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  • 2人~4人
  • 30分~60分
  • 10歳~
  • 2022年~

モエステイロ荏原町将棋センターさんのレビュー

281名
6名
0
1年以上前

コスタ&ローラの最新作!

大小2種類のダイスプレイスメント。

前作の「ドンピエール」が「普通」だったので、少し心配だったのですが笑、やはりこの人(達)の作品は奇抜で目新しいです。


まずは労働トラックの順番で、王タイルを取ります。これは固有能力。と言っても、石を1個貰うなど、超簡単な処理です。

全員ダイスを振り、手番では、大ダイス(3の目ダイス)1個と小ダイス2個、計3個あるダイスを一つずつプレイスしていきますが、先ほどの王タイルの番号で、まず早速、手番が入れ替わっています。

プレイスするスペースは5種類。

1  森…木材を得る。食糧トラックを進める

2  村…木材や石を払い、VPを得る

3  採石場…石、まぐさ、柱を得る

4  建設現場…石細工タイルを得る、建築トラックを進める

5  ステンドグラス…ステンドグラスタイルを得る


ダイスは第三ラウンド、小ダイスが1個増え、4個体制に。第四ラウンドで小が大に変わり、最終第五ラウンド、小ダイスが1個減り、再び3個体制となります。


まずはダイスを配置だけしていきます。ダイスは、アクションスペースに、コスタ&ローラお馴染みの「昇順」に並べていきます。例えば先に2の目が置かれていても、1の目のダイスを置けば、小さい順に並べ変わるので、アクション時の手番が先になります。同じ目の数を置く場合は、順番は逆転しませんが、大ダイスを置いた場合に限り、小ダイスより先になります。このように、各スペースでのアクション順も、配置するたびに変わっていきます。

そして全て置き終わったら、先ほどのスペース1→5の順番にアクション処理をしていきます。

ダイスの目が小さければいいかというと、そうではなく、ダイスの目自体がAP(効果値)を表しているので、やはり各スペース、ダイス目が大きい方がいいです。

ダイス目は、労働トラックを後退させれば、戻したマスの分、目を大きくすることができます。(小さくすることはできない)


フェイズの最後に、4枚の建築タイルから各1枚を選びますが、ここでも、建築トラックの進み具合でアクションする順番が変わります。タイルに書いてある資源を支払い、VPを得ます。ここで面白いのは、全ての資源を満たしていなくてもVPが貰えることです!

つまり、部分点です。全て満たしたVPよりも勿論低くなりますが、払った資源一つにつき3VPが貰えます。

建築タイルからVPを貰う時は必ず、部分点であっても、建築トラックが1〜5マス後退します。

最後に、4枚の建築タイルを、選ばれなかったものも含め、裏返します。裏は絵の一部になっていて、大聖堂建設予定地に置いていきます。(これは、省略してもゲームに影響はないフレーバー的行動です)

↑ Iスペース「森」、IIスペース「村」、Ⅲ採石場。赤い丸が効果値コスト。例えば、森にダイス目6を置いたとする。このままなら木材6本の仕入れが可能。しかし目が大きいので、6より小さいダイス目を2つ置かれると、アクション順は3番目に落ちる。すると、木材1個分の効果値コストは2となり、最高でも3本しか貰えなくなる。それならば悔しいので、食糧トラックを下に3マス進めておくか…と、予定変更を余儀なくされる。


全5ラウンド。20枚の建築タイルによりダヴィトーリア大聖堂の姿が完全に見え、終了です。

大きなVPは、建築タイル(MAX22VP)、村タイル(MAX8VP)、そして終了時VPの石細工タイル(3種)とステンドグラスタイル(2種)によるMAX5種類のセットコレクション(5種25VP、4種16VP、3種9VP……)

この3つに、もう一つ、終了時、労働トラックの進み具合(MAX9VP)からもVPが入ります。

戦略は、はじめの3つ、建築タイル戦略、村戦略、セットコレクション戦略です。

↑ Ⅳ建設現場、Ⅴステンドグラス、中央にあるのが建築タイル、その上にあるのが建設予定地で、一番上にあるのが労働トラック。一番下に写っているのが王タイル。ジョアン1世(労働トラック+1)、アフォンソ5世(+3VP)、ドゥアルテ1世(+1石)、ジョアン2世(+1まぐさまたは+1柱)、ジョアン3世(建築トラック+2)、マヌエル1世(一番最初に建築タイルを選べる)


ポイントとしては…

■うっかりし易いのが、前ラウンドで石を使い切ってしまうこと。すると何が起きるかというと、次ラウンド、Ⅰで木材を取っても、Ⅱの村が先に来てしまうので、コストの石が払えず、パスとなることもある。(パスだと労働トラック2進むが…)。Ⅲが石となっているので、村VPを貰うには、石をいくつか残していないといけない。(あるいはドゥアルテ1世を取る)

■王タイルの中で、中終盤重要となるのはマヌエル1世。確実に大きなVPの建築タイルを取るために建築の一番手となりたい。建築タイルの必要資源を折角集めても、先にカットされてしまうことがある。アブストラクトなので、お互いどのタイルを狙っているか分かるので、部分点でカットする(される)手はいつでもあり得る。

■その意味で、建築タイル戦略は、一点狙いとなるとマヌエル1世の庇護が無ければ難しく、その点、村戦略の方が確実性がある。村戦略では、先に食糧トラックをMAX近くまで進ませ、VPをある程度大きくする。そのためには、森では木材を拾わず、序盤は食糧トラック優先だ。

■セットコレクション戦略は、石細工・ステンドグラス5枚を綺麗に揃えるのは難しいので、序中盤は被ってしまっても構わないつもりで取っていくしかない。はじめから、もう一セット、つまり2セットのセットコレクション25×2=50VPを狙おう。

■このゲームで一番理想的な展開は、手番が早く、効果値が高いこと。しかしそれは二律背反で不可能。それを可能にするのが、労働トラックを犠牲にするダイス目操作。極端な話、ダイス目1で一番手を取り、アクション時に労働トラックを−5にしてダイス目を6にすれば最強なのだ。

■勿論それは極端だが、例えば、建築タイルのVPが部分点となり、それならパスする、という技がある。アクションをしないと、まず、建築しないので建築トラックを後退しなくて済む。また、労働トラック+2となるので、先程のダイス目変更の担保となる。VPが貰えるのにパスするなど、普通のゲームならまず考えられない構想だが、ダイス目の変更は中終盤非常に役立つので、労働トラック+2は損にならない。


ダイスプレイスメントとAP効果値をセットにしたシステムが、ルチアーニを筆頭に、最近のユーロゲームに散見しますが、この「モエステイロ」は、捻り出したようなトリックで、新鮮味がありました。イメージとしては、「バスコダガマ」に似ている感じです。

建築タイルは終盤、20VP前後の大きなVPが続々と登場します。相手に取られないように、とにかくカット、カット…していかないと自分の道は拓けません。手番順を操作したり、相手の作戦を阻んだり、アブストラクトの頭脳戦です。テーマやデザインも素敵ですよ。



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