- 1人~4人
- 30分~150分
- 12歳~
- 2023年~
スレイ・ザ・スパイア:ザ・ボードゲームじむやさんのレビュー
1人用ゲーム「Slay the Spire」のボードゲーム化。デジタルはソロ専だったのが今回は協力プレイで複数キャラで塔に挑めるとあってすごく楽しみにしていました。ソロプレイと2キャラプレイしてみましたのでご紹介です。
概 要
デジタル版のSlay the Spireのボードゲーム化。様々な理由から「塔」に挑む4人のキャラクターから1人を選択し攻略していきます。
戦闘は全てカードで、それぞれ固有の初期デッキからスタート。道中敵を倒したりショップやイベント等でカードを獲得・破棄(圧縮)したり、レリック(特殊アイテム)を入手したりして自分を強化していきます。
エリアはレベル1~3の3つに分かれており、各エリアの最深部にはボスがいます。それを倒すことで次の階層に進めることができます。
【レベル1マップの最深部。ここに到達するとボス戦。ダイス目でランダムに決まります。また、マップは白と黒の空きマスがあり、ランダムにチップを配置するので毎回違った構成になります】
レベル3のボスを倒せばそのゲームはクリア。なお、それで終わりではなく、実績を解除していくことでデッキプールにカードを追加したり、制限付きプレイになったりと、飽きさせない仕様になっています。
目玉はやはり「協力プレイ」が可能ということ。デジタル版は1キャラを選択しての完全1人プレイゲームでしたが、本作は1人1キャラ×最大4人プレイができます。
コンポーネント
大量なのでざっくりとご紹介。条件達成しないと開けられないもの等は除きます。
デッキ構築ゲームなので、カード枚数は中々のもの。個別初期デッキ、個別通常カード、個別レアカード、各レベルごとの遭遇・召喚・イベント・エリート(強い敵)、状態異常や呪いカード等、さらに「ネオーの祝福」(ゲーム開始時のボーナスを示すカード)等様々。
アイテム類はTCGハーフサイズ。ポーションや各種レリック(ソロ用1枚含)も盛沢山。写真は後述の報酬のとこ参照。
トークン類:バフデバフにお金等々、インサートに綺麗に収まるようになっています。
ボード類:メインボード(レベル1と2・3の2枚)、商人(ショップ)ボードと敵のHP管理ボード、そしてプレイヤーボード4枚の構成。
ショップボード裏はサマリーです。
マット類:各キャラのプレイヤーボードを置くマットと各レベルごとのカードを置くマットの計5枚。
その他、各キャラのフィギュア1体ずつとマップマーカーの「ブーツ」駒等。付属インサートできれいに収まるようになっています。
※アンロック・アセンション分は別のところに保管中
ゲームについて(ざっくり)
自分のキャラとボード・固有デッキ等を準備して、「ネオーの祝福」カードのボーナスを適用後、レベル1からスタート。※ソロの場合は2ゴールドと専用レリック「イカサマダイス」を所持してスタート。
レベル1~3の3つのマップを踏破し、それぞれの最奥にいるボスを倒せばクリアです。誰か1人でもHPが0になったら敗北になります。
マップ移動は1人でも4人でも共通のブーツ駒で進み、下から上へ登っていきます。当然つながったマスに移動で、止まった場所のアイコンに従い処理を行います。
・遭遇(敵マーク):敵との戦闘になります。
・エリート(角付敵マーク):強敵との戦闘になります。通常の「遭遇」よりも報酬が良いです。
・イベント(?マーク):イベントカードを引いて内容に従う。いい効果悪い効果様々。
・ショップ(金貨袋マーク):ポーションやレリックの購入、デッキカード購入や強化・廃棄が可能。
・宝箱:レリックを1つ入手
・休憩(焚火マーク):回復又は自分のデッキ1枚を廃棄
遭遇(敵との戦闘)
これがデジタル版と大きく違う&ソロと複数人だと結構違いがあるのでざっとご紹介。
マップの横に丸が4つあり、自分のキャラのフィギュアを置きます。場所はどこでも可。順番で生じる影響はないです。遭遇が出た場合は敵カードを1枚引きますが、「1人1枚」順番に引いて自分のキャラの右に置きます。
