フィレンツェの匠白州さんのレビュー

6/10

新版が出るらしいので、せっかくなのでレビュー。

1996年大賞の「エルグランデ」を発表したコンビの2000年の作品。

古参であれば、噂くらいは聞いたことがあると思われるゲームで、2000年ドイツゲーム賞3位にもランクイン、20年以上前のゲームであるのにもかかわらず、今でもGeekランキング231位（2023/5月現在）なので、いかに根強い人気があるかがわかるゲーム。

なのだが、当時のゲームの中では、インストが難しいゲームとしても有名（ぶっちゃけ、今の時代から見れば、実際はそこまで難しくはない）で、その影響あってか、数が少なく、レアゲーの常連だったのだが、ついにパワーアップして登場したようだ。ちなみに自分は拡張とかはやってないので、基本ルールのみのレビューとなる。

※ちなみに、インストが難しいといっても、当時のゲームとしてはちょっと変わった珍しいゲームという立ち位置だったので、それがインストを難しく感じさせたのかもしれない。

このゲームは、自分の敷地をいかに美しい空間にしていくかというかなりシャレオツなテーマだ。

やることは基本的にオークションをして、その後に各プレイヤーがアクションを行う。これを７回繰り返すだけ。

これだけ言うと、シンプルなのだが、それなりにできることが多いため、１回目を楽しむよりも、慣れたプレイヤー同士でわいわい楽しみたいタイプのゲーマーズゲームともいえる。

特に一部のアクションが、異様に得点が取りやすいシステムになっているため、ここの恐ろしさを把握して、オークションの相場を理解していないと、それを選んだプレイヤーが勝利する展開になるのは目に見えているといっても過言ではない。（新版でここらへんが調整されているのか、されていないのかは、要チェックポイントだろう）

しかし、普通であれば、「◯◯が強すぎる」というゲームであれば、戦略は単調になりそうな気もするのだが、オークションで手に入れるルールが主軸のため、そのバランスがとれている（というか、全プレイヤーが相場を把握しているゲーマーであるのが前提だが）のも見事。

また、言語依存が激しいでも有名・・・というか、かなり読みづらいフォントでゲームがデザインされているので、ここもどうなっているかは気になるところ。自分がプレイしたときは、英語版だったのでギリギリ読めたが、ドイツ語版だったら無理だったかもしれない。

個人的に、自分は何回も遊ぶようなプレイスタイルではないので、初見殺しみたいなシステムには若干違和感を覚えたので、そこまで高評価のゲームではない。エルグランデでも好きじゃないし、このコンビと相性が良くない可能性もあるが（笑）。逆に言えば、何回も同じゲームを遊ぶ人には向いてるゲームだと思う。

とはいえ、テラフォとかアグリコラとかまで何回も遊ぶ人がいるかどうかはかなり微妙なところではあるが、気になっているのであれば、このレビューを読む人は、なかなかのボードゲーマーだろうし、そんなマニアが遊んで失敗だったと思うことは多分ないので、このリメイクを機にぜひともプレイする価値があるゲームといっても間違いではないだろう。