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  • 2人~4人
  • 90分前後
  • 12歳~
  • 2021年~

横濱紳商伝:改訂版winterkoninkskeさんのレビュー

319名
4名
0
2年弱前

二人プレイ時の感想を書きます。

横濱紳商伝:改訂版は、明治時代に港町として繁栄をきわめた横浜の商人となり、様々な交易品を得て諸外国と取引しながら自社を成長させていくワーカープレイスメントゲームです。

本ゲームの特徴は、ワーカーを置くアクションマスがレンガのように平面上に並べられ、その街のようになったメインボードを「社長」と「部下」が行ったり来たりする点です。

社長であるプレイヤーは、手番の最初に部下コマを1〜3個ボード上のいずれかのアクションマスに配置します。

社長コマは、この社員のいるマスを渡り歩いて目的のマスに辿り着き、着いた先のアクションを実行します。

このとき、着いたマスにいる部下コマの数だけ一回のアクションが強化されます。

プレイヤーは、社長コマ移動のための道筋を部下で作りつつ、一回のアクションの効率を高めるために目的地にも部下コマを配置しておく。使用したマスの部下は回収します。したがって常に2〜3手先の進路を想像しながら部下コマのマネジメントを行うのが、基本的な立ち回りになります。


さて、アクションマスでは主に「資源を得る」「金を支払ってブースト効果や特殊カードを得る」「資源を支払って勝利点などを得る」といった効果を解決します。

いずれも部下コマによるブーストがかかるようになっており、「資源を得る→支払って勝利点」の間に、寄り道をして部下コマを増やしたり、金を回収したりします。どのアクションにどのくらいの部下コマを溜めてどの段階で実行するのか…手番に置ける部下コマが限られた中で、移動とワンアクションの質に気を配りながら盤面を見渡す必要があります。

これだけで相当面白い要素になってるんですが、他にも「ボドゲ好きならこういう要素好きだろ?」みたいな細かいギミックがぎっしり網羅されていて、本当に一回のアクションの実行に悩まされます。

例えば相手の社長コマのあるマスに自分の部下コマを置いたり、自分の社長コマが通るには金が必要です。これが意外と被るので計画を狂わすインタラクションになります。

また資源を払って依頼を達成するカードにはセットコレクション要素があり、同じマークを集めて手番を増やすか、違うマークを集めて勝利点を優先するか…などの選択も揺さぶりをかけてきます。

早取りの共通目標もあるためのんびりしていられません。

けっこう色んな視点から損得勘定を忙しく検証する機会があって、重たく、苦しくも楽しいプレイ感です。これが「商人」という設定とマッチしているので、体験としてリアルなものになっていると思います。

終了条件は複数用意されていて、そのいずれかを誰かが満たした時点でゲームは終了に向かいます。

この複数の条件がある点が良くも悪くもある部分で、どれを狙えば得点が伸びるかなぁーという選択の楽しさと、終了フラグの覚えにくさや終盤の収束の悪さに繋がってもいます。

ちょっと細則が多いのでプレイミスには注意って感じですね。


本ゲームの一番の魅力は、没入感がきわめて高い点だと思います。

外国との取引のために町を駆け回って資源を集め、見込みのある産業には部下を配して店舗を建てて効率を上げ、いま必要なのがカネなのかモノなのか、ヒトなのか見極める…まさしく商人のロールプレイといった感じで、これらの商機にいち早く対応できた者がより多くの利益を得られる造りになっています。

煩雑な処理は少なく、簡単な処理のセクションがいくつも用意されている中で忙しなく脳を動かしていくような配分です。終了時の「走り回ったな〜」みたいな疲労感がとても心地良くて、満足度の高いゲームだなと感じました。

あとリプレイ性にも優れています。アクションマスは毎ゲームランダム配置となるため、社長コマを移動させやすいマスが毎回違います。

そのため前回強かった行動が今回も強いとは限らず、セットアップ時の配置を見ながら今回に有効な行動を探っていくのがまず楽しいです。マスに付与されるボーナスも全て違うので、狙いが毎回バラけて挑戦しがいのあるマップになるのはゲーマーなら嬉しい仕様なのではないでしょうか。

二人プレイだとインタラクションがそれほど高くない印象ですが、各ルールがバランスよく機能してダウンタイムも少なく、主軸となっている社長と部下コマのマネジメント部分もしっかり味わえるので、かなり二人プレイに向いている作品だと思います。「二人でも楽しい重ゲーある?」と聞かれたら、じゅうぶん選択肢に入ってくるゲームだと考えています。

コンポーネントは個人制作の豪華版くらいの域は出てないので、最近のユーロゲームなどに比べると見劣りはしますが、それでも存在感のある大きめの得点トラックボードや、大量の資材チップなどで贅沢な気分に浸れます。

前述したように非常に没入感の高いゲームなので、プレイ中に質感について気になるようなことは無いと思います。強いて言えばメインとなるアクションマス群がズレやすいので、ラバーマットを使ったらかなり遊びやすくなりました。


海外で評価の高いゲームのようですが、それも頷ける繊細さとボリュームを持った素晴らしいシステムです。コンポーネントをそれらしい物に替えてドイツゲームですと言ったら分からないんじゃないかなぁと思います。

腕に覚えのあるゲーマーには、是非とも挑戦していただきたい一作です。

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