- 4人~14人
- 5分~60分
- 7歳~
- 2018年~
解き狼Layton1995さんの戦略やコツ
GM(クイズ出題者)の進め方、主要な役職の戦略について考察したいと思います。
実際に出題したクイズの内容と展開、役職ごとの立ち回りについて紹介します。
【出題例】
※正答は画像内にあります
第1問
1914年、第一次世界大戦が勃発しました。
同盟国で参戦した国はドイツ、オーストリア=ハンガリー、ブルガリア、残り1カ国はどこでしょう?
※村陣営8名は全員不正解
第2問
森鴎外の小説「舞姫」で、日本から来た主人公は美しい碧眼のドイツ人女性と駆け落ちをします。
その女性の名前は何でしょう?
※村陣営8名は不正解
※この日、インチキが追放される
第3問
直近30年(1994年以降)以内に発売されたボードゲームで、世界販売数がNo.1のタイトルは?
※村陣営7名は4名が正解
※この日、無知狼が追放される
第4問
日本人女性(成人)の平均身長は?(1cm単位で)
※村陣営6名は1名のみ正解
※この日、ただの謎好きが追放される
第5問
2つのダイスを同時に振って、出た目の合計が7となる確率は?
※村陣営4名は2名が正解
※この日、ただの謎好きが追放される
第6問
海に面していない都道府県は全部でいくつ?
※村陣営2人は不正解(2人ともニアピン)
※ただの謎好きが追放され、狼陣営の勝利
【出題の意図等】
11人村、狼2インチキ1騎士1謎好き7の配役です。
ゲームバランスは狼陣営にとって厳しいと感じたため、狼が有利になるような出題からスタート。
難易度が高く、誰が正答か分からない時は、解き狼、無知狼ともに手がかりがなく狼陣営にとって有利になります(後述)
【第1問】
正答はトルコ(オスマン帝国)です。
正答率は低めの予想で、1人正解すればいいくらいに思っていましたが、正解はいませんでした。
誤答として多かったのはイタリアとロシアです。無知狼やインチキ(誤答を書く場合)の立ち回りとしては、イタリアやロシアといったそれらしい誤答を回答しつつ、1人しかいない誤答の謎好きを吊るよう誘導できれば理想的です。
残りの3ヵ国はすべてヨーロッパの国です。誤答の方針や話を誘導する方向性は自ずと決まってくるでしょう。
余談ですが、イタリアは当初ドイツと同盟関係にあり参戦すべき立場だったものの、オーストリアと領土対立があったことから参戦を見送った模様です。
【第2問】
正答はエリスです。
第1問同様正答率は低めの予想で、1人正解すればいいくらいに思っていましたが、正解はいませんでした。
最も正答に近い村陣営の誤答はエリーゼでした。
なお、「舞姫」は森鴎外本人の留学時の体験をもとに書かれたとされており、女性の名前はエリーゼだったようです。
舞姫の結末が嫌いな人が多いですが、森鴎外本人がエリーゼと結婚できなかった理由は、社会通念上の問題(家族が決めた縁談相手と結婚するのが一般的)で断念したというものです。
森鴎外は帰国後、21歳だったエリーゼに1等客船のチケットを渡していて日本で会っています。
全てを投げ出してでも、自分の愛する人と生涯を共にしたかったという後悔から生まれた作品かもしれません。
【第3問】
正答はカタンです。
ボードゲーム好きで集まって解き狼をやっていたこともあり、正答率は高かったです。
共通の趣味や属性(年齢など)があるメンバーで解き狼をするときは、それにまつわる問題を出すと盛り上がると思います。
カタン(1995年発売)は、累計3500万個以上販売されました。モノポリー(1935年発売)は、発売から2億5000万個以上販売されたとされていますが、今回は30年以内に発売されたボードゲームという条件があるため対象外です。
無知狼は宝石の煌めきと答えていて、カタンからずらした回答とみなされ、怪しまれて追放されてしまいました。
【第4問】
正答は158cmです。
令和元年の調査では20代女性の平均が157.5cm、30代女性の平均が158.2cmとなっています。
「昔と比べると伸びている」という指摘があり、1910年の調査で140センチ台後半、1950年の調査で150センチ台前半だったようです。
なお、正解したのは女性でした。女性の方が正解しやすい問題かもしれません。
【第5問】
正答は1/6です。
先ほどのカタンや街コロをよく遊ぶ人なら、知識として知っているかもしれません。
確率の問題として解く場合、2つのサイコロを区別すると目の出方は6×6=36通りで、そのうち出目の合計が7となるのは(1,6)(2,5)(3,4)(4,3)(5,2)(6,1)の6通りです。
したがって、答えは6÷36=1/6となります。
【第6問】
