゲーム終了。フレーバー的には、マハラジャは、この黄金寺院の再建に30年掛けたそうです。

手数は一人12手番しかありません💦何も考えずにマンカラをすると、手数が増えないのです。こんなに考えるゲームやってられるか!となりますが、実は、見えている大きなVPは、

終了時VP…個人目標タイル

途中VP…寄付VP

だけです!ここがスゴくて、一手一手難しい割りには、目標が軽ゲー並み…

正確に言うと、終了時VPは、個人目標タイルの他に、知識トラックVPがあります。知識トラックは3本あり、それぞれ一番上のゴールまで辿り着けば、「残金がそのままVP」「残った資源の数がそのままVP」「ゾウの背中に残った寄付キューブの数がそのままVP」という、いわゆる「雑魚点」の集まり。(これも珍しいですが)。なので、初めから狙う必要はありません。

個人目標タイルは一人4枚あり、ABCD各タイプの目標を全プレイヤー非公開で持っています。しかし、A、C、Dタイプはどれも寄付に関する条件で、唯一Bタイプだけが、知識トラックをここまで上げろ、などの知識トラック条件になっています。

というわけでこのゲーム、とにかく寄付すればいいのです!

ただ、3本の知識トラックは、1マス上がるたびにお金や資源などのミニボーナスが貰えるので、結局はBタイプも狙いますが…


そのメインの寄付VPですが、東西南北4地区の池の中に寄付キューブが置けるようになっています。黄金寺院再建の資源を寄付しただけで以下のVPが貰えます。

1階(レベル1)…1VP(コスト1大理石)

2階(レベル2)…2VP(コスト1銅1大理石)

3階(レベル3)…4VP(コスト1黄金1銅)

4階(レベル4)…6VP(コスト2黄金)

寄付は1階部分から行なうピラミッド方式で、寄付した階の下に繋がっている寄付キューブの持ち主もついでに1VP貰うことができます。

また、各ディケイド終了時に、東西南北それぞれの地区で寄付キューブのマジョリティ決算をします。マジョリティVPは、方向ごとに1、2、3、4VPがすでに公開されています。

寄付アクションは、マホートアクションで行ないます。全プレイヤー、マホートタイルの1枚目は寄付アクションなので、象アクションをするか、マホートアクションにマンカラを当てるか、あるいは、他プレイヤーの手番のフォローアクションをするか、という3つの手段があります。

しかし、さらに条件として、コスト資源を持っていないといけないし、象の背中の上に寄付キューブが用意されていないといけません。

寄付キューブの補充は、マーケットアクションとアップグレードアクションによってできます。マーケットアクションは、お金と資源の間で自由に売買するもので、何かしら売るか買うかすれば、寄付キューブを1つ得ます。アップグレードは3種類あり、

倉庫の増設(コスト1大理石)

個人目標タイルの増設(コスト1銅)

マホートの増設(コスト1黄金)

で、どれをアップグレードしても寄付キューブを一つ貰えます。ただ、税金が1金増えます。税金は各ディケイド終了時に支払い、足りないと1金につきマハラジャペナルティと同じVPを払うことになります。

倉庫の増設は、保管するお金と資源を置く場所なので、何回かのアップグレードは必須ですが、公開されている倉庫タイルは、即時効果や永続効果付きなので、これを目当ての早取りとなります。

個人目標タイルは、前述したように終了時VPとなりますが、条件を整えても、個人ボードに設置しなければVPは起動しません。したがって、(条件を諦めるタイルは別として)、全4回の目標アップグレードは必須とも言えます。

マホートの増設は一番悩ましいです。マホートの種類を増やすメリットは、まず自らマホートアクションをした時に、寄付以外の選択肢が生まれること。寄付できない時に寄付アクションの機会が来ても意味がありませんから。また、フォロー時の色の当たる確率も高まるので、総アクション数が増えることになります。ただし、コストは黄金です。

