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  • 1人~4人
  • 30分~60分
  • 14歳~
  • 2021年~
320名
4名
0
2年以上前

小さなコンポーネントで本格的なボードゲームが楽しめる「Tiny Epic」シリーズ。

「Tiny Epic Pirates」のテーマは名前の通り海賊です。

さらっと遊んでみたので感想を。

【ゲーム内容】

すごく大雑把に流れをまとめると、、

海賊になって仲間を集め、略奪や商船襲撃→戦利品を高値で売って富を得る→お金を財宝にして隠す

の流れを繰り返し、いち早く財宝を3つ隠すのが目的の中量級ゲームです。


4×4のマップを海賊船で駆け回り、

①探検

②略奪

③商船や敵海賊船を攻撃

④交易

⑤仲間集め

⑥休憩、海軍から隠れる

の6つのアクションを繰り返すロンデルで、効率良くお金を稼いだ海賊が勝利できます。

自分のターンできる事は移動+6つのアクションの内1つ。

6つのアクションの順番はプレイヤー毎に固定(ゲーム開始時にランダムで決定)ですが甲板員(ミープル)を使用することである程度任意にアクションを選択できます。反面、甲板員を使用すると海賊船の移動力、攻撃力、収益力が下がるため、アクション選択を優先するか海賊船のスペックを優先するかのジレンマがあります。

この人員の配置は砲撃、操舵、副業に人員を割くか、船長のサポートに人員を割くかというフレイバーを表現してしており、また砲撃手を増やすことで攻撃力を高める、操舵員を増やして移動力を上げる等、海賊船にプレイヤー毎の個性を出せるポイントでもあるためなかなか面白いシステムです。


以下に各アクションをざっくり説明します。


①探検

マップから使い捨てのボーナスチップを得ます。

(後半はボーナスチップがなくなるため、もっぱら財宝を埋めるアクションとして使用することになります。)


②略奪

戦利品を得ます。


③商船、敵海賊船を攻撃

このゲームの花、戦闘です。ダイスで判定し、より攻撃力が高い方が勝利します。ダイス目は命中トークンというコストを払えば変更できるので、確実に勝ちに行くことも可能です。

商船に勝てば戦利品が得られ、敵海賊船に勝てば敵に少しのダメージを与えながら名声を得ます。

名声が高まると海賊船の基本スペック(移動力や攻撃力)が上がり、様々なボーナスが得られます。


④交易

戦利品をお金に変えます。

戦利品は4種類(砂糖、ラム酒、コーヒー、火薬)あり、交易の度にそれぞれの相場が上下するため、自分の持っている戦利品をいかに高く売るかの駆け引きが大切になります。


⑤仲間集め

仲間を最大4人雇用でき、仲間を増やすことで船の攻撃力を高めると同時に6つのアクションを強化することができます。

例えば「探索」アクションに「交易」の効果を追加したり、「休憩」アクションで+2金したり、、

この仲間の集め方でかなり個性が出ますし、船の攻撃力に与える影響も非常に大きいです。うまく仲間を集められるとどんなに強い敵船でも沈められるようになり、自分の海賊団の強さを実感できます。

このゲームの一番楽しいポイントだと感じています。


⑥休憩、海軍から隠れる

海軍は一定周期で移動し、追い付かれると襲撃されます(絶対に勝てませんし、被害が大きいです)。休憩アクションを選択していれば回避できます。

休憩アクションは基本的に何も生まないため可能な限りスキップしたいのですが、スキップすると海軍に襲撃されるリスクが生じるため、海軍との距離が近い時は休憩を選択する必要があります。

が、時には海軍に襲われても他のアクションを優先したい場面が出てくるのが悩ましいポイントです。



このゲームの面白さはやはり仲間集めと戦闘だと思います。多数の仲間候補がいるため戦略に幅ができますし、上手くコンボできたときには爽快感があります。

戦闘も勝つメリットが大きい反面負けるデメリットが少ないためかなり積極的に発生しますし、負けてもストレスが少ないです。負けるとダイスを操作できる命中トークンを1つ貰え、次以降の戦闘でかなり勝ちやすくなります。強い相手でも命中トークン有無で十分勝機があるので、叩かれてもどんどん叩き返せます。戦闘、個人攻撃が多いのにピリピリしにくく、ワイワイ楽しめる雰囲気がこのゲームにはあります。


言語依存度が低く、英語版でもルールを把握すれば問題なくプレイ出きるのも良いところ。


難点としては、、

船員がようやく4人集まった後半にわりとさらっとゲームが終わるため少し物足りなさを感じるかもしれません。序盤自分が弱いときのチマチマ感も手伝って、強くなった後の楽しい時間が少し短い印象を受けます。

また、戦闘で負けてもデメリットが少ない=勝ちそうなプレイヤーを攻撃によって止めにくいというのもあります。

あと、合間合間で海軍から隠れ回らないといけないため少しテンポを崩してる気がします。アクセント的な要素ですし、休憩場所の取り合いみたいな駆け引きもあるため、一概に悪いとは言えませんが、、、




【コンポーネント】

このシリーズの特徴として、「小さいのにものすごく凝った、豊富な内容物」というのがあります。

Tiny Epic Piratesもこれに漏れず、コンポーネントはかなり充実しています。

小箱クラスの外箱の中にこれでもかとトークンやカードが詰め込まれており、広げると中量級のゲームに恥じない壮観な眺めとなります。

海賊船を初め造形が非常に凝っており、小さなカードもややアメコミ調ながら綺麗なイラストで飾られています。

全体的に満足度が高いコンポーネントですが、海賊船などがやや細か過ぎて、戦利品の積み降ろしが面倒なのと破損が心配なのが難点です。

ミープルも甲板員などは1cmちょっとくらいしかなく、扱いにくい上に紛失が心配です。

メインとなるマップも厚紙のボードではなくガードなので、プレイ中にずれやすいです。

小さいコンポーネントの弊害はどうしてもあると思われます。



【まとめ】

小さいながらも本格的であり、十分楽しめるゲーム内容と充実したコンポーネントが魅力のゲームでした。

少しゲームバランスの調整が大雑把な感じがするのと、大箱で良いからマップや個人ボードをカードではなく厚紙にして、駒を大きくしてほしかったですが、、この小さなコンポーネントが刺さる人には刺さると思います。

まだ一度流してみただけなので、もう少しやり込んで、印象が変わったら更新します。

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