正答は8です。
栃木、群馬、埼玉、山梨、長野、岐阜、滋賀、奈良が海なし県となります。
誤答の2人はいずれも7でした。既に吊られた人も7と答えている人がいて、滋賀を忘れていたみたいでした。
ここで、解き狼がインチキCOして狼に名乗り出てもらうよう要請しました。ややリスクのある行動でしたが、2人の分裂を狙い見事勝利しました。
以降は、各役職の戦略について考察したいと思います。
【クイズ出題者】
プレイヤーのみんなに楽しんでもらうために重要なのは、どのようなクイズを出題するかです。
クイズの難易度から、予想されるゲームの進行について書きたいと思います。
①問題が簡単なとき
村陣営の半数以上が正解する時は、間違える人が少ないため無知狼が判明しやすくなります。
したがって無知狼が不利な状況です。簡単な問題が続くと無知狼はほぼ確実にバレますが、解き狼はバレにくいといえます。
②問題が難しく、誰が正解か分かるとき
村陣営の大半は正解できないものの、明確に正解を書いている人がいるとすれば、そのプレイヤーが解き狼である可能性が高くなります。
解き狼が言い訳するのは難しいでしょう。逆に、無知狼は見つかりにくくなります。
③問題が難しく、誰が正解か分からないとき
村陣営の大半が不正解で、誰が正解か分からない状況では、狼を探す手がかりがなくなります。
上の2つが狼陣営に不利に働くのに対して、この手の問題は狼陣営を有利にします。
以上から、バランス調整可能なゲームであることが分かるはずです。
配役やプレイヤーのスキル等を考慮してバランスを考えると、2陣営のうち一方が極端に有利になる状況は避けられると思います。
正体隠匿系推理ゲームのバランス調整の観点からいえば上記のような出題をすることで解決できるのですが、あまり極端な問題ばかりでは、クイズとして面白くなくなるかもしれません。
特に、①②に関しては推理するまでもなく解き狼と無知狼がバレます。できる限り避けた方がいいでしょう。
③については、推理ゲームとしてはそこまで悪くない出題ですが、あまり難しい問題が続くと最後まで正解できない村陣営が出ることもあるので、ある程度は解けそうな問題を入れた方がいいかもしれません。
【解き狼】
立ち回りが重要な役職です。
必ず正答を答えるため、いかにかき回すかが重要になることもあるでしょう。
ラストの3人になるまで残った時、自分はインチキであると騙って、他の2人の分裂を狙う立ち回りもあります。
【無知狼】
狼陣営ですが、クイズ要素も強い役職です。
ある人は、無知狼こそがこのゲームの醍醐味だと言っていました。慣れてくると楽しい役職です。
必ず誤答を書くため、「自分がただの謎好きだったらどんな答えを書いていたか?」を必ず予想してから回答しましょう。
明らかな誤答を書くと自分が無知狼であることがバレますが、正答を知った上で少しだけずらした回答をするのも怪しまれる可能性が高いです。
それらしく見える誤答を書き、誤答を書いているただの謎好きを解き狼候補に仕立て上げることができれば、かなりうまく立ち回っているといえるでしょう。
【インチキ】
必須の役職ではありませんが、入れることも多い役職です。
インチキの立ち回りについては諸説ありますが、ここでは初心者に向けて解説します。
初めてプレイしたのがインチキでした。インチキで一番重要なのは自分がインチキとバレないことです。
一貫して解き狼または無知狼のフリをすることで避けることができます。
無知狼の誤答については少しコツがいるので自信がない場合は解き狼のフリをし、自分が解き狼と疑われるよう誘導するのが一番分かりやすい戦略でしょう。
無知狼同様、慣れてくると楽しい役職です。
【ただの謎好き】
純粋にクイズを楽しむ役職です。この役職が一番楽しいという人も多いです。
立ち回りとしては、狼陣営は正しいことを言っている村陣営を襲撃したいと考えるのが自然なので襲われた人の発言を思い出せるようにしておくと陣営の勝利に役立つでしょう。
【その他】
狼2人でプレイする時、内訳は「解き狼+無知狼」または「無知狼+無知狼」となります。
ランダムに決めるのですが、自分は3枚の中から2枚を選んで役職を決めていますが、人によっては無知狼1枚を確定とし、残り2枚の中から1枚を選んで決めるようです。
自分の選び方では、解き+無知となる確率が2/3、無知+無知となる確率が1/3ですが、後者の選び方では、解き+無知、無知+無知のいずれの確率も1/2です。
GM経験がある方がどちらの方法でランダムな役職決めを行っているのか興味があります。
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