↑  システマチックな個人ボード。右上がマホート、その下が3本の知識トラックと税金トラック。左が倉庫、下が個人目標タイルだ。ボードの外。個人目標タイルの中身はこんな感じ(本当は公開しない)。アップグレードで嵌め込む時も裏のままだ。その右にあるのが、まだ未使用のマホートタイル。今、一番左の知識トラックを上げて、ボーナスとして、左上にある「象移動トークン」のロックが解除された。このトークンを使うと、ゲーム中に1回だけ象をワープさせることができる。


考察

◾️序盤は、まずは、倉庫のアップグレードを急ぎたい。それには、3アクションの中に、大理石を貰うアクションを必ず含めたい。これにより倉庫のアップグレードだけでなく、いつでも象アクションで、1階の寄付アクション(マホート)ができるようになる。

◾️マホートのアップグレードは、プレイ人数にもよる。4人プレイなら、早めのマホート増設は強い。フォローの回数が単純に多くなるので、ついでのアクションをできる確率も非常に高くなる。2人プレイなら、マホート増設を全くしないで(寄付専用で)がんばる戦略もある。

◾️象ロンデルもマンカラもマハラジャも、全て同じ時計回り。ということは、自分の象は、常にマハラジャ駒の前にいれば安全だ。ただし、マハラジャに追い抜かれてしまうと、VPを失う以外、象の自由度が無くなってしまう。これだと「一手3アクション」の原則が難しくなる。特に終盤の−3VPは痛い。

◾️マンカラも、「一手3アクション」したいのにどうしても象の辺まで届かない時がある。そういう場合は、マンカラの最後に配置するワーカーを、配置するべきスペースに、代わりに1金を置くことによって、1スペース先にスキップすることができる。この「1金スキップ」を使って強引に「一手3アクション」を達成することができる。(それでも届かない時は諦めましょう)。ちなみに以降のプレイヤーは、マンカラの始発か終点に合わせてこの1金を取ることができる。

◾️個人目標タイルの増設は、後回しだ。ゲーム終了までに設置すればいいわけで、急ぐ必要は無い。ただし手数が足りなくなって4枚置けなくなったら最悪だ。銅だけは用意しておき、第二ディケイドあたりから暇な時に置いていこう。

◾️アップグレードにより高騰する税金対策には、お金に関する知識トラックを上げて行く。途中で、「税金−1金」というボーナスを通るので、これを2つぐらいは通過しておきたい。また、このトラックの終了時VP「残金がそのままVP」は、黄色のアクションタイルを踏めば簡単に倉庫がお金だらけになるので、終了間際に資源を一気にマーケットアクションで換金する手がある。倉庫の保管場所が沢山あれば、大量点が構築可能だ!

↑  例えばここで灰色プレイヤーの手番だとする。灰色の象は、マハラジャ(赤い駒)がいるのでそのまま東で動かないことにした。そして知識トラックを進めたいとする。それは即ち、東にある白タイルアクションとなる。ここへ白ワーカーを持ってくればいい。ところが北にある2人の白ワーカーは、4人組なので、4マス進み、東を通り越してしまう。そこで、現在西にいる白と青の2人をマンカラすることにした。まず、青を次の西スペースに置き、白を北スペースに置くことになるが、そこで1金スキップを使い、1金を置き、次の北スペースは4人満員なので飛ばし、ギリギリで東のスペース(緑ワーカーの横)に移動できた。これで、3アクション(お金に関する知識トラックを進める、任意の知識トラックを進める、象アクション)ができる。3アクション終わったら、今白ワーカーがアクションしたので、白のマホートを持っている他プレイヤーは、時計回りに白マホートアクションを行なう。これで灰色プレイヤーの手番が終了。


たまに現れる頭フル回転系重ゲーです💦

一手番で、ロンデルしてマンカラしてバリアブルフェーズオーダーをすると、そりゃあ難しいですよ…

ただ、「自己アクション装置」のマホートを始めとする、大量のアップグレード群は非常に気持ちがいいです。拡大生産が実感できて、楽しいです。税金やマハラジャを追い抜くなというペナルティも厳しくて面白いです。

可愛い象や淡い色合い、幻想的な風景デザインも、なんか、全てを許してしまいそうです笑

何しろ、「寄付するだけ」ですからね!



※ レビューにご感想・ご不明な部分等ございましたら、ご遠慮なく下にコメントください🙂

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