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  • 1人~4人
  • 45分前後
  • 14歳~
  • 2022年~
686名
9名
0
6ヶ月前

二人プレイ時の感想を書きます。

ザ・ギルド・オブ・マーチャント・エクスプローラーズは、架空の王国で女王の命を受けた探検家が、新たな集落や交易路を発見していく冒険ゲームです。

いわゆる「紙ペンゲーム」と呼ばれるジャンルでありながら、「書かない」ことで新しいプレイ感を提供してくれる作品です。

ゲームはⅠ〜Ⅳの四つの時代を通して行われます。

ひとつの時代に山札をセットし、そこからめくったカードの結果を自分のボードに「書かずにコマを設置して」処理して探検する、という手順を繰り返し、山札が全てめくられると一時代が終わります。

カードには五つの地形+ワイルドの表記があり、これが出てくる順番によって探検ルートを考え、町と町をつないで交易路を確立したり、最も遠い場所にある「塔」を発見することで勝利点(コイン)を得ていきます。

さて、ボード上段の基本地形は2〜3マスぶんの開拓しかできず、これだけでは大して遠くまで進めません。そんな本作を悩ましいジレンマの世界に誘う良くできた仕組みが大まかに二種類あるので、紹介します。

①調査カード

山札には、基本地形の他に「時代探検カード(以下探検カード)」を引ける「Ⅰ」「Ⅱ」「Ⅲ」「Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ」の四種類の特殊カードがあります。

これは時代ごとに一枚ずつ増えていくので、時代Ⅱでは「Ⅰ」と「Ⅱ」、時代Ⅳになると「Ⅰ」「Ⅱ」「Ⅲ」「Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ」の全てが山札に混ざることになります。

探検カードが出たら、各プレイヤーは「調査カード」の山札から二枚引いて、一枚を選びます。それを即座に解決したら、個人ボード左端にⅠ〜Ⅲのカードを置く場所があるので、そこにセットします。

そうです、一度選んでセットされた調査カードは、ゲーム終了まで保持されるのです。したがって、次の時代で「Ⅰ」が出たら、時代Ⅰで使用したカードをもう一回使います。時代Ⅱが出れば、また二枚引いてセット。時代Ⅳになるとそれらをもう一回ずつ使うだけでなく、「Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ」の特殊カードはその三枚のうちどれか一枚をもう一度使えるので、最大で4回も使用する重要なアクションになるのです。

しかも見てください、調査カードは4〜5マスくらい一気に開拓できる強力なものなので、基本的にはこの調査カードを主軸に冒険計画を練る必要があります。

これだけ強力だと、一番いいところで出して使いたいですよね。でも出ません。山札は完全にランダムです。本作は、戦略に大きく影響する(むしろ支配される)調査カードを選ぶ悩ましさと、それがどんな効果で、いつ出るかも分からない運とスリルの要素を加味しながら冒険する、非常に挑戦的なゲームなのです。

②時代ごとに探検コマをリセット

探検コマは一つの時代が終わると全て取り除かれてしまいます。普通の紙ペンゲームと違い、このリセットが毎時代起こるのが本作の最大の特徴と言えます。

じゃあまた最初から?違います。

特定の連なった3〜7マスの地形を全て探検できると、「村コマ」を配置できます。村コマはリセットの影響を受けないので、次のラウンドはその場所から冒険を再開できるのです。

この「連なった地形を埋める」というルールがじつにいい塩梅で、残りの手番で村コマを確定させるのか、ちょっと遠くの交易路を繋げて大きな勝利点を得るのか、など、「どこまで攻めるか」の選択に常に悩まされることになります。

地形を埋めるのはなるべく遠くに行きたい本作の目的と矛盾するアクションですし、そもそも調査カードの出方によって実現するかも分からない。「後悔したくない」という選択肢の連続はとてもスリリングで、気づくと相当のめり込んでいます。

最終的に狙ったマスまで一気に探検の範囲が広がっていく局面で、とても爽快な気分を味わう事ができます。


時代の終わりにリセットされてしまうのを見越した計画的なセーブポイントの設置。

強力な調査カードを選択する悩ましさ。

山札から現れる順番で変更を余儀なくされる冒険ルート。

ざっとこれらの要素だけで、本当にドラマチックな冒険を追体験しているような没入感が生まれます。

他にもめくるまでどんな効果があるか分からない「宝箱マス」もあります。実を言うとカード運の要素もかなり明暗を分ける材料になってるんですが、「何が起こるか分からない」という冒険の醍醐味というか、「緻密に探検計画を練る楽しさがきちんと勝利に繋がるんだけど、中身の分からない宝箱を開けるようなワクワク感もちゃんと忘れないで遊んで欲しい」と言っているような、作家の遊び心が伝わってくるんですね。

マップは4種類あって、調査カードの相性もあるので、厳密にバランスの良いゲームとは言い難いです。勝敗はオマケのようなもので、自分だけで箱庭を作っていく満足感に傾けた作風と言えるでしょう。

紙ペン系ゲームの例にもれず、ソロプレイ感は強いです。インタラクションは三枚の目標カードの達成順だけなので、駆け引きを楽しむタイプのゲームではないです。

それゆえに最大4人のどの人数で遊んでもダウンタイムは同じで、ゲーム時間45分というとっつき易さは様々な場面で重宝されるでしょう。ソロプレイもほとんど多人数と同じ感覚で遊べるので、対戦相手がいなくても繰り返しプレイすることができます。

ていうかソロが個人的に大当たりで、あんまりソロで遊ばないタイプな自分が黙々と人生で一番プレイしてます。

コンポーネントは大量の木駒にカード、各種トークンなど、これらをチマチマと置いたり両替しながら進むので、ボードゲームらしい質感を味わえます。

個人ボードは厚紙でなく薄くて丈夫なシートですが、紙が上質なので手触りも良く、安っぽさは全くありません。


紙ペンを書くのではなくコマを置くようにして、一部のリセットを可能にしようというシンプルな発想が開始地点になってるゲームだと思います。そこからあまりブレずに王道なものを丁寧に組み立ててあるな、という印象。

適度な腕試し、運試し、スマートなルール量、人数に関わらず一時間に満たない遊びやすいプレイ時間など、親しみやすい作品に仕上がっています。

プレイヤーレベルを選ばず、対決色も薄いので、気楽に遊んでみてください。

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根本峻輔
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ヤマト
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ハルシカ
Sato39
シシレオー
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