- 2人~5人
- 30分前後
- 10歳~
- 1997年~
ニエット!さたもとさんのレビュー
ラウンドのルールがプレイヤー全員の投票で決まっていく準備段階がある少し変わったトリックテイキングゲームです。
その投票で使うのはこのシート(5列あるので5つの種類のルールを決めるわけです)
マーカーの絵柄が軍服を着ている動物たちなので、角突き合わせて軍の会議をやっているのでしょうか、北を攻める?ダメ、南?ダメ、西?ダメ、じゃあ東だな!決定!!のように
このシートの上にマーカーを置いていくことでルールを決めていくのですが、各列で最後に残ったマスが、今回のラウンドのルールになります。つまり、マーカーを置く=ルールの不採用を決定するということを意味します。拒否する形式の投票になっているわけです。(ちなみに題名のニエットはロシア語でNoを表します)
また、このゲームはチーム戦で行うことになります。スタートプレイヤー(これも前述の投票で決まります)が1人プレイヤーを選び、その人とペアになります。得点計算の際には、獲得したトリック等をペアで合算するので、チームで協力してできるだけトリックを獲るように(ルールによっては取らないように)しましょう。
トリックテイキング部分のルールはかなりシンプルで切り札とそれより強い大切り札の概念があり、大切り札>切り札>マストフォローをした中で一番大きな数字 で勝者を決めて、札を取り合います。その際に、敵チームがプレイした数値1のカードを獲得すると、その1のカード自体を1トリック分として扱う(不正利得と呼ばれます)ルールがあるため、この1を上手く処理することが出来なければ、敵チームに大量得点を許してしまうでしょう。
勝利のカギを握るかもしれない数値1のカード
ルール概要は以上です。このゲームは少し投票の所がややこしいのですが、トリックテイキングの部分はかなりシンプルなので、気軽に楽しむことができます。(初めてのトリックテイキングにはお勧めできませんが…)
一番の特徴である投票部分は、切り札の色や得点の仕方、ペア戦のカギであるチームメイトを決める権利を持つスタートプレイヤーなど多くのことを決定するところで、様々な思惑が見え隠れします。マーカーを時計回りに1枚ずつ置いていくので、例えば切り札の赤を消した人がいれば、「あの人は赤のカードをあまり持っていないのだな」ということがわかりますし、自分の手札の数値が低くて弱そうなら1トリックの得点が4点のマスをつぶして被害を少なくすることができます。この投票によって相手がどんな手札か予想ができるところが他のゲームにはなく、このゲームを面白くしているところです。
このように投票でほどよく手札が透け、その投票もマーカーを置いていくだけなので、サクサクと進むためよくできたゲームなのですが、一点だけ欠点があります。
チームの得点が個人に平等に入る仕組みを採用しており、個人点が全くないため最終ラウンドのチーム決めの時点でほとんど結果の見えるゲームになってしまう時があります。(逆転のためにはベストでないけど、3位のプレイヤーと組むしかないみたいな場合があるのに、チーム決めで1、2位が組んでしまってよっぽど大きなミスをしない限り順位が変わらない場合が発生したりします。)
これは少し興がそがれてしまうため、いいゲームなのにスコアリングの最後だけ惜しいなぁと思ってしまいます。得点はチップでやり取りして、非公開にしてもいいかもしれませんね。(それでも、なんとなくわかるときもありそうですが)
総評としては、かなり変わった処理を用いる割にはトリックテイキングの部分は煩雑でなく軽く遊べるゲームです。普通のトリテではそろそろ刺激が足りないなぁという初級から中級プレイヤーにぴったりのゲームだと思います。
- 29興味あり
- 121経験あり
- 18お気に入り
- 85持ってる
タイトル | ニエット! |
---|---|
原題・英題表記 | Njet! |
参加人数 | 2人~5人(30分前後) |
対象年齢 | 10歳から |
発売時期 | 1997年~ |
参考価格 | 未登録 |
ゲームデザイン | シュテファン・ドラ(Stefan Dorra) |
---|---|
アートワーク | ビバウウン(Biboun)フランツ・フォーヴィンケル(Franz Vohwinkel) |
関連企業/団体 | ゴーキッズ(GoKids 玩樂小子)ゴルトジーバー シュピーレ(Goldsieber Spiele)ハイデルベルガー シュピーレ出版(Heidelberger Spieleverlag) |
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