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  • 2人~4人
  • 50分~100分
  • 14歳~
  • 2021年~

アカデミックソサエティ荏原町将棋センターさんのレビュー

210名
3名
0
2年以上前

日本発の「アルママータ」!?いや、「アルママータ」は学生で賑わい、まだキャンパスの雰囲気もありましたが、この「アカデミックソサエティ」は、教授が主役💦

「アルママータ」や「ニュートン」も「学問ボードゲーム」と言えますが、どちらも金銭を扱うという点でフレーバーが薄まり、まだまだ甘い!というわけで、この「アカデミックソサエティ」は徹底的でした。


全7ラウンドのワーカープレイス。学問は、物理学、天文学、化学、数学の4つ。学者の権威が上下する「権威トラック」と、個人的に専門を強化する「遊学トラック」、この二つが終了時大きなVPになります。

アクションの種類は、この遊学トラックを進ませる「学会本部」アクション、下がった権威を上げる「大講堂」アクション、終了時VPやミニボーナス付きの論文タイルが貰える「図書館」アクションの3つが中心で、この他に、「物理学工房」「天文台」「講義室」「社交場」アクションがあります。

資源や金銭が無いゲームですが、その代わりとなるのが「仮説」で、各4学問の仮説を消費しながら、権威トラックを維持したり、遊学トラックを進めたりします。

メインアクション以外の4つのアクションは、仮説を得ることができるアクションです。

遊学…4仮説(各1)払って、遊学トラックを1つ進める

権威…3仮説(任意)払って、権威トラックを1上げる

論文…任意の学問の論文タイルを1枚貰う

物理…物理学の仮説を2貰う

天文…天文学の仮説を2貰う

数化学…化学と数学の仮説を1つずつ貰う

交換…2つの仮説を任意の仮説2つと交換する

と覚えると分かりやすいです。


しかし、ただのワーカープレイスではなく、ラウンドはいくつかのフェーズに分かれており、アクションフェーズ以外にも、国家への「貢献度」を上げるフェーズ、権威を維持するフェーズ、論文からボーナスを貰うフェーズなどがあります。

貢献度を表す「貢献トラック」は、次ラウンドの手番決めともう一つ、トラックが進んでいるとVPが入ります。ビリになってしまうと任意の学者の権威が1下がりますので、ある程度進めておきたいです。また、アクション時、貢献度を1払ってボーナスアクションもできます。このゲーム、「仮説がカツカツ」になるので笑、貢献度を使うかどうか非常に悩みます。

権威を維持するためには、仮説をいくつか払わなければならず、ここで払えない、あるいは敢えて払わないと、トラックが1下がります。

権威が下の方に下がってしまうと、終了時VPが小さくなったり、遊学トラックが進まなくなったり、最後には、その学問から下野しなければなりません。


このゲーム、各プレイヤー、学者7名体制で、スタート時、権威トラック(最上段)に各学問一人ずつ4人、遊学トラック0人、ワーカープレイスのため3人、のように分かれています。

権威トラックから下野した(取り除かれた)学者は、権威トラックに戻れるアクションがないので、ワーカープレイス用となります。また、遊学トラックには、手元のワーカープレイス用の学者を送り込まないといけないのですが、やはり二度と手元に戻ってこないので、タイミングが難しいです。

あまり早く遊学すると、アクションワーカーが少なくなり、あまり遅く遊学させると、終了時VPに影響します。遊学トラックは各学問、たった3マス目でゴールとなるのですが、途中のマスは、コスト−1などの永続効果となっているので、本当は早目がいいのです。

権威が無くなった学者でしかワーカーは増やせませんが、ラウンド終了時、各学問で権威トラックが第一線(最上階)に「単独で」いる学者には、助手(秘書)が一人貰え、これにより、次ラウンド、ワーカーが一人増えます。

↑ 左がアクションボード、右が権威トラックなどの各パラメータートラック。権威トラックは、最後まで第一線に居れば15VPだ。


このゲーム最大のジレンマは、この権威の維持フェーズでしょう。権威を維持するかどうか。第一線の維持費は、その学問の仮説2つと、この2仮説が非常に重くのし掛かります。これが仮説を支払わず第二線に退く(一階下に落ちる)と、負担は仮説1つになります。この一つの差が非常に大きいので、敢えて序盤は、第二線をキープする手があります。

その理由は2つ。一つは、他のプレイヤーと一緒に第一線に残っていても、助手は貰えないので仮説が勿体無い。もう一つは、大きなVPを貰うには、最終ラウンドで第一線に残っていればいいわけで、ずーっと第一線にいる必要はないからです。

ただし、他のプレイヤーが単独で第一線に残っていると助手を取られてしまうので、これも困ります…

また、もう一つの懸念として、第三線まで落ちてしまうと、物理学と天文学のどちらか一人、化学と数学のどちらか一人を、権威派閥から下野させなければならなくなります。先程書いた通り、一度下野すると権威トラックには戻って来られないので、最終時VPは当然減ります。なおかつ、遊学トラックの2マス目に進むには第二線以上、3マス目に進むには第一線に居るという条件があるので、下野する前に遊学トラックを進めておかないと、それ以上進めなくなります。(まあ、また大講堂アクションでのし上がればいいのですが)

この写真の場合、赤プレイヤーは、一番左の物理学とその次の天文学は、青プレイヤーがいるので第一線を維持したい、化学は、自分だけなので維持したい、数学は、3人いるので第二線に落ちても構わないのです。また、茶プレイヤーの立場では、第二線の物理学天文学どちらか第三線に落ちた瞬間、一人下野させなければなりません。化学の茶と青も同じです。


反対に、4つの学問の権威トラックから、2人をさっさと第三線まで落とし下野させ、ワーカープレイスの学者を増やす戦略も有力です。今度は学者達をいつ遊学トラックに派遣するかが悩みですが、中盤を大人数でアクションできるのは魅力です。

遊学トラックに早めに派遣しておくと二つの利点があります。一つは、大きな最終時VPのある3マス目まで辿り着きやすい。もう一つは、論文タイルを置ける枚数が増えます。

論文タイルというのは、いわゆるボーナスタイルですが、同じ学問は最初1枚ずつしか置けず、MAX3枚にするには遊学トラック2マス目まで行かなければなりません。また、論文タイルは横に並べた時「丸底フラスコ」のマーク、縦に並べた時「三角フラスコ」のマークが完成するので、その度にそれぞれ仮説やVPを貰えます。

↑ 個別の遊学トラック。赤プレイヤーほ、天文学に学者を1人送り込んだ。天文学だけ論文は2枚書ける。また、永続効果を得る。3マス目まで行くと10VPだ。左が仮説のパラメータートラック。


まとめると、戦略としては、第一線重視の助手戦略か、低仮説で胡座を搔く権威キープ戦略か、遊学戦略、この3つでしょうか。折衷型は、自然と権威キープ戦略となるでしょう。


デザインは勿論、タイルの質感も良く、トークンも高級感があります。ただ、スタイリッシュ過ぎて、没入しづらいというウィークポイントにもなります。また、教育畑の堅いテーマなので、コアな人気となるでしょうが笑、最近流行りのトラック盛り盛りのゲーム性とその重みを評価したいですね。


100VP到達(記念)タイルがありますが、何回やっても100VPが超えられません。スタート時すでに60VP維持しているというのに……

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anemone
じむや
つっちー
荏原町将棋センター
荏原町将棋センター
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