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  • 2人~5人
  • 20分前後
  • 8歳~
  • 2022年~

ホットリードwinterkoninkskeさんのレビュー

907名
4名
0
約1年前

三人プレイ、6歳の子供を交えた時の感想を書きます。

ホット・リードは、配られた手札から全員が一枚を出し、その結果から場に出たカードを獲得して、獲得したカードの組み合わせによって得点する、「せーの」でめくって比べっこするタイプのカードゲームです。

各プレイヤーには、ゲーム開始時に11枚の手札がランダムに配られます。

手札には1〜55の数字が書かれていて、オールユニークで同じ数字はありません。

ゲームが始まると、捜査カード山札から人数分のカードが場に並べられます。

捜査カードは五色で0〜5の数字が書いてあります。

プレイヤーは手札から各々カードを伏せて出し、いっせいに開示。

書かれた数字が高いプレイヤーから順に、山札から近い場所にある捜査カードを獲得して、他の人に見えるように自分の前に置きます。

これを10回繰り返します。すなわち、必ず手札は一枚余り、自分の前には最大で10枚のカードが並びます。

得点計算も簡単で、まず色に関係なくカードに書かれた数字ぶんの得点をそのまま獲得。

同じ色を「ちょうど3枚」揃えていると、追加で10点。

5色の捜査カードを最低一枚ずつ全色揃えていると、追加で10点。

これだけです。

そして、最大の特徴は、ゲーム中に同じ色のカードを4枚揃えてしまうと、即バーストとなり、4枚全て捨て札になってしまうバーストルールです。

3枚ぴったりで高得点なので、ギリギリで止めたい。しかもバーストすると3枚ボーナスだけでなく、全色ボーナスまで失うので絶対に避けたい。

このジレンマが基軸にあるゲームです。

ゲームが始まれば、まずはリスクの低い全色ボーナスを狙いたくなりますね。だんだんゲームが進んでいくと、3枚ボーナスが必須であることに気付きますが、集める意図がない色まで溜まってきたりします。獲得したカードはオープンになっているので、他人の欲しい色、危ない色はかなり分かりやすいわけです。

そうすると、「右の人にこれ以上取らせるとボーナスが確定してしまうな…」とか「あいつ赤が3枚だから次に赤が出たら取らせよう」なんて考えたくなります。

この辺の、欲しい色の取り合い、バーストのふっかけ合いが、シンプルに面白いインタラクションに繋がっています。


そして本作のゲームバランスの特徴は、手札の数字カードに同数が無いことですね。

低めを狙いたくて5を出しても、4〜1を持ってる人が潜んでいる可能性があるわけで、肝心な所で「5を出したのに2を出されて端っこが取れなかった…」なんて計算外が起きるんです。相手の手札を読みきることができず、思わぬドラマが生まれるようになっています。

いくら計算ずくで集めても、バースト確定の色しか出ないみたいな状況もあるし、1と55以外に最強カードが無いので勝ち確みたいな状況にもなりにくいです。

戦略と運が5:5くらいのバランスなので、ガチガチの読み合いゲームではなく、「出たとこ勝負な運要素がベースになっていつつも、それまでに重ねた戦略性がうまくハマった時の爽快感もあり、バーストしたら笑いが起こるね」みたいな、非常に気軽に戦略性を試せるゲームなのかなと思います。

一回10分程度の軽さで半分が運というゲームですから、これはもう本当に遊びやすくて病みつきになります。

しかも6歳の小学生と遊んでも、二桁の数字の大小が理解できれば、あとは「4枚目は取っちゃだめ、違う色は5色揃えよう」と教えれば十分に楽しんで遊ぶことができました。大人が勝手にバーストすれば子供でも勝てるので、手加減せずに公平感を楽しめます。

クニツィアさんは、易しいゲームに宿る魅力も伝えてくれますね。

彼は孫や子供がいる友人に、このゲームをプレゼントしたかったのではないでしょうか。

また2種類の追加ルールがあります。

ひとつは、ある色の2枚目を最初に揃えた人に5点が入るバッヂトークンのルール。

序盤からリスクの高い同色を集めるプレイイングに、更なるリスクとリターンをもたらします。

もうひとつは、山札に混ぜて使う黒と白のカード。

黒が出ると、その上にまた一枚重ねて並べます。黒は取ることで高得点をもたらしますが、その上に重ねられたカードと同色扱いになるので、一気に2枚ぶんが追加されてしまい、バーストのリスクが高まります。

白もその上にもう一枚重ねます。こちらは永続的に捨て札にできない高いマイナス点まで引き取ってしまうカードです。

どちらも戦略的な意味合いを足すというよりは、よりゲームをダイナミックに動かして賑やかすための追加ルールといった感じです。

コンポーネントはカード110枚と、追加ルール用のバッジトークンと追加カードのみ。

カードのエンボス加工の質感がやたらと良くて、スルスルと滑ります。


大人も子供もつい熱中してしまうバースト系ゲームであり、「せーのでめくる」系のカードゲームとしても、新定番になる可能性が大いにある作品と思います。

「三人以上いたらとりあえず出していいゲーム」の最有力候補だと思いますので、是非とも一家にひとつ、購入をお勧めします。

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