ツォルキン：部族と予言（拡張）斉藤昭一さんのレビュー

名作ワーカープレイスメントゲームのツォルキン、その拡張である。

複数のモジュール的なコンポーネントが含まれており、どの要素を入れて遊ぶかはプレイヤー同士合意を取ると良いだろう。とはいえ拡張に手を伸ばすプレイヤーは全て入れても問題ない内容である。

モジュールは3つで、次のようになっている。

①5人プレイ可能になる内容物

②毎ラウンド得失点が行われる予言タイル

③プレイヤーごとの複数の固有能力タイル

①はシンプルにプレイヤー人数を増やす物である。また、5人ではアクションスペースが手狭になってしまう為、クイックアクションという特別なスペースが配置されて、この内容はゲームが進行するたびに変わっていく仕様になっている。

②は、ゲームの展開に幅を持たせる内容となっている。具体的には毎ゲームごとに、予言タイルを数枚用意する。これらの予言タイルは食糧供給フェイズの際に追加で処理するもので、様々な要素によって得点を得たり、反対に失ったりする。

ツォルキンは（本当に慣れたプレイヤーによると）かなりアブストラクトなゲームとのことで、やることが定石のように決まっていくようだ。予言タイルはそのような定石をいい塩梅に崩しつつプレイを面白してくれる内容となっている。

③は、ゲーマーが大好きな非対称な能力タイルである。ルールは若干増えるが、通常のゲームではできないことを可能にする能力も多くある為、普段のプレイングよりもトリッキーな動きができて面白いと感じられるだろう。

総じて、ツォルキンは基本ゲームでも十二分に楽しめるワーカープレイスメント、建築ゲームであるし、この拡張が無くても本当に面白い。しかし、慣れてきたらぜひ手を伸ばして欲しい拡張となっている。