マイボードゲーム機能「持ってる」「興味あり」など知人に共有できるコレクション管理機能。人数別や時間別などの並び替えも。
ボードゲーム発見機能マイボードゲームの登録データを統計分析し、未経験かつ未所有のおすすめボードゲームを自動抽出します。
レビューや日記の機能投稿した記事が読まれるたびに、通販でお得に商品を購入できるボドクーポンをGET! ハードル低めです。
コミュニティ機能専用掲示板・ボードゲームリストの合体機能が便利!公開コミュニティ、秘密のコミュニティ、設定も豊富。
ボドゲカフェ情報自分の「興味あり」「お気に入り」に登録したボードゲームカフェが提供するゲームが一目でわかるように。
通販ショップ国内主要メーカーや同人ゲームなど様々な商品をご購入いただけます。会員登録しないで購入することもできます。
  • 2人~4人
  • 40分~60分
  • 10歳~
  • 2019年~

カラーズ・オブ・パリtoribirdibonさんのレビュー

250名
3名
0
3年以上前

世界が滅亡に向かう中、この世を守るために命を削って2枚の絵を完成させられるか、それともダークマターに飲み込まれるか。

というロールプレイをしながらプレイするという提案をしてみます。

いきなり冒頭から何を言っているんだ。と思われるかもしれないですが、今作は「絵を描かない絵画テーマ・ワーカープレイスメントゲーム」なんですよね。他の方も書いていますが、この一言がズバリ。と言えるくらいテーマと内容の乖離が見られる一作です。だって誰かが絵を2枚描いたら終了なんだぜ。もっと絵を描かせてくれ!描かせてくれよ!と志半ばにして夭逝した画家のような気持ちになれるゲームです。

しかも何故か黒い絵の具が5個完成してもゲームが終わります。黒い絵の具は、絵の具の所持上限からも外れますし、絵に使うことはできない。

ダークマターだ!!!

そう、この世界では黒い絵の具を錬成してしまうと、謎の暗黒物質として世の中にこびりついてしまうのです。

とでも思わないと全く意味不明な世界観。

絵画を描いているはずなのに、何故か黒くこびりつく「何か」を作り出してしまった画家は徐々にその「何か」を作ることに没頭してしまい、絵を描くことを忘れてしまう。そんなフレイバーがあるのではないかと思うくらい、絵を描こうとするプレイヤーと、黒い絵の具を錬成していくプレイヤーと戦術が分かれていきます。

ゲームシステム自体はホイールで管理されるワカプレで、結構面白いんですよね。次のラウンドに必ずワーカーを1体残さなければいけないというのも効いているし、ホイールが動くことで各アクションの定員が変わるというのもスタートプレイヤーをめぐる駆け引きがより重要度を増しますし、読み合いも毎ラウンド違う形になるので考え所も多いです。

うん。良いゲームじゃないか。

なのに、爽快感がない。

っていうのはやっぱりテーマとの乖離なんですよね。絵をもっと描きたいんだよ。絵を描くと思ってプレイしているんだよ。絵画カードもたくさんあるんだしさ、描かせてくれよお!

……で、あんまり関係ないんだけど、何故自分が「プラハ」とか「オン・マーズ」とかのモダンユーロがイマイチだって思ったかに繋がったんですよね。

自分がカタルシスを得られない、爽快感を得られない。

今作「カラーズ・オブ・パリ」は絵を描きたいのに描いた!というカタルシスを得られるのがゲーム中1回だけ。2枚目はゲーム終了トリガーなので「描いた!」というよりも「ここで終わらす」という意思なんでカタルシスとはちょっと違う。

一方モダンユーロのゲームでは、それぞれの噛み合いが複雑になるよう設計されているから、何をやっても点数になるけどどこかに「取りこぼし」のような残尿感のような気持ち悪さが残る。一手のボーナスが連鎖していき、コンボするというような時は爽快感が得られる場合もありますが、どうもその連鎖が気持ちいいところまでいかない印象なんですよね。

だから自分の中でゲームが終わった後の「面白かったー!」に繋がらないのだな、と今作をプレイしていて思いました。

ただ、これはどこにカタルシスを得るかという個人個人の傾向によるので、あくまでも僕は、というだけです。

そういう意味で自分はルチアーニとかのカタルシスの与え方が好きで、ラセルダとかスヒィのカタルシスの与え方が苦手なんですよね。

で、どっちのタイプでも多分今作では「カタルシスが少ねえ」って思う気がするのです。

だから冒頭の提案につながります。

もういっそ世界観を変えて絵を描く1発から得られるカタルシスを大きくしてしまえと。画家が絵を描く話だと思っているからカタルシスが少ない。

世界を守るんです。黒い絵の具が世界を覆う前に絵が色彩を与え、黒の支配から世界を守るゲームなんです!だからもうこれは『双亡亭壊すべし』の世界で、知られざる戦いをしていたアナザーストーリーと言ってもいいのかもしれません。


はい。もはや意味不明な文章になりましたが、これだけ語れる一作です。もっと面白い体験ができそうなシステムだったからこそ、言葉がたくさん出てきてしまったし、謎にモダンユーロについても思いを馳せてしまいました。そういう意味で、プレイして良かったゲームでした。


良かった点

・ホイール回転によるシステムが駆け引きをたくさん生む

・色々なことに思いを馳せる

・黒い絵の具作りに没頭する闇の画家と絵を描く光の画家とに分かれる戦略性

・コンポーネントは綺麗


悪かった点

・絵が描けねえ

・カタルシスが得られない

この投稿に3名がナイス!しました
ナイス!
heppokoa
藤森 あつし
おおみやのればりえ
大賢者
toribirdibon
toribirdibon
シェアする
  • 69興味あり
  • 151経験あり
  • 24お気に入り
  • 108持ってる
ログイン/会員登録でコメント
ログインする

toribirdibonさんの投稿

会員の新しい投稿