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  • 2人~5人
  • 20分~30分
  • 8歳~
  • 2016年~

フルーツジュースハナさんのレビュー

448名
8名
0
1年以上前

絶えず変化し続ける、変化を楽しむボードゲーム。


フルーツジュースは、奇才フリーゼ氏がデザインしたファミリー向けのボードゲームです。

現時点で9ゲーム(全体の半分くらい)プレイしたので、今の感想をレビューします。

※このゲームはレガシー要素があります。あまりネタバレ関係ないゲーム性だと思い画像を投稿していますが、気になる方はご注意下さい。



基本メカニズムはワーカープレイスメントとハンドマネジメント。

ワーカープレイスメントで果物カードを集めて、特定のセットを揃えたらジュースに変換していく、、という非常にシンプルで、ここまでだとはっきり言ってかなりありきたりで退屈なゲームです。他のプレイヤーがいるスペースに入るにはコストが余分にかかったり、相手とカードを入れ換えたり相手のカードを奪うスペースがあったりと、結構直接的なインタラクションもあるのですが、それでもそんなに盛り上がりません。


このゲームが唯一無二となっているのは、そのアクションスペースがどんどん変化していく点と、レガシー的に次のゲームに変化を引き継いで行く点です。

アクションスペースはカード(地域カード)となっており、ジュースを購入するたびに手元に裏返して獲得し、新しい地域カードを場に追加していきます。

地域カードは同じカードが各4枚ずつ、1番~59番まで全240枚と凄まじい枚数があります。一番最初のゲームは1番~6番の6スペースが並べられた状態でスタート。1枚目~4枚目のジュース購入では7番が追加され、5枚目~8枚目のジュース購入では8番が追加され、、とゲームが進むごとに新しい場所が展開される仕組みとなっています。しかも今まであった地域カードは4枚購入されると消滅し、2度とそのアクションを使えなくなってしまいます。

1ゲームで10枚前後のジュースが購入されるので、出現する新しい地域カードはだいたい1ゲームで2、3種類。少しずつですが確実に状況が変化し、それに伴って変化する戦略、バランス、テンポを感じていくのがこのゲームの醍醐味です。説明書には「20回楽しめる」とありますが、確かに約20ゲームで59番までたどり着けるように設計されており、その20ゲームの間、1つとして同じ展開がないのが最大の魅力ですね。


この1番から59番までの地域カード、本当に順番が考えられており、さすが天才デザイナーというしかないです。

ゲームが加速していったと思ったら急に減速したり、新しい概念「市場」や「盗賊」等が導入されたと思ったらしばらくして対策やアレンジが追加されたり、、

今まで強かった作戦が地域カードの新陳代謝によって次第に通用しなくなり、追加された地域カードによって新たな駆け引きの軸が生まれる様子は、MTG的なトレーディングカードの環境ローテーションを、ものすごい短期間で実施しているような感じがします。緩急や飽きない工夫が秀逸で、それを味わうためだけにプレイする価値があると思います。

ゲームの構造的に強いアクションスペースが場に残りやすい(強いアクションスペースが空いているなら購入よりもアクション実行をしたいため)のも中だるみを抑制し、しかも1番、7番、10番、15番、、と要所要所でゲームの基礎を作る強スペースが現れ、役目を終えたスペースが自然に消滅する仕組みになっているのがなんとも美しいです。長らくお世話になった1番スペースが7回目のゲームで消滅したときは、なかなか感慨深いものがありました。


イラストからも分かるとおり、このゲームはファミリーをかなり意識して作られていると思います。

インストに5分もかからない極めて簡単なルール、1ゲーム20分くらいと手頃なプレイ時間、同じメンバーで継続して遊ぶことを想定された作りは、まさに毎晩家族で1、2ゲームずつプレイするのにふさわしいです。少しずつ複雑になるゲーム内容も、この仕組みなら無理なく遊べると思われます。

レガシー的なゲームですが、コンポーネントの不可逆要素(カードを破ったりシールを貼ったり)はないので、何回でも遊べます。今の状態を記録すれば別のグループで1からスタートすることも容易なので安心です。違うグループで遊ぶと、そのグループごとに展開が変化するのも魅力です。


ただ、かなり明白な問題点も多数あります。

まずはボードゲームにとって一番大切な第1ゲームのあまりのつまらなさ。インストを兼ねていると思われますが、本当に単調で面白くないです。面白さを知るには、少なくとも10番が出現する2、3ゲームか、15番が出現する4、5ゲームくらいまで回して、明確にゲーム性が変わるのを体験する必要があります。第1ゲームだけで終わったらクソゲー認定されても仕方ないです。

次に瞬間瞬間を切り取った時のゲームバランス。場が流動的にローテーションしている都合上、一時的にバランス崩壊することがあります。盤面から強いスペースが消滅してゲームがほとんど進まなくなったり、逆に強いスペースが残りすぎて全員で同じ場所をぐるぐるするだけになったり、ドローがインフレしすぎて山札がなくなったり、市場にカードを追加するアクションはあるのに市場からカードを引くアクションがなくなったり、、、つまらなく感じる瞬間やゲームが壊れる瞬間は必ず発生すると思います。

そして同じメンバーで継続プレイしなければならないハードルと、4人という適正人数。メンバーが変わると、途中参加の人は面白さが分かりにくいですし、同じメンバー固定というのもなかなか難しいです。適正4人という人数もその固定メンバーのハードルを上げていて、3人ならまだ可ですが、2人だとおそらく楽しめないバランスになっています。



瞬間を切り取ったらクソゲー、それでも環境に恵まれて継続プレイできると非常に楽しい不思議なゲームです。

私がプレイしている9ゲーム終了時点(29番まで)では場がすさまじく停滞していますが、おそらく次の30番出現でゲームが激変すると思われます。次はどんな展開になるのか、気になって仕方がないです。

皆様も天才ゲームデザイナーに踊らされてみてはいかがでしょうか。

※画像のコインはフルーツジュースには入っていません。


※追記※

最後まで到達したので追記します。3人で21ゲームかかりました。

最後までちゃんと楽しかったです!

各カードの出現順序やコスト設定が秀逸で、様々な駆け引きやコンボ、セオリーが現れては消えていくのがとてもワクワクしました。前述の通り、短期的にはゲーム崩壊がしばしば起こりましたが、そのめちゃくちゃ感も込みでこのゲームの良さだと思います。

とにかく、30番と53番はカオスでした。


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