さらに、引いた敵カードに「召喚」が描かれていたら、その敵カードを召喚の山札から探して、遭遇で引いたカードの後ろに並べます。
キャラのフィギュアが置かれていないところには「列」が存在しないため、敵の配置はありません。
なので、ソロの場合は遭遇1+召喚が横1列に並びます。(ボスやエリートはまたちょい違うんでカード情報要確認)
味方ターン・敵ターンの順で進めます。
①味方ターン
エナジーは3(ランタン等あれば3以上)、ブロックは0の位置にキューブを置き、デッキから5枚引きます。山札が切れた場合は捨て札全てシャッフルして新しい山札にします。
戦闘開始時に適応する効果があれば反映させます。
ソロの場合は専用レリック:イカサマダイスの効果も適用可能。
エナジーからカードコストを払いプレイします。
各カードプレイの順番は任意ですが、1枚の効果発動完了後、次のカードをプレイに移ります。
(アイアンクラッドで強打して弱体発動後に他のキャラで殴るとか、ノーガードになるけど続けてアイアンクラッドでストライクとか打ってもいい)
攻撃:1体のみへの攻撃なら任意の敵を攻撃可能です。
ブロック:カード効果により、自分又は他のキャラのブロック数を加算します。
ダイス効果のあるもの:誰か1人が付属の6面ダイスを振り、その値に応じて処理を行います。
バフ・デバフ:そのターンのみで終わるもの、上限はありますが持続するもの色々あり、デジタル版と扱いが違うので要取説確認。
全キャラエナジーがなくなるかカードプレイが終わったら終了。使ったカードと残った手札全て捨て札になります。
【このターンの動き】
・サイレントの無力化(0)で赤のスレイバー攻撃。ダメージ1と脱力効果
・アイアンクラッドの強打(2)で狂信者攻撃。ダメージ2と弱体
・狂信者にストライク(1)(アイアンクラッド1回、サイレント2回)で攻撃
・サイレント:サバイバー(1)でブロック2加算
②敵ターン
敵はカード配置時にブロックを持っているものもいるので、まず残っているものを全て取り除きます。
敵の攻撃は全体攻撃でない限りその列のキャラクターに向かいます。
攻撃パターンも「固定のもの」「ターンごとに変わるもの」「ダイス目で決定するもの」があります。
バフ・デバフは味方ターンと同様に各項目取説参照ですが、状態異常・呪い・めまいについては、対象カードをサプライから取って、影響を受けたキャラの捨て札に置きます。以降その戦闘中取り除かない限りデッキを圧迫したりダメージを負うことになります。
【このターンの動き】
・赤のスレイバー:出目1によりアタック2-脱力により1+めまい1枚をアイアンクラッドに。ブロック0のためダメージ1。終了後脱力トークンを除外する。
・狂信者:攻撃1+筋力。サイレントのブロック2から1へ。
・緑の寄生虫:出目1により攻撃1。サイレントのブロック1から0へ。
こんな感じで敵の多いサイレント前を先に処理したり、色々デジタルではできなかったプレイができます。
勝利と報酬
全ての敵を倒せば戦闘終了。「遭遇」カードの左上を参照し、報酬を獲得します。獲得しないことも可能。
カード:自キャラの山札から3枚公開して1枚を獲得。ゴールデンチケット(公開された場合レアカードが選択肢に)やアップグレード済通常カード、レアカードの別があるのでアイコンをよく確認。
ポーション:山札から1枚引いて取るか取らないか選択する。3つまで所持可能。所持上限に達している場合は先に誰かに渡す・捨てる・使うのどれかをやる。もしくは誰かに新しいポーションを譲ってもいい。
レリック:宝箱マーク。1枚引いて取るか取らないか選択。
ゴールド:描かれている数字分のゴールドを獲得。受け渡しはできないけどショップやイベントでの支払い時に肩代わり可能。
ボスレリック:ボス撃破報酬。ボスレリックの山札からキャラ+1枚分(ソロの場合は3枚)引いて、1枚ずつ獲得するかしないか選択します。
