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  • 2人~4人
  • 40分~90分
  • 10歳~
  • 2010年~

51番目の州toribirdibonさんのレビュー

242名
4名
0
約3年前

荒廃した世界で自分だけの州を作ろう!リーダーは使い捨てよう!

アメリカの国旗に描かれた50個の星は国内に存在する州の数を表している。ピルグリム・ファーザーズがアメリカ大陸に渡り、1776年に独立した際は13州。当時の国旗は13個の星と13本の赤縞が描かれていた。その後、州が増えるたびに星と縞を増やす予定だったが、縞はどんどん見にくくなっていくことがわかり、13本に統一され、星の数だけを増やすようになっていったという。そのため、現在の州の数の星と独立時の州の数の縞という構成になった。

50番目の州としてハワイが州に昇格したのは1959年。その翌年から現在の国旗が使われている。51番目の州になるのはどこか。ウィキペディアに「アメリカ合衆国51番目の州」という名のページがあるほどなので、それなりに話題になるのだろう。プエルトリコやコロンビア特別区など国内の有力候補に加え、日本や韓国などの国がアメリカに配慮した政策を取っているとして揶揄される時に使われることがある。

さて、その「51番目の州」をテーマにしたのが今作だ。舞台はどこか。なんと、文明が崩壊し、荒廃した後のアメリカである。明記されているわけではないが、各プレイヤーは自らの勢力を51番目の州にするべく施設を建て、人民を増やしていくのである。「すでにあったところにぶち上げる新州って51番目の州って言っていいの?」という感じもあるが、とにかくそうなのだ。

ゲームの内容はと言えば、カードゲームの花形、拡大再生産だ。そして今作最大の特徴はカード1枚の使い方が3種類あること。「マジック・ザ・ギャザリング」以降多数存在してきたカードゲームだが、「ある特定の状況で引ければ強いけど、それ以外は弱い」というようなカードが非常に嫌われる。今作ではそれを解決するためにカードの使い方に幅を持たせているのである。これは素晴らしいアイディアで、これによって状況に応じてどのモードでカードを使用するか、戦略性が上がったのだ。一方で「状況が定まる前に何でプレイすればいいのかわからない」という問題点も生まれてしまったのだが、それを補って余りあるシステムである。

雰囲気もすごく良い。カードをプレイして、荒廃したアメリカを再発展させていくのが面白い。並んでいく施設のイラストも非常に味があるし、どんどん収入が上がっていくのも楽しい一作だ。中でもリーダーカードを交代させるには拳銃と新たなリーダーカードが必要というのがヤバい。明らかに権力闘争の結果のリーダー交代を示している。だが死んだリーダーも得点になるのだ。リーダーは場に出た時に利益をもたらすため、プレイヤーはスーパーマンやバットマンに粛清されるべき悪どさでリーダーを骨までしゃぶってポイ捨てしていく。

ソロプレイが強いと言われているが、他のプレイヤーの施設を利用することも出来るため、意外とインタラクションがある。利用してもらうと自分にもメリットがあるため中盤からは「うちに来てくれ!」と謎の呼び込みが始まる。それまで黙々とカードをプレイしていたはずなのに、突然夜が訪れた歓楽街のようになる。自分の利益のために呼び込む様は新宿歌舞伎町のゴジラストリートのようだ。

そして自分の州がいい感じになってきたところで唐突にゲームが終わる。ラウンド終了時に誰かが30点を超えていたら終了するのだが、最後のラウンドではみんなが一気に伸びる。しかもこのゲームの面白いところは「加点形式」ではないというところだ。意味がわからないかもしれないが、前のラウンドに持っていた得点に加えて点が入るのではなく、各ラウンド終了時に自分の持っている得点の総量を毎回計算するのだ。だから誰が何点伸びているのかわからない。前のラウンドに25点だったヤツがこのラウンドも25点のままということがありうるのだ。これが終了タイミングをわからなくさせてくれる。「次のラウンドがあれば自分の州がめっちゃ良くなる。でも今アイツはどれだけ伸びてるんだ?」みたいなことを考えながらプレイしていく。全く油断できない。

終わった後にもう一度やりたくなる。そんな一作だ。今度はもっと素敵な州を作るぞ。そんな思いを胸に、リーダーカードを使い捨て、他プレイヤーを呼び込んでいくのである。


良い点

・雰囲気が抜群に良い

・カードの使い道が多いため戦略性が高い

・でも運要素がちゃんとある

・カード同士のコンボが組めると一気に拡大していく

・何度でもやりたくなる


悪い点

・ルール説明に時間がかかる

・アイコンがわかりにくい

・以外とテーブルの場所を取る

・チップが小さい

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山の川
18toya
つっちー
clevertrick
大賢者
toribirdibon
toribirdibon
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