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  • 2人~4人
  • 60分~120分
  • 12歳~
  • 2016年~

ロレンツォ・イル・マニーフィコさたもとさんのレビュー

730名
6名
0
約6年前

1 概要

各自4つの駒を持ち、ラウンド中やることは手番ごとにその駒をメインのボード上に置き、すぐに処理を行うという非常にシンプルで直球なワーカープレイスメントゲームです。その4つの駒のうち、3つの駒にはそれぞれ対応したダイスが存在し、ラウンドの最初に3つダイスを振って、ラウンド中のそれぞれの駒の強さ(数値)を決定します。残りの一つは常に強さが0の駒です。


 ボード上にはワーカーを置くことのできる場所があるのですが、主に5つの場所に分かれています。
 1番メインとなるのはボードの半分以上を占める塔のエリア
 ここには発展カードと呼ばれるカードが1つの塔につき4枚配置されます。(毎ラウンド入れ替わり)  それぞれ、領土、人物、建物、事業を表しており、緑、青、黄、紫であらわされます。欲しいカードの横にあるマスに駒を置けばカードが取れるわけですが、4つのカードは1、3、5、7という4カ所のエリアにそれぞれ配置されて、それ以上のダイス目を持った駒でないとマスに置けないようになっています。それ以下のダイス目の駒で取りたい場合は紫色の使用人駒を追加で払うことによって、出目を修正し置くことができるようになります。
 さらに、他の駒が既に置こうとする塔に置かれていた場合は、追加の3金が必要になるというルールもあり、どれをどれくらいリソースを突っ込んで、どの順番で先に取るべきなのかというワーカープレイスメントの醍醐味が味わえます。また、一度自分の駒が入った塔には、0の駒以外は入れない制限もあるので、2枚以上同じ色が欲しい時は使用人駒もさらに重要になってきます。
 もちろん、カードにはそれぞれコストが設定されているので、そのコストも払うことのできるように資源のやりくりも必要となっています。


 2つ目は生産と収穫のエリア、先程触れた発展カードの中でいうと、領土から資源をとるのに収穫、建物から勝利点や信仰点、お金など様々なものをとるために生産という感じで使います。それぞれのカードにダイスの目が書いてあり、エリアに置いた駒のダイス目以下のカードの効果を全て適用する形になっています。ここでも足りなければ、使用人駒を使って補正することが可能です。
 ただし、本当にダイス目の通り効果を得られるのは、それぞれ最初の一コマだけ、他の人は横にある広いエリアに置くことになるのですが、ここではダイス目を常に-3する補正がかかってしまうのです。当然強力な効果を持つカードには高い出目が適用されるので、ここも先取りの駆け引きが試されます、どこまでも先取りのゲームです。


 3つ目は、市場。様々なリソースを駒を置くことで手に入れることができますが、どのマスも先着1名様…、やはり、先取りです。やることなすことに相手が気になるゲームですね。


 4つ目は地味な場所ですが、次のラウンドのスタートプレイヤーを決める場所になります。どのプレイヤーのコマでもいくつでも入ることができ、最初に入った人が次のラウンドのスタートプレイヤー、次に入ったプレイヤーが…と続きます、入らなかったプレイヤーはそのまま繰り下がります。入った時におまけとして、1金と細かい資源(巻物でまとめられています)も貰うことができます。


 そんなこんなを繰り返して、ゲームは進むのですが、2、4、6ラウンド終了時にバチカンでの評判を決算するフェイズがやってきます。このフェイズでは、十字架のマークを獲得することで上がる宗教点を、それぞれのラウンドに決まっている点数と比べて、達していない人は破門されます。破門されると資源獲得がしづらくなったり、最初のワーカーを置くチャンスをパスしないといけなくなったり、その後のゲームが不利になります。(タイルで表されており、ゲームごとにランダムに決定されて、ゲーム開始時からわかっています)また、宗教点が達していても罰を回避するためには点を0点に下げる必要があります。下げないぞ!と反抗するとやっぱり破門されて同じ罰を受ける羽目になります。
 ワーカープレイス部分での使用人、お金、資源でのやりくりに加えて、この2ラウンド毎の宗教点のやりくりはなかなか大変です。

2 感想
 いきなりですが、ワーカープレイスメントゲームの楽しさってのは、何だろうか。
 私にとっては「あ!取られた!」である。
 そのラウンドの優先順序を作って、最初の1駒を置く行為が決断である、2番目以降も相手の動きに合わせて修正する。その後の行動を計画する。しかし、相手がいるのですぐわかるようないい行動はすぐに取られていく。その計画が狂った時の「あ!取られた!」、これが出るゲームこそいいワーカープレイスメントゲームだと思っている。
このロレンツォには、この要素を濃く感じさせてくれる場面が大量にある。それぞれの発展カードがそもそも同じものがないため、何かを取ろうと計画して、他の人に取られると、大なり小なり自分に影響がある。収穫、生産のマスにしても1つの場所を取られると、代わりのスペースはリソースを余計に消費するため、いつ取るか、あるいは、最初から取られることを想定して余計にリソースを集めておくか。これもまた計画を求められる。
 概要では省略したが、指導者カードをゲーム開始前にドラフトする選択ルールがあるのだが、これには発展カードをどの種類何枚集めるか、あるいは資源や宗教点を一定数貯めるなどの目標があるため、これにも計画を持ったプレイが求められることとなる。
 多くの計画と修正とワーカーの置き場所の取り合いをくぐり抜けた先の理想形にこそ勝利が待っている。
 これはどのワーカープレイスメントゲームにもある普遍的な勝利の条件だと思うが、このゲームは様々な要素を全部「あ!取られた!」へ収斂させたゲームだと思う。
 後、よくツライゲームだと表現されるが、何かをするために何かを払うという要素からくる大変さというのが多いのが理由だ。慣れてくるとそれほど理不尽になにかできなくなるというよりは「あれもこれもしたいが、すべてやるには資源が足りない…」といったよくできた資源管理ゲームとしての側面を感じられるようになると思う。

 4人でプレイ時間90分くらいで終わる。昨今の長時間化の進むゲーマーズゲームの中では軽い方なのもオススメポイントである。基本的な骨格でできているので、インストもそれほど長時間かかることなく始めることができるのも個人的には非常にいいところだと思う。

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ボ
藤森 あつし
knowthyself
TamTakSpiele
まーく。
sugi001
大賢者
さたもと
さたもと
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