テイク・タイムkouhei oonoさんのレビュー

仲の良い家族やグループで遊ぶ、という前提で、素晴らしいゲームです。

特に、プレイ前の作戦タイムと、プレイ後の感想タイムが盛り上がります。時間をかけて楽しんでください。まさにテイクタイム！

同じ沈黙系協力ゲームである「花火」と比較してみます。

どちらも「ああっ、これ言いたい！伝えたい！」「うわ、どうしよう！」というもどかしさやジレンマが笑えてくるしおもしろいわけですが(仲が良くないとフラストレーションになります)、「花火」は後から共有することが難しいです。その瞬間、一部の人とは共有できる部分もあるので十分と言えば十分ですが。

あと、花火は「こうするしかないんだ…。ごめん！」という一回のごめんの重みが重くて、人によってはしんどいでしょうね。仲の良さが大事です。

そうならないために「こういうときはこうする」みたいな了解を共有する必要が出てきますが、雰囲気によっては「御奉行様が張り切ってらっしゃる」という微妙な空気になるかもしれませんね。

(なんか花火の批判みたいな流れになってますが、花火も素晴らしいゲームで大好きです)

テイクタイムは、そのあたりがうまく調整されたバランスの良い快作と言えるでしょう。すばらしいセンス！

一回一回がカードを数枚ずつ出せば終わります。まずどういう作戦で行くかという話し合いがすごく大事なのでそこで会話が弾むし気持ちも盛り上がります。そしてプレイ後も、「このときこうだったんだよ！」「そうそう、実は私も！」という再現がすぐできるので感想も盛り上がります。この時間を楽しんでください。まさにテイクタイム！(2回目)

私は家族でやってますが、娘の教育にも非常に良いと感じています。教育現場にもオススメですね。議論をうながすために中高生にやらせるといいんじゃないかなあ。大事なのは、この課題をクリアするためには…という提案をみんなが出し合えるかです。

あと、採用現場でも。人間がよくよく見えてきます。

似たゲームとして「ザ・マインド」が挙げられますが、これは飲み会でもやれるようなパーティーゲームです。家族親戚みんなでやるのにもすごくいいですよね。

「ザ・クルー」も近いです。どちらも完成度が高いです。トリックテイキングというジャンルそのものが持つハードルを越えた名作ですね。どちらが好きかは好みでしょう。(ちなみに2作目の新海バージョンの方が圧倒的にオススメ。両方は買わなくていいかな)

ボムバスターズは未プレイですが、こちらも似ているそうです。受賞して話題になっているけど品切れ中になっているボムバスターズの代わりに、と買った人もけっこういる気がします。そういう意味ではこれ以上ないタイミングで売り出されたと言えますね。

評価がけっこう高いので、入手困難になる可能性もありますね。ハーモニーズ(同じスタジオ)も、派手に宣伝されてないのにあとからどんどん評価が上がって品切れになり、再販されましたね。私は正直、どちらもそこまで期待は大きくなかったんですが、結果ものすごく気に入りました。今後にも期待です。

ハーモニーズと同じくじわじわ売れて入手困難になるんじゃないかなあ。最近のゲームとしては高くないですしね。