カードのアップグレード
イベントや報酬でアップグレード関連を選択した場合は、対象カードをスリーブから出して裏面にします。コスト減や威力増等色々。これもデジタル版に慣れていると効果勘違いしそうなのでよく確認。
【アイアンクラッド初期デッキのストライク。コストはそのままで威力が1から2に強化。できれば他のカードを強化したいところではある】
細かいところはありますが、流れはこんな感じです。
感 想
ひとまずソロ:アイアンクラッドでクリア後、そのまま2キャラプレイをしてみました。
全体として、細かい違いはありますが、デジタル版をよくぞここまで圧縮して再現したなと感服。再現性は非常に高いです。
ゲームバランス的には、単体だと普通ですが全体攻撃未所持状態で遭遇+複数召喚にあたるとちょっと辛いので、協力プレイ前提なのかなという印象。アップグレード済旋風刃あると色々便利。特にvsビャード3体。
2キャラプレイの方は、アイアンクラッド+サイレントでプレイ。ボディスラム+防御寄せでサイレント前の敵を先に捌いてからの毒プレイがいい感じにハマりました。こういうことねと。エリートとボスの体力は人数に応じて高くなるのでぬるくはないです。2キャラで効率考えてのプレイは非常に楽しかったので、MAX4人絶対楽しいと思う。実際に4人集まってやれる環境の方は是非にと思います。
コンポーネント類:ゲームで見たカードがそのまま現物でって感慨深いものがありますね。所有欲ががっつり満たされました。
実績解除:デジタル版と同様にアンロック(ボス勝利数+1個のボックスをチェックして、埋まった分の追加カードが使える)やレベル4(詳細はデジタル版参照)、デイリークライム(ルール変更プレイ)やアセンション(高難度モード)があり、さらに本作独自のルールとしてクイックスタート(レベル2以降からスタート)等ヴァリアントルールもあり、デジタル版プレイ済み・未プレイどちらでも楽しめるようにまとまっています。
気になったところは以下。
カード類の取り扱い:アップグレードはカードそのものを裏返す必要があるので、スリーブからの出し入れがちょこちょこ出ます。素のカードの質があんまりよろしくなかったので付属スリーブ使っていますが、早く痛みそうでちょっと心配。オーバースリーブの人とかどうしているんだろう。
個人ボードの取り扱い:バフ・デバフについて、共通分はトークン、味方にのみ影響のあるものはカードになっているんですが、ものによって戦闘終了時に抜いたり継続して所持したりとちょっと煩雑。デジタル経験済の人は問題ないとは思いますが。いくつかは個人ボード上でキューブによるパラメータ管理でもよかったかなと思うところ。
あとパラメータとしてはHPは1マスずつ割ってあるのに、エナジーとブロックは1本。どうせならHPと同じようにずれないよう割ってほしかったかな。
インサート:収納はぴったり。トークントレイもいいサイズ。ただ、収納特化なのでプレイ時に取り外しできればなお良しでしたね。
ということで、私はデジタル版経験済(全キャラA20Hクリア済)ですが、デジタルとは違った楽しみがあり、まだ2キャラかつ最初の部分しか触っていませんが、満足度は高いです。現物所持できてテンション上がりました。
未プレイの方におすすめできるかはわかりませんが、少なくとも経験者かつ複数人プレイ環境があれば是非プレイしてもらいたいところ。
もちろんソロでも楽しいです。完全ソロ=デジタル版でもいいんじゃないかとは思いましたが、やってみると再現性の高さとアナログならではのプレイ感は格別。2キャラ使ってのプレイもできるので差別化はできてます。
総じて非常に満足度の高い作品でした。デジタル版のプレイ時間を考えると、今後はある程度段階飛ばして全員アンロック+レベル4プレイできるよう回したいですね。しばらくはこれメインで遊びそうです。
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