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  • 1人~2人
  • 45分~90分
  • 12歳~
  • 2022年~

オラニエンブルガー運河winterkoninkskeさんのレビュー

536名
13名
0
約1年前

オラニエンブルガー運河は、工業地帯に見立てた個人ボードに建物を配置し、周りに運河や線路を築くことで建物能力を発生させながら自陣を豊かにマネジメントしていく、二人専用のワーカープレイスメントゲームです。

ゲームは複数のラウンドを繰り返し、終了フラグが立ったところで最終得点計算をして勝敗を決めるタイプです。

ラウンドでは、スタートプレイヤーからアクションボードにディスクを置きます。そこで決められたアクションを行うことができ、解決したら相手プレイヤーの手番になります。これを5ターン(つまりスタートプレイヤーは3回、相手は2回のアクション)行ったら、ラウンド終了時処理をしてスタートプレイヤーを交代し、次のラウンドに移ります。

リソースは基本資材3種+上級資材2種を、資材ボード上で管理します。中心の針を反時計回りに動かすと、「基本資材を一つずつ減らすことで、上級資材が一つずつ増える」というギミックを持っています。(写真は置き方を間違えたので参考程度に)

プレイヤーは貴重な上級資材を得るために、基本資材を増やし、金を払って針を動かしたり、建物効果で収入を得たり、ラウンド終了時に無料で針を動かすボーナスを貰いながらリソースマネジメントを行います。

アクションの種類は主に四つ。

・置いたスペースに対応した基本資材を獲得

・建物カードの列から一枚選び、コストを払って自分のボードに設置する

・4種類からなる運河などの経路を自分のボードに設置する

・建物と建物の間に橋を架ける

基本資材の獲得以外のアクションは、全て資材を消費して任意で実行するタイプのアクションです。よって、資材獲得のアクションだけでは圧倒的に資材不足になってしまいます。

ではプレイヤーはどう収入を得るか。本ゲームの最も重要な収入源が、「建物効果の発動」です。

建物効果を発動させるには、「建物周囲の経路を全て埋める」か「橋を二つ架ける」の二通りがあります。

言い方を変えるとゲーム中に二回しか発動せず、条件を揃えるのにも多くの資材を必要とするため、とても困難な条件と思って下さい。

しかも建物効果は、ほとんどの場合、発動条件に段階があり、「条件を整えればより多くの利益が得られる」という性質を持っています。

プレイヤーは、アクションボードだけでは足りない資材を補うために、建物効果を必死で発動させます。しかし待てばより大きな効果となる発動をいつまで待つのか。目先の必要性の高い効果と、長期的により高い効果を育てるかの選択のジレンマが、常にプレイヤーを悩ませます。

このように、根幹にあるのは建物の効果と発動の管理です。

これだけで相当な考えどころがあり、基本的にはずっと自分の個人ボードとにらめっこするゲームです。とはいえ、インタラクションもかなりあります。

建物効果をより強い状態で発動させるため、しばしば「運河」と「線路」の経路をたくさん要求されるのですが、これを置くアクションが行えるのは1ラウンドで片方のプレイヤーが2回だけ。

これは相手も同じ状況なので、7つしかないアクションスペースはどうしても被る。やりたいアクションを最短距離で辿るためには、少し早めに目的を切り上げ、いわゆる「最大出力」を割り切って、相手より先にアクションを行う勇気も必要になります。

インタラクションはこれで必要十分という感じです。ただでさえ5枚くらいの建物を同時に管理する展開になるので、相手の動きは程々に牽制しつつ、メインとなる個人ボードに集中させてくれやすいバランスが整えてあるように感じました。この辺りのバランス感覚は、さすがウヴェさんすげぇよ…ってなりました。

本作は、読み込むのに時間と体力が要るテキスト系のカードを廃してアイコン化し、パズル要素のある経路の配置も極限までルールを削ぎ落とし、全て「建物効果を二回発動する」という単純な行動の中に収束させています。そのたった二回をどこで、いつ行うのか。横に広がった複雑さはなく、ただ深く深く一点を追求していくのです。

また、思い切って二人プレイ専用という形にすることで、インタラクションを煩くない程度に抑えています。建物カードはゲーム毎にランダムにし、種類を三段階に分けて後半になるにつれ開示していくことで、プレイヤーはずっとずっと先の展開を読む難しさから解放されて、中期的な戦略と新たに出てきた建物をそれまでのプランから即応力で利用する、中量級くらいのゲームとして楽しむことが出来るようになっています。

たったひとつのルールに様々なドラマを生み出すような展開を埋め込む、まさしく超洗練された本来のユーロゲーム。このようなゲーム性を目指して作られたように感じます。

それでもゲーマーズゲームと呼べるシロモノなので、100%を楽しみたいのであればやはり中〜上級者同士で遊ぶのが最も輝く作風でしょう。

ただ、あまりゲーマーズゲーム慣れしていない人でも、決まったラウンド数が存在しないルールになっているため、ゆっくりと建物効果を狙うスローな展開にできるのも強みです。少し時間はかかりますが、単純に発展型ゲームとしてガチガチになりすぎず、自分の領地の成長を楽しむ事もできる器の大きさも持ち合わせています。

ゲームが上手い人も、まだあまり慣れない人を誘ってみても良いと思える、個人的に大当たりの作品でした。

唯一の欠点はアイコンが非常に覚えづらい点で、二回目くらいではプレイミスも無くなりません。この辺りに慣れが必要なのは本当に惜しいところです。

リプレイ性は、建物カードが拡張込みでA〜Fデックの各60枚、計360枚が用意されており、十分すぎるほど十分です。(日本語版はテンデイズゲームズが本体+拡張2種のセット販売のみを流通しているので、実質1つのゲームです)

コンポーネントは、資材を専用ボードで管理しているためメイン資材は必要最低限です。

しかし経路タイルがどっさり、金や橋コマも少なくないので、二人用としてはかなりボリュームのある内容かと思います。リソースを管理するトレー類は用意しておいた方がいいでしょう。


「あれだけ傑作と呼ばれるもの作ったのにまだ傑作出すの?」って感じですね。ほんと懲りないおじさんです。

とても美しく洗練されたゲームなので、全ての要素を無駄なくプレイヤーに使ってもらえるようになっています。熟練者なら、尚更自分のプレイにも無駄が出ないよう究めたくなるのではないでしょうか。

初心者から上級者まで、是非とも挑戦してほしいタイトルです。

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